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2021年8月29日日曜日

2021 スプラッタパンク・アワード 受賞作品発表!

今年もやって参りました!夏といえばスプラッタパンクアワード!私、ここんところ夏の行事というとこれしかありません。世間的にはオリン…なんかがあったんですか?いや、良く知らないけど。
本年もテキサス州オースチンで開催されるキラーコンで発表の予定でしたが、いまだ終わりの見えない昨今の状況から、昨年に引き続きオンラインのみによるリモート開催となってしまいました。残念。 どうなんかな、私的には本のこと以外に拡げる余裕が無いんでわからないんだけど、やっぱこういう大会ももっとメインとなるのは映画とかゲームとかの方面だろうし、そういうの考えると、ホントに こういう状況大打撃なのだろうね。なんか頑張ってくださいね、ぐらいしか言うことないけど。
8月20日から22日にかけてオンライン開催されたキラーコンの中で、21日の土曜日にスプラッタパンクアワード各賞が発表。そして今年も翌22日には主催のBrian Keeneのホームページに各受賞作が掲載されました。 以下がその内容です。

2021 Splatterpunk Award

【長編部門】

  • The Magpie Coffin by Wile E. Young (Death’s Head Press)
  • Pandemonium by Ryan Harding and Lucas Mangum (Death’s Head Press)
  • Tome by Ross Jeffery (The Writing Collective)
  • Dust by Chris Miller (Death’s Head Press)
  • Slaughter Box by Carver Pike (Self-Published)
  • Gone To See The River Man by Kristopher Triana (Cemetery Dance Publications)
  • They All Died Screaming by Kristopher Triana (Blood Bound Books)

【中編部門】

  • True Crime by Samantha Kolesnik (Grindhouse Press)
  • The Slob by Aron Beauregard (Self-Published)
  • Bella’s Boys by Thomas R. Clark (Stitched Smile Publications)
  • Juniper by Ross Jeffery (The Writing Collective)
  • Red Station by Kenzie Jennings (Death’s Head Press)
  • The Night Silver River Run Red by Christine Morgan (Death’s Head Press)
  • How Much 2 by Matt Shaw (Self-Published)

【短編部門】

  • “My Body” by Wesley Southard (from Midnight In the Pentagram, Silver Shamrock Publishing)
  • “The Incident at Barrow Farm” by M. Ennenbach (from Cerberus Rising, Self-Published)
  • “Full Moon Shindig” by Patrick C. Harrison III (from Visceral: Collected Flesh, Death’s Head Press)
  • “Phylum” by Tom Over (from The Comfort Zone and Other Safe Spaces, NihilismRevised)
  • “Footsteps” by Janine Pipe (from Diabolica Britannica, Keith Anthony Baird)
  • “Next In Line” by Susan Snyder (from Devour the Earth, Madness Heart Press)
  • “The God In The Hills” by Jon Steffens (from The God In the Hills, Filthy Loot Press)

【短編集部門】

  • The Essential Sick Stuff by Ronald Kelly (Silver Shamrock Publishing)
  • War of Dictates by John Baltisberger (Death’s Head Press)
  • Cerberus Rising by M. Ennenbach, Chris Miller and Patrick C. Harrison III (Self-Published)
  • Rhapsody In Red by Peter Molnar (Stitched Smile Publications)
  • Visceral: Collected Flesh by Christine Morgan and Patrick C. Harrison III (Death’s Head Press)
  • The Comfort Zone and Other Safe Spaces by Tom Over (NihilismRevised)
  • Blood Relations by Kristopher Triana (Grindhouse Press)

【アンソロジー部門】

  • Worst Laid Plans edited by Samantha Kolesnik (Grindhouse Press)
  • Chew On This edited by Robert Essig (Blood Bound Books)
  • Brewtality edited by K. Trap Jones (The Evil Cookie Publishing)
  • Welcome To the Splatter Club edited by K. Trap Jones (Blood Bound Books)
  • Crash Code edited by Quinn Parker (Blood Bound Books)
  • If I Die Before I Wake Vol. 3: Tales of Deadly Women and Retribution edited by R.E. Sargent and Steven Pajak (Sinister Smile Press)
  • Psi-Wars: Classified Cases of Psychic Phenomena edited by Joshua Viola (Hex Publishers)

【J.F. GONZALEZ LIFETIME ACHIEVEMENT AWARD】

  • John Skipp


以上、各部門賞及びJ.F. GONZALEZ LIFETIME ACHIEVEMENT AWARDの発表でした。
その他に主催者であるWrath James WhiteとBrian Keeneから、現在スプラッタパンクに大きな足跡を残した数々の偉人たちを称える「Splatterpunk Awards Hall of Fame」を企画中であることが発表されました。 この「Splatterpunk Awards Hall of Fame」が如何なるものであるのかは、現在のところ不明か私の英語力では読み取れないだけかもしれませんが、いずれにしても来る来年のテキサス州オースチンでの キラーコンにおいてその全貌が明らかにされるとのことです。

というわけで第4回となる今年のスプラッタパンクアワード、各賞が発表されたわけだが、まずはなんと言っても当方が前回に紹介したばかりのWile E. Young『The Magpie Coffin』が長編部門を受賞! この受賞に先立ちいち早く読んだワシの先見性を…、いや、ごめん…。実はちょっと前に読んだ時これがノミネートされてることをすっかり忘れとって、読んだ後も今日まで全然気づかなかった…。 いやーYoungさん名前もこのノミネートで初見だし、そういうの割と忘れるじゃん。すまんけど。
ノミネートの発表の後、わー、とにかくスプラッタウェスタンというのを読みたいなー、とずっと思ってて、いくらか読んでるもんの整理がついて、 いざ読むぞ!となった時にはなんも考えずとにかくシリーズの最初のやつをわしっと掴んで読み始めたという次第。いや、実際のところこの勢いだし、多分今年のアワードの長編か中編のどちらかで スプラッタウェスタン物が受賞するだろうと予想はしてたんだが、とにかく可能かかどうかはわからんけどスプラッタウェスタン全部読みたいという希望はあるので、順番に読んでって受賞作に あんまり遅くないうちにたどり着けるといいなあ、などと思いつつ読後の日々を送っていたわけなのでした。どれがノミネート作品か確認もせずに…。このボンクラ!
しかしまあ、どういう経緯にせよとりあえず今回の受賞作について、その詳細を事前にお伝えできたのはよかったんじゃないかと思う。なんかこれまでいつも内容はわからんけどいずれ読んでみたいな、 みたいなのばっかだったしね。
改めて仕切り直すが、これは本当に素晴らしいまさしくこの賞に値する作品である。その本当に楽しませてくれた物語にしても、そしてこれが新たなジャンルを切り拓いた 最初の作品であるという意味においても。詳しくはこれの前の回を読むべし!私はこのスプラッタウェスタンに本当に期待してるんで、とにかく読んで書こうと思ってるし、書くあてなくても個人的に勝手にガンガン読もうと思っている所存であるので。
さて長編部門以外についても語らねば。中編部門はGrindhouse Pressからの女性作家Samantha Kolesnik『True Crime』。同じくKolesnikさん編集の『Worst Laid Plans』がアンソロジー部門を受賞で こちらもGrindhouse Pressから。以前から時々書いている女性作家C. V. Hunt姐さんが率いるGrindhouse Pressは第2回の長編部門Kristopher Trianaの『Full Brutal』の受賞もあるのだが、今回のSamantha Kolesnikの 活躍はより意味深いものがあるだろう。別に男性女性といった差別はしていないだろうし女性作家に特化したパブリッシャーでもないのだが、それでも女性の優れた才能を拾い上げやすいところではあるのだろうから。ここのところKeeneが繰り返し言っている女性作家の進出の増加を促進させる一つの拠点としての役割にも期待したいものであるね。
短編、及び短編集部門はSilver Shamrock Publishingからの作品。ちょっとはっきりわからなかったんだけどSilver Shamrock PublishingもDeath’s Head Pressあたりとそれほど変わらないぐらいの新進の パブリッシャーだと思うんだが、ホームページを見に行ってみるとかなり精力的に多くの作品を出版している様子。本当にこのジャンルよくパブリッシャーが倒れるんだが、それと入れ替わるように こういう新勢力が新しい作家も引き連れて登場するんだよな。こういうのももっとちゃんと追って行きたいのだけどね。あー、なんかアンソロジーみたいなもんだけでも読めないか、といつも思う。
あと、ノミネートの時に私がカバー画のみの印象ではあるのだけど、結構惹かれていたRoss Jefferyの長編、中編部門の2作なのだけど、残念ながら現在販売がストップしているようである。これ日本だけの話では なく米Amazon.comに行ってみてもないので、多分版元のなんらかの事情で現在全面的に販売されていないと見るべきだろう。まあこういうことってよくあるのだけどね、特にインディペンドのパブリッシャーの 場合。シリーズ物として始まっていたようだし、何らかの形でまた復活してくれるといいのだけどね。あー、早く買っときゃ良かったなあ。残念。

スプラッタパンクアワードも4回目を重ね、多分その設立の際に意図されていたと思われるジャンルの中心を作り、活性化するという目的は着実に進んでいるのだはないかと思う。確実に世代交代もなされつつある現状で、 過去と現在を繋げ、ジャンルの歴史・骨格をより強固にしようというのが今回発表された「Splatterpunk Awards Hall of Fame」という動きなのだろうと思う。
日本ではもう徹底的にマイナーで、日本の出版社からは一顧だにされないスプラッタパンク/エクストリームホラージャンルだが、数多くの意欲的なインディーパブリッシャーが勃興し、多くの新しい作家が 現れる本当にエキサイティングで魅力的なジャンルである。まあ、ほとんど読めないで言ってるのもなんやけど。これからもこのジャンル、そしてスプラッタパンクアワードには注目して行くぞ! では、来年の第5回で会おう!…ってそれまでこのジャンルについては放置するつもりか?いや、スプラッタウェスタン中心に何とか少しでも読めるように努力すっからさ。みんなスプラッタパンクを読むべし!

前回、次はスプラッタパンクアワードになっちゃうかもとか最後に書いてて本当にそうなってしまいました。いや、キラーコンっていうのはこれまで8月の上旬ぐらいに開催されていたので、今年もその辺だろうと 思い込んでてあんときはそう書いたのだけど、その後今年は下旬ぐらいだと気付いてそれならそれまでにもう一つぐらい書かなければ、と思っていたのですが夏バテや夏バテや諸般の事情で遅れてこうなってしまいました。 まあいくらかは進んでいるのでそのうちにできてその時にまた言い訳しますが。あっ、日本選手の応援に熱中しすぎてという絶好の言い訳フラグを冒頭でへし折ってるやん。アホか。それにしても開催日は ちゃんと把握しとらんは、ノミネート作品は忘れるはでもうボンクラにもほどがあるな!こんなワシですが、また少し頑張って色々偏った面白い本の情報をお伝えして行きますんで、またよろしくね。


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