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2024年2月20日火曜日

2024 スプラッタパンク・アワード ノミネート作品発表!

さて、第7回となる本年2024年のスプラッタパンクアワードです。いや、さぼってたわけではないから。例年何周年が終わると、すでに発表されているもんで、今年もアップ直後ぐらいに見てみたらまだだった。ちょっと不安になってもっとよく検索してみたら、 Brian KeeneがXで「ノミネート発表になるのは週末になるよん」と言ってるのを発見。そんなわけで週末まで待って発表を確認してからとなりました。
昨年、長編以外の各部門が5作品となり、色々ジャンル全体的に苦しそうな時期だったので、それゆえのスケールダウンかと言ってたのですが、今年は長編も5作品。なんかそういう事情ではなく、もっとちゃんと絞って行こうという話なのかも。 今年は、発表はKeeneのホームページではなく、キラーコンのホームページ内に設けられたアワード専用ページでの発表になってたりと、色々変わってきているのかもしれません。まあ、このまま萎んで行って欲しくないというこちらの願望は大きいんだろうけど、 キラーコンの重要なイベントとして押し出したいという印象はあるし、今年に関してはあまりマイナス要素や傾向も見えないのだけどね。
とりあえずはここからまた頑張って欲しい、第7回を迎えた2024年のスプラッタパンクアワード、以下が各部門のノミネート作品です。

2024 Splatterpunk Award ノミネート作品


【長編部門】

  • The Night Mother by John Everson (Dark Arts Books)
  • Maeve Fly by C. J. Leede (Tor Nightfire)
  • Pedo Island Bloodbath by Duncan Ralston (Shadow Work Publishing)
  • Dead End House by Bryan Smith (Grindhouse Press)
  • Along the River of Flesh by Kristopher Triana (Bad Dream Books)

【中編部門】

  • The Bighead’s Junk by Edward Lee (Evil Cookie Publishing)
  • Smokey Elvis and Danzick Battle Swamp Ass by Lance Loot (Independently Published)
  • Snow Angels by Lucas Mangum (D&T Publishing)
  • Sirens and Seaweed by Candace Nola (Uncomfortably Dark Horror)
  • Bowery by Matthew Vaughn (Independently Published)

【短編部門】

  • “My Octopus Master” by Stephen Kozeniewski (from Dead and Bloated, Evil Cookie Publishing)
  • “Unfound Footage” by Patrick Lacey (from Splatterpunk’s Basement of Horror, Splatterpunk Zine)
  • “Hide/Invert: A Saga In Ten Reels” by David J. Schow (from The Drive-In: Multiplex, Pandi Press)
  • “The Night People” by Bryan Smith (from The Gauntlet, Grindhouse Press)
  • “Blood Harmony” by Chet Williamson (from The Drive-In: Multiplex, Pandi Press)

【短編集部門】

  • Something Very Wrong by Jonathan Butcher (Independently Published)
  • Transcendental Mutilation by Ryan Harding (Death’s Head Press)
  • Woe To Those Who Dwell On Earth by John Lynch (High Explosive Horror)
  • Gush: Tales of Vaginal Horror by Gina Ranalli (Madness Heart Press)
  • Beautiful Darkness by Jay Wilburn (Madness Heart Press)

【アンソロジー部門】

  • Splatterpunk’s Basement of Horror edited by Jack Bantry (Splatterpunk Zine)
  • Blood and Blasphemy edited by Gerri R. Gray (Hellbound Books)
  • We're Here: An Anthology of LGBTQ+ Horror edited by Angelique Jordonna and James G. Carlson (Gloom House Publishing)
  • Dark Disasters edited by Candace Nola (Uncomfortably Dark)
  • Dead and Bloated edited by K Trap Jones (Evil Cookie Publishing)

【J.F. GONZALEZ LIFETIME ACHIEVEMENT AWARD】

  • Ray Garton
  • Craig Spector


以上、2024年スプラッタパンクアワード各部門賞ノミネート作品。だったわけだが、うむ、なるほど。まだ詳しく調べたわけではないので、曖昧な全体的な感触ぐらいなんだが、なんとなくこのジャンル少し成長したとか、そういう印象。
うーん、どうもあまりうまく言えてない気もするんだが、例えば成熟だの安定だのが正しいなどと言うのは、所詮幼稚園児向けのお弁当箱ぐらいのキャパで自分が完成したと満足し、あとは後続を傲慢に踏みつけにするばかりのような俗物の戯言で、 そういった方向での「成長」みたいなことを言っているわけではないのだが。
スプラッタパンクアワードを、まあとりあえずでもその最初から見てきた者としての印象では、とにかくこれを俺たちが盛り上げるぞ!すげー怖いのをを書いてやるぞ!って感じの俺出版社や自費出版で猪突猛進で進んできたのだが、ちょっとここに来て ジャンルというものが形になり、地に足を付けた感じで創作活動をやって行こうという作家や出版社が増えてきたように思われる。
もしかすると、業界全体的に苦しく自費出版など多かった昨年と比較した印象なのかもしれないし、もっと詳しく調べて行けば実態それほど変わってないのかもしれないが。ざっと見た曖昧なところからは、わー怖そー、どんなんだか読んでみたい、というものから もう少し腰を落ち着けて読んでみたいというような作品が増えてる印象。
バカや勢いみたいなエネルギーは絶対に否定すべきものではないが、そういう成長も必要なものだろうとは思う。

まず長編部門ではBryan Smith、Kristopher Trianaというようなお馴染みの常連メンバーも頼もしく並んでいるのだが、個人的に注目はC. J. Leedeの『Maeve Fly』か。えーと下にある目玉のカバーのやつ。なんか結構表紙買いの部分あるかもしれんけど。 ちょっと調べてみたら、この人女性だった。とりあえずノミネートされたオリジナルのTor Nightfire版にリンクしてあるけど、英国Titan Books版の方が安い。まあ英国版が別にあるという時点で期待値・注目度の高い作品ということだろうけど。John Eversonはブラムストーカー賞候補にもなった作家で、『The Night Mother』は NightWhereシリーズの第3作。Duncan Ralstonはこれまでにもどっかの部門で登場してるんじゃないかと思うんだが、いかにもこのジャンル王道(?)傾向の作家。
中編部門には今年も大御所エドワード・リーがノミネート。『The Bighead’s Junk』は過去作『The Bighead』と関連する作品。『White Trash Gothic』から自作の誰も絶対住みたくないリーユニバースのの統合にかかっている大御所だが、これもその方向の 作品とみられる。エドワード・リーに関しては、この誰も住みたくないリーユニバースを含め、日本布教への任を任されていると勝手に思い込んでいる私だが、いまいち洗脳が緩く全く進んでなくて申し訳ない。この度の修正でもリー作品多すぎてアマゾンリンクの 修正後回しにしてるし…。ここは『White Trash Gothic』の序盤で精神科女医に大興奮してたリー先生にあやかり、爆乳ナース効果で押し進めるべし!と思う今日この頃。その他中編部門では、アンソロジー『Dark Disasters』の編集もやった、女性作家 Candace Nolaの『Sirens and Seaweed』あたりも注目か。
短編、短篇集部門はどうも把握しにくくて申し訳ないんだが、アンソロジーでも名前をよく見るあたりが上がってきている印象。その中で短篇集『Something Very Wrong』のJonathan Butcherは知らなかったかも。短編部門ではアンソロジー『The Drive-In: Multiplex』 から2作がノミネートされているが、これ実はジョー・R・ランズデールの全3作からなる『The Drive-In』シリーズ(日本では第1作『モンスター・ドライヴイン』のみ翻訳)に連なるアンソロジー。あのS・A・コスビーなんかも参加してる豪華アンソロジー なんだがこちらではノミネートに入ってはいない。まあスプラッタパンク作品ばかりではなさそうだしな。出版しているのは娘のカントリーシンガーとしても有名なケーシー・ランズデールの経営しているPandi Press。お父さんの初期作品などを復刻している。 『The Drive-In: Multiplex』かなり気になるんだが、今のところアマゾンKindleなどなく、販売はPandi Press直のみ。もう少し様子見かな。
アンソロジー部門については、まず一番怖そうなカバーという理由でトップ画像にも使った『Splatterpunk’s Basement of Horro』。こちらはジャンルのクラシック作品などを集めたものということで、J.F.Gonzalezの作品なども収録。割と新しめの作家の名も あるので旧作ばかりではないのかもしれんが。『Blood and Blasphemy』は冒涜ホラーアンソロジーという趣旨のもので、画像小さくてわからんと思うが、十字架にかけられているのはダッチワイフ。『We're Here: An Anthology of LGBTQ+ Horror』。うーむ、 LGBTQか。いや、LGBTQって基本的に真面目に訴える人達が使う用語じゃなかったのか?なんでもありのスプラッタパンク、エクストリームホラージャンルで、あえてLGBTQを訴えるというのがいかなることになってるのか興味あるかも。『Dark Disasters』は、 前述の通り女性作家Candace Nolaの編集によるアンソロジー。女性作家限定ではないが、近年よく名前を見かけるその辺が名を連ねてる感じ。『Dead and Bloated』は、水辺、水死体ホラーアンソロジー。かなり偏った感じに見えるが、それなりにいい作家 揃えてる印象。

以上、2024年スプラッタパンクアワード各部門賞ノミネートでした。もしかしたら、後から見ればここらがターニングポイントになったということになるのかもしれない、なかなかに興味深いラインナップ。あれもこれも読んでみたいと思うけど、まあそうは いかんものだろうな。なんか適当な斜め読みを「速読」などとカッコつけるようなバカ手段以外に早く沢山読める方法ないかねえ。まあ新書みたいなもんならそれで足りるのかもしれんけど。
最近の修正で発見したスプラッタウェスタン作品一つぐらい入ってないかと思ったけど、なかったのは残念。そちらとあとエドワード・リー先生については何とか個人的には頑張れればと思う。いや、今度こそちゃんとやるぞい。
スプラッタパンクアワード各部門受賞作発表は、本年8月9-11日、テキサス州オースティンで開催されるキラーコンにて。発表の際にはまたこちらでもなるべく早期にお伝えする予定であります。


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