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2017年9月13日水曜日

2000AD 2017年冬期 [Prog 2011-2022] (前編)

またしてもずいぶんと遅れてしまいましたが、2000AD 2017年冬期であります。アホな使命感と言われようが、何が何でもこれだけはやらねばならんのだ。実際自分のやってるのがどの程度役に立っているのかは不明なのだけど、その歴史と内容の素晴らしさに比して、それぞれの作品の掲載ペースの間が長すぎる故どうしても一見さんにはとっつきにくい2000AD。何とか日本でも一人でも読者を増やすべく少しでもわかるやつがガイドして行かねばならんのだ、と自分を叱咤激励し何とか頑張るであります。それにしてもせっかく少し追いついたのにまたずいぶん遅れちゃったな…。
ではいつものようにまずは今期のラインナップから。

 Judge Dredd
 Kingmaker [Prog 2011-2022]
 The Order [Prog 2011-2022]
 Hope [Prog 2011-2016]
 Kingdom [Prog 2011-2022]
 Sinister Dexter [Prog 2018-2022]

と、今期はこのようなラインナップ。そして今期のトップ画像は、ちょっと出だしでゴリ押し力業感あるかなー、というところはあるけど、とりあえず先への期待もあって、Ian Edginton/Leigh Gallagherコンビによる『Kingmaker』であります!そして、前期2本立てで頑張った巨匠Pat Millsは冬休み。しかし、ただぼんやり休んでいる巨匠ではない!自身のMillsverseから6月には2000AD黎明期について綴った(のだと思うけど…)『Be Pure! Be Vigilant! Behave!: 2000AD & Judge Dredd: The Secret History』を、そして今月にはいつまでたっても私が手を付けられない『Requiem Vampire Knight』シリーズ最新刊Vol.10を刊行している!多分冬休みに頑張ったのだろうね。さすが巨匠!とまずは巨匠Millsの近況をお伝えしたところで2000AD 2017年冬期始まるよー。もう夏も終わるのに…。

Judge Dredd
 1. Deep in the Heart : Michael Carroll/Tiemen Trevallion/Henry Flint (Part1-8)
 2. Thick Skin : T. C. Eglington/Boo Cook (Part1-2)
 3. The Grundy Bunch : Arthur Wyatt/Tom Foster

現在のジャッジ・ドレッドには3人のメイン・ライターがいます。このメイン・ライターというのは、単にドレッドのストーリーを沢山書いているというのではなく、それぞれに自分のストーリー・ラインを持っている人たちのこと。まずメイン中のメインというのがドレッドの創造者の一人でもあるJohn Wagner。この人が書いているのがJudge Deathたちの話や、Chaos Dayのようなドレッドのストーリー全体の根幹にかかわるようなライン。そしてここ2年ぐらいの大きなストーリーであるTitan-Enceladusというところを書いているのがRob Williams。そしてもう一人が今回全8回にわたる「Deep in the Heart」のライターMichael Carrollです。Carrollの最近の大きなストーリーが昨年春から夏期前半に亘る未来のアイルランドEmerald Iselからテキサスにつながる3部作の大作です。テキサスと未来のイギリスの一部勢力が共謀し、Mega-City Oneを危機に陥れ、ドレッドの命も危機にさらされるというストーリーでした。実はこの話、後日譚的な数話がJudge Dredd Megazineの方に掲載されたそうなのですが、ちょっとそちらの方までは手が回らず未読です。とにかくその後テキサスとの関係は元に戻ったようで、今回の物語ではドレッドがテキサスに赴き、地元のジャッジとの協力のもと、Mega-Cityから逃亡中の重要指名手配犯の捜索に当たるというものです。
指名手配中の犯人を追い、テキサスに現れたドレッドは、地元のジャッジBrassとDukeの協力を得て捜査に当たる。どんな任務なのか、と問われても今は知る必要はない、と答える。今では独立自治区のようになり、ジャッジに似たシステムのセキュリティによって統治され、ミュータント、エイリアンをも含む五千人もの怪しげな住人が暮らすかつての巨大採油基地で手掛かりを追い、テキサスのゲットーで犯人を追う能力を持つミュータントの少女を捕え、ドレッドは犯人を追い詰めて行く。そしてその正体は…?
今回の話はかなり難易度高し…。いや、難解とかいうのでなく、少し昔からの主にMichael Carrollによるドレッドの知識が必要となってくる。今回ドレッドが追っていたのは、Sector Zeroと名乗るChaos Dayの混乱の中ジャッジ組織から離脱し、反Mega-Cityとして動いていた元アンダーカバーの一派の残党なのだが、いや、もうこの説明の時点でよくわからんという人もいるでしょう。この一派のリーダー的存在だったのがGideon Dallasという男で、それが前に出てきたのは2014年夏期のProg 1894から1899の『Cascade』という話で、異星のMega-Cityよりもさらに厳しい法体制の元多くの星を統制するLawlordsがMega-Cityを脅威に陥れるというものなのだが、実はそのLawlordsを地球に呼び寄せたのがそのGideon Dallasだったのである。その話ではDallasは途中から暗躍する感じで登場し、最終的には表に出てきて最後には射殺されるのだけど、いまいち役割がよくわからず、私もまだその頃は2000ADを読み始めて日も浅く、よくわからない人とか出てきてもそれが普通で、あんまりそこにこだわっていても先に進めなくなるのでよくわからないものはとりあえず放置という状態だったわけです。重要なキャラだったのかもしれないけどとりあえず死んじゃったし、そこのところ飛ばしても一応話はわかるしな、という感じでDallasのことには触れてもいなかったりする…。で、その更に前にこのGideon Dallasがいつ出てきたかというと、その前年2013年秋期、私が最初に2000ADについて書いた時のことで、Prog 1850-1855の『New Trick』。Mega-Cityの地下世界で起こった武装蜂起を陰で扇動していたのがこのDallasだったのだが、この時もいまいち役割が分からずまたしてもDallasのことには触れていなかったり…。なんだか最初読んだ時には今よりはるかにか細いドレッド知識で、P J Maybeと混乱していたような記憶もある。で、Dallas登場の回は以上で全部らしい。ただ、今回のMichael Carrollのストーリー自体は決してわかりにくいものではなく、テキサスでの追撃も大変楽しく読んだのだが、最後にその話が出てきて、んー、ちょっとよくわかんなかったけどまあいいか、と放置し、今回ちゃんと説明しなければ、と思ったところで躓いてしまったというわけです。そこでいろいろと調べてみて、コミック関係の結構大きなニュース・サイトであるMultiversity Comicsというところでやっとその時のレビューを見つけ何とか理解したという次第だったのでした。前の『Cascade』の時も何とかその『New Trick』で出てきたやつだというところまでは把握してたのだけど。ただよく考えればずっと正体不明で今回明らかになったというところなのかな。『Cascade』でLawlordsが出てきたときにはまだこんなのもいたのか、と思ったのだけど、Multiversityさんによると、実はその前にはMegazineの方でJohn Wagnerの書いた話に1回出てきただけだったらしい。Michael Carrollというのは時々こういうことをやる人らしいですね。今回はCarrollがずいぶん前の話を引っ張り出してきて、やっと決着をつけたということで、そのMultiversityさんの方でも若干呆れ気味でした。まあ所詮は私もまだ2000AD初心者の域を出ない辺りですので、ちょっと混乱気味になってしまったところはご勘弁ください。それにしても今回はMultiversityさんのおかげで助かったよ。今回初めて知ったのだけど、結構大きなところで少年ジャンプのレビューとかなかなか面白い記事も多いので、知らなかった人は要チェックだよ。

Multiversity Comics

しかし今回はなんとしてもそろそろ2000ADだけはやらねばならぬ!と勇んで2週アップを目指して取り組んだのだが、これで躓いてるうちにもう1週間以上過ぎてしまったよ…。今回は40周年特別号もあるのに…。何とかここから頑張るっス。あ、くどいようだけど最後にこの分かり難いところあるけど基本的にはCarrollのこの話面白かったですよ。そして今回の作画は前半4話が『Absalom』(最近単行本2巻目出たよ)のTiemen Trevallion、後半があのHenry Flint様である。『Absalom』では独特のグレイトーンを使って素晴らしい画を見せてくれるTrevallionだがカラーもなかなかの見物。やっぱ配色のセンスとかさすがですね。優れたアーティストの多い2000ADでFlintの描くドレッドこそが本当のドレッドだ、などというのはちょっと言いすぎだとはわかっているのだけど、Flintの岩に彫ったようなドレッドには本当に愛着あるのですよね。

2. TV番組に出演中のタレントが番組中に皮膚が突然崩れるように崩壊し死亡するという事件が続発。事件の背景にはタレントたちが違法に入手していた薬物が関係していることが突き止められたが…。
ライターは以前アレステア・レナルズ風のSF『Outlier』を書いていたT. C. Eglington。Boo Cookは一番活躍していた時期が私が2000ADを読み始める前で、それほど作品を見れてないのだけど、それでも皮膚が崩れ骨や内臓が飛び出すみたいな画は本当に得意なのだろうな、とわかる感じのグロテスクとブラックユーモアの方向が得意なアーティストです。この作品なんかもBoo Cookありきで書かれたんだろうな、と想像できます。

3. Bob Ross Wildlife Domeという自然環境保護ドーム施設にThe Church of Grud and Gunというカルト組織に属するGrundy一家が武装して立て籠もる。侵入手段を模索する対策班にドレッドがある策を提案する。
こちらはレトロ画アーティストJake Lynchと『Orlok, Agent of East-Mega One』シリーズやドレッドを書いていたArthur WyattがTom Fosterと組んだワンショット。Tom Fosterももう新人と紹介するには時間も経ったところでしょうか。登場の度に印象的な仕事を見せてくれるのだけど、そろそろこれという代表作が欲しいところ。今回の作品のFosterの制作過程が前回お知らせした2000ADのYOUTUBE”FROM THE DRAWING BOARD”に上げられています。ペンシルでの下描きを一旦PCに取り込み青でプリントしたものをトレースしてペン入れするというこだわりの手法を見せてくれます。



Kingmaker
 Ian Edginton/Leigh Gallagher

今期より始まった今や書く作品にハズレ無しぐらいの勢いのIan Edgintonと、あの『Defoe』『Aquila』のLeigh Gallagherという恐るべきコンビによる新シリーズ!ファンタジーSF大作の開幕です!いや、最初にちょっと力業感とか言っちまったけど、やっぱり個人的な感想かもしれない…。こーゆーのが嫌いとかいうわけではないのだけど、ちょっとあんまり得意じゃなかったり。例えばRPGとかで最初にその世界の伝説とか成り立ちとか重々しいナレーション付きで延々とテキストスクロールしながら語られて始まったりするじゃないですか。一応少し一所懸命聞いて読むのだけどなーんだか右から左にすかーっと抜けて何が目的かもすっかり忘れていつの間にかはぐれメタルハンターになっているというタイプなのですよね、私…。でこの作品、そんな感じでこれから30年ぐらい続く超大作始まるよーって感じで始まってしまって、こんな私にきちんと説明できるか今ひとつ自信がないのだが、とりあえず頑張ってみるです。
暴王Ichnarの圧政を下してから2000年、世界は9つの王朝により統治され平和を保っていた。しかし、その骨が地中から掘り出された時、Ichnarは蘇生復活し、再び世界には闘いがもたらされる。それぞれの王朝から集った様々な種族の勇者たちの決死の闘いにより、再びIchnarは下されるかと思われた。だがその時!空に現れた謎の巨大宇宙船によりすべての闘いは中止される。そして…。

酒場でそんな伝説を語る老人に酔漢が絡む。しかしその老人Ablardは実はその闘いの勇者の一人の魔法使いだった。うっかりAblardがその力を見せた時、ただの酔漢と見られた男は懐から異星の武器を出し、Ablardを制圧する。実はその男は密かに異星人たちに魔法とかかわりのある者を狩るように雇われていた一味の一人だった。男たちが意識を失ったAblardを連れ去ろうとしたとき、酒場にいたフードを目深にかぶった男が剣をふるい、Ablardを救い出す。
Ablardを救ったのはその星の下層種族であるOrc族のCrixus。彼は虜囚となっていた北の地で目撃した事象について、Ablardに語る。謎の巨大宇宙船の襲撃に遭い、絶体絶命化と思われた時、大地からその宇宙船をもしのぐエネルギー体の巨大な手が現れ、その宇宙船を握りつぶしたというのだ。命を救われたCrixusはただこの世界が危機に瀕しているという思いに駆られ、その事象の意味が分かる者を求めながらさ迷っていたのだった。
その星を襲った異星人の目的は、惑星が持つエネルギーを吸収すること。そして、そのエネルギーとは魔法に相当するもので、多くの星からそのエネルギーを吸い取ってきた異星人たちだったが、その彼らが驚くほどの無尽蔵とも思えるほどの魔法エネルギーがその星には存在している。そしてそれを効率よく集めるため、異星人たちは魔法に深く関わる者を捕獲していたのだった。
AblardとCrixusには更に追手が迫り、彼らは半植物族Drayadの、かつてのIchnarとの闘いを共にした王Tychoの統治する領域Drayad Glamourに逃げ込む。しかし、種族の生き残りを優先させるTychoはすでに異星人たちと手を結んでいた。Ablardを異星人の手に渡そうとするTychoだったが、その娘である姫Yarrowは父の考えに抗い、Ablardたちを救い出し、ワイバーンに騎乗しDrayad Glamourを脱出する。彼らを更に追い詰める追手の異星人部隊。絶体絶命のピンチに再び、かつてCrixusが目にしたのと同じ青白いエネルギー体の巨人が出現する…。

とりあえずは頑張ってみましたけど、お分かりいただけたでしょーか?色々抜けてたり勘違いがあったらごめん。ワイバーンは、ワイバーンって書いてなかったけど、こんな感じのそう呼ぶはずだよな、と思ったのでそう書きました。いわゆる「超訳」的テクニックですね。まあ、ご覧の通り、魔法が出て各種族が共闘したりとか、本当に王道ファンタジーSF大作って感じの話です。EdgintonもGallagherと組んでちょっと今までとも毛色の違うやつを出してきたかなという感じ。Edginton作品は『Brass Sun』や『Helium』を見ても最初に独特の設定、世界観を持ってくるので、どうしても最初力業感が出てしまうのだけど、今作はその辺の情報量が多いので、個人的かもしれないけどやっぱりいつもよりそれが強い感じがしました。しかし、やっぱりEdgintonはさすがに話の進め方とかが上手いので、読み進めているうちに設定や世界観の方には徐々に慣れていけました。でもやっぱりへっぽこRPGプレイヤースキルを発動させてしまい、最初の暴王(超訳)Ichnarのくだりはあっという間にうすぼんやりとしてしまっていたけど…。まあなんにしても本当に楽しみな新シリーズ、とりあえずは頑張ってちゃんとついていきたいと思うところです。それにしてもEdginton、一方ではちょっと因縁のぐらいにも見えるD'Israeliとの『Scarlet Traces』を遂に再開し、またこっちではこんな大作をぶち上げちまってるところでは、『Brass Sun』『Helium』あたりは当分お預けかも…。かなり期待してるんだけどなあ。あと多分次ぐらいで完結しそうな『Stickleback』も…。
そしてもう一方では、昨年『Defoe』『Aquila』両作を降板し、どうしたのだろうかと思っていたLeigh Gallagher先生が遂に再臨!これのための降板だったのかと思うと、この作品への力の入り具合も分かるものでしょう。得意のバイオレンス・アクション描写も素晴らしいし、相変わらずの恐るべきキャラクター造形!まず主人公であるOrc族のCrixusがカバー画像手前の緑のヤツ!こんなの絶対感情移入できねえ!そして老魔法使いAblardはニヤリと笑えばどこから見ても恐ろしい悪人面!Yarrow姫は…、多分日本の皆さんが頭に浮かべた姫とはどれも絶対似ても似つかないよっ!いやーオイラLeighやんの画がまた見れて幸せだよう。そんなGallagherさんの今回のカバー画の制作過程が”FROM THE DRAWING BOARD”に上げられています。カラーリングの模様だけだけど、早回しでかなりきっちり見せてくれます。この”FROM THE DRAWING BOARD”本当に素晴らしいのだけど、一時期いくつか上げられたのみでその後ストップしてしまっているのは残念。2000ADさんまた頼むよう。ただでさえ長いのが余計長くなっちゃうのだけど、あんまりないしできるだけこっちにも紹介して行きます。あとLeighやんのマジックもお見逃しなく。



The Order : Wyrm War
 Kek-W/John Burns

『Deadworld』シリーズのKek-WとベテランアーティストJohn Burnsによる、歴史の陰で時空を超えて侵略してくる謎のWyrmと闘い続けるグループThe Orderの活躍を描く2016年冬期に続くシリーズ第3シーズンです。
死の床にあるシラノ・ド・ベルジュラックは親しい友人に今まで誰にも語つたことのなかった自らの秘密を書いた手記を渡す。ベルジュラックもあのThe Orderの一員だったのだ。Wyrmとのある戦いの中、彼は美しい人間の女性の姿を模したWyrm、Donaと出会う。彼女は人間として暮らすうち、より人間にシンパシーを感じ、この世界を侵略しようとするWyrmには反感を抱いていた。Donaを信じ連れ帰ったベルジュラックだったが、グループ内は彼女を信じないものとに分かれ、対立は深まって行く。一方、時空を超える能力を持つWyrmの作戦により、古参メンバーであるAnnaはその存在を根本から抹消され、メンバーの記憶からも消し去られる。ロボットゆえに彼女の記憶を持ち続けていたRitterstahlは、愛する彼女を失った悲しみに落胆し、作戦を続ける意思も失う。そしてメンバー内でDonaをめぐる衝突が闘争に発展したその時、時空のひずみを抜け、パラレルワールドのRitterstahlが現れる。彼はAnnaを消滅させるに至った増大するWyrmの攻撃に対抗するため、様々な並行世界に存在するRitterstahlの力を結集すべく次元を越えやってきたのだった。ベルジュラックとDonaも闘争から逃れるため、Ritterstahlとともに時空のひずみを抜け、それまで暮らしていた世界から脱出する。彼らが着いたのはネオ・アトランティス。かつてマヤ王国の女王だったItzaが統治し、共に戦ったThe Orderのメンバーもそこに暮らしていた。数々の並行世界から集められたRitterstahl達もそこを拠点としている。だが、その位置も隠されていたはずのネオ・アトランティスにもWyrmの群れが襲い掛かる。そしてRitterstahlとかつてのメンバーは反撃のためWyrmの本拠地への侵入攻撃を図るのだった。
えいっ。どうもとかく話の進め方が強引なKek-W作品ゆえに、こちらもちょっと強引に書かせてもらったよ。ちょっとわかりにくいかと思うのだけど、第1、第2シーズンについて書いたのも参考にしてください。ちなみにAnnaは第1シーズンから、Itzaは第2シーズンから登場するキャラクターです。詳細はそちらで。Kek氏への不満は2016年春期の『Deadworld』で散々書いたので繰り返すことはしない。つーかなるべく前向きに良いところを見るように努めたいと思うのです。まあベテランJohn Burnsの腕もあるのだろうけど、少し強引なコマ運びになってしまう展開も減ったように思えるので、いくらかアーティスト協調して作品を作る方向に改善されたのではないかと思うのと、あと今回は随所にシラノ・ド・ベルジュラックの手記によるモノローグを使ったところで少し話も分かりやすくなったような気もする。本来あんまり推奨されないカコミによるモノローグかもしれないけど、Kek氏の作風ではある程度使っていった方がわかりやすくなるのではないかと思う。若干希望的な観測かもしれないけど欠点が解消される方向に向かっているのではないでしょうか。基本的にはKekさんには期待しているのだよ、私。それが本当に彼の目指すところなのかは不明だけど、ちょっとECやWarrenといった感じの方向も嫌いじゃないしさ。頑張ってよね。とはいえこのシリーズどうしてもこれまでの積み重ねもありわかりにくいところが多いのだけど。まあ、The Orderという組織の背景だとかAnnaやItzaの長命の秘密とか、あと目も手もなく基本的には蛇より知能が低そうに見えるWyrmが知性的な攻撃をしてくるところがどうしても説得力がなく呑み込みにくいとか、そういうことはあまり考えない方がいいのかな。最近2000ADからは単行本第1巻も出版されたこちらのシリーズ、今シーズンの最後は結構大団円ぽかったけどまだ続くそうです。とりあえず、少しわかりにくくても名匠John Burnsの美しいペン画だけでも見る価値はあり。

というところで、今回はここで急遽前編ということになって、いったん終了です。いやホントは最後までやるつもりだったのだけど、いい加減ずいぶん時間もかかってるし、長くもなっているので。今回は40周年記念号もあるしな…。今回、週末一回私用でつぶれたりもしたけど、結構頑張って書いてたのですよ。しかしどうにも難易度の高いものが続いてしまって…。後半はもうちょっとスムーズに進むと思うのだけど。日本じゃ誰も何も言ってないみたいだけど、英国ではかなり盛り上がってるはずの、ドレッドのTVシリーズについても次回詳しく、とか思ったけど、結局2018年というぐらいしかまだ情報ないみたいね。そういえば、紆余曲折を経てあの『The Boys』が遂にアマゾンでシリーズ化とか、以前にパイロット版制作決定ぐらいにお伝えした『Happy!』も順調にシリーズ化とか色々あるけど、日本で観れるのかねえ。さて次回予告!お彼岸のお墓参りでまたちょっと遅れるかも…。いや、その前に終わらせるつもりで頑張るでやんす…。ごめん。


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