Translate

2017年1月21日土曜日

Hellblazer -Garth Ennis編 第1回-

明けましておめでとうございます。というわけで、やっぱり年を越してしまったのですが、2017年最初はこちら『Hellblazer』、Jamie Delanoより引き継がれたガース・エニス編の第1回となります。
左の現在発売中の『Hellblazer』完全版のTPB第5巻では、前半がDelanoによる最終回40号までで、後半41号からがガース・エニスの担当となります。今回取り上げるのはそちらの41~46号の全6話からなる「Dangerous Habit」です。エニス作のものはDelanoほどややこしくはないのだけど、こちらの作品は知ってる人も多いと思いますが、2005年のキアヌ・リーヴス主演による映画『コンスタンティン』のベースとなっている部分もあるものなので、比較のためにも少し詳しく、またネタバレありの感じで書いて行きます。

【Dangerous Habit】

Delano編後半では、Chasの賭け屋の居候の後、宿無し状態だったコンスタンティンですが、41号エニス編の最初からはロンドンのアパートに暮らしています。ある夜、身体の変調から病院を訪れたコンスタンティンが、肺癌で余命も少ないことが告げられるとこらから物語は始まります。煙草も前はどんな銘柄を吸っていたのか不明ながら、あのジャック・テイラー氏も健康に影響が少ないとかって煙草会社の詐欺だよね、と言ってた(The Dramatist -ジャック・テイラー第4作!-参照)シルクカットに変え、死の影におびえるコンスタンティン。Delano編第1号などに登場した過去に彼のために命を落とした者たちの亡霊に脅かされるというシーンも登場します。体に悪魔の血が流れる(Hellblazer -Jamie Delano編 第2回- 【Original Sins】8号参照)という異常体質のためもあり、その後は病院に行くのを止めてしまうコンスタンティンですが、病棟を見学中同様に癌で余命僅かな老人Mattと知り合い、時々彼の許を訪ねるようになります。(41号)
窮地に陥ったコンスタンティンは、助けを求めアイルランドの魔術仲間Brendanの許を訪れます。暖かくコンスタンティンを迎えてくれたBrendanですが、酒好きで飲みすぎの彼に愛想を尽かし、かつて3人で楽しい時を過ごした妻のKitは彼の許を去っていました。地下室にコンスタンティンを連れて行くBrendan。そこには地下から聖水が湧き出ており、Brendanは魔術でその聖水を美酒に変え、二人で酌み交わします。遂に自分は死にかけていて助けて欲しいと告げるコンスタンティン。しかし、そのBrendanも肝臓をやられその命も今晩限りだろうという答えが返ってきます。全てを忘れ、美酒に酔いしれる二人。やがてBrendanの意識が薄れ始め、コンスタンティンは彼を安らかに瞑らせるべく立ち去ろうとします。だが、そこに現れたのはBrendanの魂を連れに来た地獄の主でした。コンスタンティンは彼にまず美酒をふるまい、それを飲んだところで祭壇を壊し、酒を聖水に戻し苦しむ地獄の主を撃退し、そのすきにBrendanの魂を彼の手の届かないところへ旅立たせます。(42号)
何とか死から逃れる方法を探すコンスタンティン。そしてロンドンの秘密クラブで政財界の要人の相談役となっている天使ガブリエルを訪ね、救ってくれるよう頼みますが、却下。長らくそんなところに収まっているうちにお前のやってることは神の意志に合わなくなってるぜ、と言い捨てて去るコンスタンティン。しかし遂に万策尽きてしまったと思ったところで、最後のある手段を思いつきます。(43号)
最後の賭けに出る前に、コンスタンティンは様々な人に別れを告げます。これまでに何度か登場してきた姉のCheryl。そしてお馴染み親友のChas。Chasについては、いかにもエニスの好きそうなキャラで、ここでは元のタクシー運転手に戻っていて、今後はエニス作品的キャラとして登場頻度も増えます。いつものようにコンスタンティンの悪態に噛みつきますが、残していった封筒には金と別れを告げる手紙が入っており、男泣き。そして最後に癌病棟で知り合った老人Matt。コンスタンティンは今は空き家となっている、住人が彼との関わりで全員惨殺されてしまったアパート(Hellblazer -Jamie Delano編 第2回- 【The Devil You Know】10号参照)を訪れ、かつての自分の部屋である準備を終えた後、酒をあおり、自らの手首を切ります。そして、Brendanの時に現れた地獄の主がコンスタンティンの魂を手に入れるため現れます。(44号)
そしてコンスタンティンの魂を連れ去ろうとする地獄の主。しかし、そこに更に最初の者と併せその3体で地獄の三柱として支配する2体の悪魔が現れます。コンスタンティンは自殺を図る前にこの2体の悪魔と魂を売り渡す契約をしていたのです。ちょっとややこしくなってきたのでここで自分の調べた範囲で解説します。私もその方には全然詳しくないのですが。ここで登場する3体の悪魔は、有名な魔術書グリモワールの一つである『大奥義書』に書かれているという地獄を支配する三柱、皇帝ルシファー、君主ベルゼビュート、大公爵アスタロトのことのようです。なんだか更にその先を調べようとすると果てしなく難しくなりそうなので、ちょっと雑ですが、その三者の力の均衡の上に地獄は支配されているぐらいのところでご理解ください。見る人が見れば誰が誰なのかはすぐわかるのでしょうが、多分最初にコンスタンティンに聖水を飲まされて遺恨のあるのがルシファーで、そのほかの2体にも魂を売り、それぞれが悪名高いコンスタンティンの魂の所有者を主張するという状況を作り出したのです。三者による戦いが起これば、それに乗じ神が介入し、地獄の支配権を失いかねない。三者によって出された妥協案は、コンスタンティンの思惑通り、彼をまだ生かせておくというものでした。三者は恨みを込め、なるべく苦痛の多い方法でコンスタンティンの身体を治します。しかし、彼は自分の生命の危機という最大のピンチをまんまと切り抜けたのでした。(45号)
[※注 少し色々調べてみてこれは地獄の三柱というやつだろうと解釈して書いてしまったのですが、あとで『Hellblazer』のウィキを見ていたら、最初に登場する地獄の主はエニスの後の作品『Preacher』に引き継がれるキャラというようなことが書いてあって、もしかしたらルシファーというようなものではないかもしれません。とりあえずその『大奥義書』のものに基いた設定であるのは大丈夫なのではないかと思うのでそのままにしておきますが、また詳しいことがわかったら書き直すなり注釈を入れるなりします。]
なんとか生き延びたものの、結果的には地獄の三柱を敵に回してしまったこととなり憂鬱に部屋で飲んだくれるコンスタンティン。二日酔いの頭で久しぶりに外出すると、そこでbrendanのかつての妻Kitと再会します。近くの店でしんみりとBrendanの思い出を語り合う二人。そこに現れたのはChas。この野郎!コンスタンティン!お前てっきり死んだと思ってたぞ!ふざけやがって!馬鹿野郎!そこでコンスタンティンはもう一人、重要な人物のことを思い出します。Matt…!急いで病院に駆けつけると、Mattはいつものようにベッドの上で新聞を読んでいて、変わりない様子に一安心。友達は重要だよ。大事にしろよ。そんな短い会話の後、Mattの容態は急変。そしてそのまま息を引き取ります。土砂降りの雨の中、コンスタンティンは打ちひしがれ崩れ落ちます。俺は悪魔をペテンにかけて生き延びたクズだ…。(46号)

こちらのTPB版には、1993年に「Dangerous Habit」が単行本化された際のエニスによる序文が掲載されています。優れた作家たちによって創造されたこのキャラクターを引き継ぐに、どうすればよいかずいぶん悩んだということ。そして思いついたのが、やつを殺すことだ!と。コンスタンティン自身の死を描くことで、彼自身の内面をエニスなりの方法で深く掘り下げ、ここからどう続ければいいのか誰でも悩むようなDelanoによる最終回から見事に『Hellblazer』を引き継ぎ、ジョン・コンスタンティンというキャラクターを自分のものにした、さすがガース・エニスという作品でした。
作画/ペンシラーはWilliam Simpson。イギリス出身のアーティストで、『Hellblazer』以前には2000ADなどで多くの仕事があります。こちらの作品、全6話の中でインカーが何度も入れ替わっており、その度にタッチが大きく変わるので描き手が交代しているのではと思った人もいるかもしれませんが、ペンシラーはすべてSimpson一人によるものです。インカーによってずいぶんタッチが変わってしまったり、重要と思われるシーンで背景が無かったりということがあり、このSimpsonという人ちょっと画が雑なのではないか、と思ってしまったのですが…、違いました。それがやっとわかったのはこの先のTPB第6巻掲載の全面的にSimpsonによる作画を見てからのことです。そちらを見てみると、Simpsonの線というのは太い部分はそのまま影などのベタに溶け込み、細い部分はフェイドアウトして行くというような個性的で再現の難しい線だったのです。そういう線のつもりで描いたものを全く違うタイプの線を使うインカーの手によって仕上げられると、思ったような効果が得られなくなるわけです。前述の背景のないコマも、Simpson自身の線で描かれれば、ちゃんとそういう効果の画として成立しただろうなと思えるものでした。そちらの全てSimpsonの手による画を見て、かなりホラー的な効果も上手い人だったので、そちらの方が得意な人なのかと思ったのですが、前述のエニスの序文では、かわいそうなダチのウィルにはとんでもないもの描かせて苦労かけちまったなあ、と書かれていて、実はもっと正統派ヒーローみたいなものが得意だったようで、特にこの「Dangerous Habit」では苦戦したようですね。
で、そのSimpsonの「Dangerous Habit」での画があまりうまくいってないようなのを見て、少しペンシラーとインカーというものについて考えてみたのです。まずこのスタイルの分業というものは、それがアーティストの側から出たものにしても、明らかに出版というもののスケジュールのための要求からできたものでしょう。まあ、現在の特に日本でのデジタルでの作画が進んでいる状況では少し違ってきているかもしれませんが、おおよそマンガ/コミックでプロを目指す絵描きがペンやインクを使えないということはないでしょう。なぜなら修行の段階でなるべく世に出ているものに近いものを作り上げようと思ったら、その段階までは仕上げなければならないからです。で、アメリカのコミックの出版事情のためにできたその分業化なのですが、イギリスでは少し違っていたのではないかと思います。自分もそんなにイギリスのコミック事情に詳しいわけでもなく、部分的に知っていることからの推測も多いのですが、イギリスにもマーベルUKなどもあり、アメリカ式のコミックの作り方にならっていたところも多いだろうし、イギリスでのインカーというのも聞いたことはあるのだけど、アメリカと違いアンソロジー形式の出版が日本同様に好まれるけど日本ほどページ数の多いものが出ているのでもないイギリスでは一回のページ数もそれほど多くなく、インクまでの作業をアーティスト一人が行う場合も多かったのではないかと思います。そして2000ADではフルカラーになったのが1991年で、それまでは主に白黒ページで、おそらくはそれほどインカーの需要もなかっただろうし、Simpsonもそれほどインカーと作業をしたこともなかったのではないかと思います。この「Dangerous Habit」での何度もインカーが交代し、タッチがまるで変っているのも、Simpsonが自分に合うインカーを探していたような事情ではないかな、と思ったりします。
2000ADは創刊が1977年で、91年まで白黒ページのコミックとして続いていたわけですが、77年でもフルカラーのアメリカのコミックは普通に入ってきているわけで、そんな中で2000ADのアーティストたちはきっと、俺たちはカラーではなく線のコミックをやるのだ!、という気概が高かったのだろうと思います。2000AD初期の『Judge Dredd』を見ているとBrian Bolland、Ron Smith、Mike McMahonといったアーティストの画はまず線が素晴らしいし、その後のSteve Dillon、Sean PhillipsからHenry Flintなどに至るまで線のすぐれたアーティストを多く産み出しています。Simpsonもこういった線にこだわりのあるイギリス出身のアーティストのニトリなのだろうと思います。この辺が、以前2000ADの時に書きかけていたイギリスの、というよりは少なくとも2000ADのアーティストたちの線へのこだわりで、それが現在フルカラーになっている2000ADでも時には半分ぐらいの作品が白黒だったりすることにつながっているのではないかなと思ったりもするのですよね。
こういう線へのこだわりというのは、イギリス作家だけのものではなく、アメリカでも現在Darkhorseから出ているかつてのWarrenの『Creepy』の復刻版オムニバスを読んでいると、第2号の読者コーナーにECの伝統を継いだ白黒の美しい線によるコミック誌の登場を歓迎し、絶対にカラーにしないでくれとの声も多く見られたりします。ただアメリカではその辺がどこに引き継がれているのか、ちょっと自分にはまだ見つかっていないようなところなのですが。実際、線で描かれたものに色を乗せると人の目は線ではなく塗られた方の面を見てしまったりするので、どうしても線は後退してしまいがちです。これは近年のCGによるカラーリングが主流となっている状況ではさらに顕著になり、例えばValiantのものでは巻末にカラーリング以前の原画が数ページ掲載されているのですが、それを見てこの人はずいぶん迫力のある線が描ける人だったのだなと初めて気づいたりということもよくあります。これは線の上にカラーを乗せてしまっているとかいうものではなく、CGによりかなり暗い色へのグラデーションなどで立体感・陰影がつけられるようになったのが主な原因で、それによりさらに画の中で線が後退してしまっているということでしょう。
また、前述の英2000ADの状況を、日本と照らし合わせてみると、同様に白黒であっても、イギリスのようにアメリカのものが多く入りある意味カラーがメインである状況での白黒というものではなかったわけで、もちろん日本のアーティスト/漫画家も線へのこだわりは強いけど、線のみで描いたものにこだわるのではなく、疑似的なカラーという方向ものをも含んだスクリーン・トーンの様々なテクニックが発展したということなのではないかなと思います。
また、話はアメリカのペンシラーに戻るのだけど、こちらも随分歴史も長く独特の発展をしているように思います。まだそれをそれほどたくさん見るというところまで至っていないのだけど、時々有名なペンシラーのインクを入れる前の原画が掲載されていたりするのを見ることがあると、それはまあ大変すばらしくインカーの手に渡ってもきちんと再現できるようにかなり細部まで描き込まれていて、日本のマンガの感覚で言う下描きというレベルのものではなかったりするのですよね。最初はもう少しラフなものだったりもしたのが、やはりアーティストとしてはきちんと自分の描いたものが思うように完成されるように、という方向でこういう形の完成された「下描き」というものが作られていくようになってきたのではないでしょうか。もうこんなの渡されても怖くて触れないよ、っていう感じのものなのですが、そこは長い歴史の中でインカーという方にもそういうことができるようなシステムが出来上がっていてこそのことなのでしょうね。見ている分には本当に素晴らしいのだけど、もしかしたら当初の目的である分業による効率化というところは実は意味がなくなっているのかもと思ったり。たぶん単純にキャラクターの下描き→ペン入れ→背景の作成という手順を踏んだ方が作業時間としては早くなると思うけど…。
色々書いてきたのだけど、まずSimpsonから始まったので、線の方向の話になってしまったけど、もちろん自分はマンガ/コミックが線をメインにして描かれるべきである、などというつもりはありません。画に正しい形なんてあるわけないよ。カラーも含めたうえでの素晴らしい画を造ってるアーティストだってたくさんいるのだし、線という方向で言えば、2000ADのTom Fosterとかは独特の線とカラーを両立させるような画を造りだしているし、また『Absalom』のThernen Trevallionなんかは白黒でもグレーのグラデーションでまた新しい画を造りだしているのだし。まあマンガ/コミックの画は、色々見てるとその国の事情なんかも見えてきて、奥が深いですねってこと。

ちょっと画の話がずいぶん長くなってしまったのだけど、ここからが映画の話です。『コンスタンティン』はフランシス・ローレンス監督、キアヌ・リーヴス主演の2005年製作のアメリカ映画です。まず公開以前からキアヌはどう見てもジョン・コンスタンティンじゃねえ、って批判は上がっていて、まあそれはそうなのだけどもう言ってもしょうがないことなのでそちらについては省略。上に長々とストーリーを説明した通り、ベースになる「Dangerous Habit」から採用されたのは、主人公コンスタンティンが肺癌で死に瀕しており、悪魔とのやり取りの結果命を取り留めるというところ。あと、天使ガブリエルの登場と、コンスタンティンが手首を切るあたりも原作からか。原作で重要なBrandonのくだりや、Mattとのやり取りの末、俺は悪魔をペテンにかけて生き延びたクズだ、と崩れ落ちるというようなところは映画にはありません。まあちょっと設定を使ったという程度で、あんまり「Dangerous Habit」が原作というほどのものではないでしょう。映画のストーリーのメインとなるのは女刑事アンジェラとその双子の妹の話ですが、こちらがオリジナルなのかまだ自分が読んでない原作があるものなのかはわかりませんでした。以前書いたようにスタローンの『ジャッジ・ドレッド』が初期のいくつかのストーリーを組み合わせたものだったように、こちらも元になるものがあるのかもしれません。もし自分の方でわかることがあったらいずれ書くようにします。
まず、『Hellblazer』というコミックがどういう話かというと、主人公のオカルト探偵・魔法ゴロのジョン・コンスタンティンが古からの魔術の知識や口先で悪魔を丸め込むなどの方法で、超常的な事件を解決して行くというもの。まあ、これまで書いた通りDelano編ではほとんど事件を解決していないのだけど。あまり派手なアクションシーンなどはありません。しかし映画となればもっと派手なアクションシーンが欲しい、とおそらく製作陣は考えたのでしょう。そこで話を魔術的な方向からエクソシズムへとシフトし、そちらの方向で使われてきた手段を使うことにより物理的にも直接悪魔とバトルし、アクションシーンを盛り込む、という形でできたのがこの映画なのだろうと思います。宗教色が強い、という言われ方もしているようですが、自分の感想としてはそういうよりもそれまでの色々な映画などで使われてきたような宗教的ルールみたいなものをそのまま転用しただけで、十字架や聖書の祈りに弱い反キリスト教の悪魔が世界を支配しようとするならキリスト教の勢力の弱い、例えば日本とかでことを起こせばいいじゃん、みたいな揚げ足取りのツッコミができるようなものになってしまったのではないかな、というところです。
まあその辺は以前自分が原作を読む前に思ったことで、原作を読んだ後に観て気になってしまったのはそちらにも登場するキャラクターのことです。まず、なんといってもチャズ…。コンスタンティンのようなエクソシスト(ってこの映画では言うべきなのでしょう)に憧れる助手の少年になっているのだが…。チャズ=Chasの良いところは、オカルトに関わるコンスタンティンの友人が次々と死んでゆく中で、唯一オカルトに全く関わらないことで生き延びているちょっと武骨で頼りになる男、というところなのに。こんなに180度違うキャラなら名前だけを使うことないのに。あとババ・ミッドナイト…。なんか中立的な立場で中立の酒場をやってるみたいなキャラになってるけど。原作ではこれまでのところでは第1~2話に登場した(Hellblazer -Jamie Delano編 第2回- 【Original Sins】参照 原作ではPapa Midnite)ロンドンのアンダーグラウンドの顔役でブードゥーの呪術師の恐ろしくダークな人物なのに。(もう絶版なのだけどこのPapa Midnite中心の単行本もあったようなのでまた今後の登場もあるのでしょう。)なんか映画的な要求からの話の方向のシフトや、このようなただ名前を使っただけのキャラの登用とか見ると、この脚本書いた人ってただ色々な要素を都合よく小器用にまとめるのが上手いだけで、全く原作に尊敬も愛情もない人に見える。監督の腕はそこそこいいようでふつうに観られる作品に仕上がっているかもしれないけど、この脚本を書いた人はあんまり好きになれない。結局のところは原作と比較して考察するほどの映画ではないのではないかな、というところが私の感想です。なんだか2作目の製作も最近になって進行中のようだけど、どうなんのかね。

あと最後にちょっと久しぶりの登場にになってしまったので、われらがガース・エニスさんの近況を少し。まず、もはや近況ではなく私がぼんやりしてて気づかなかっただけだけど、あの『ヒットマン』のセクション8が帰ってきてたのですね。DCから昨年6月にTPBも出ていた『All-Star Section Eight』!Comixologyの年末のセールに入ってて初めて気づいたよ。だってDCっていっぱい出てるんだもの。2015年6月からの全6号のミニシリーズですが、その後もセクション8の活躍は進行中のようで昨年8月からは続編(?)『Sixpack and Dogwelder: Hard Travelin' Heroz』が現在進行中です。『ヒットマン』も日本版の出た2巻のところまでしか読んでないから何とかしなきゃなあ、と思ってたら、なんとやっと続巻3,4,5、の発売が3月から始まることになったそうでありがたい。なんか下手に空気読むようになると嫌なので、日本国内の事情には近寄らないようにしててうといのだけど、セクション8復活は結構日本でも盛り上がっているのでしょうか。更に来月2月にはなんとあの『ザ・ボーイズ』の日本版が!まさかこれが日本で出るとは思わなかったよ!話を向こうに戻すと、Dynamiteからの『A Train Called Love』は全10号で無事終了し、全7話のミニ・シリーズで終了なのかな、と思っていた『Red Team』の続編『Red Team: Double Tap, Center Mass』も現在進行中。更に新興パブリッシャーながら急速に存在感を増しつつあるAftershock Comicsからもエニス流007風スパイアクションらしきものが開始されるとか。ミニ・シリーズではなく本格的なシリーズになるとのことで期待も高まるところ。そして個人的に注目なのはDarkh Horseからのあの私の敬愛する英国コミック・レジェンドCarlos Ezquerra師匠とのコンビによる『World of Tanks』!こちらは有名なオンラインゲームをもとにしたものということです。でも戦車に乗ってるのは女の子じゃないよHAHAHA、とかジョークかましてみたけどこのコンビでガルパンやったら今世紀最大級の(17年にして)カルト作品になるかも!いや、どのサイドからもオファーも需要もありえなく、日本で喜ぶの私ただ一人だろうけど…。ああ、地獄絵図が頭に浮かぶ…。と、ここへ来てまた大活躍中のガース・エニスさんの近況でした。日本版はみんなで買って、もっとたくさんのエニス作品を呼び込もう!


トホホ…、明けましておめでとうなんてもう誰も言ってないよ…。昨年末大掃除も無事に終わり、さあやるぞ、と頭のところだけ書いたもののやはりそのまま年を越し、とりあえず頭に新年のあいさつを加えてまた正月中は放置。正月明けて動き出したら休みすぎの反動か腰に激痛が来て、またしばらく手を付けられず、やっとボチボチ始めたら思いのほか長くなってこの始末でやんす。とにかく寒さに弱いもので、しばらく暖かくなるまではスローペースが続くと思いますが、まだまだやる気だけは満々ですので気長に時々見に来てやってください。それでは今更ながらですが、本年もよろしくです。


●関連記事

■Hellblazer

Hellblazer -Jamie Delano編 第1回-
Hellblazer -Jamie Delano編 第2回-
Hellblazer -Jamie Delano編 第3回-
Hellblazer -Jamie Delano編 第4回-


■ガース・エニス

ガース・エニス『The Boys』全解説
Crossed -ガース・エニス作、超バイオレンス・サバイバル・ホラー-


●Hellblazer


●Constantine


●Constantine: The Hellblazer


●The Hellblazer



'君のせいで猫も失くした'はamazon.co.jpを宣伝しリンクすることによって サイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、 Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。