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2018年3月25日日曜日

2018 スプラッタパンク・アワード ノミネート作品発表!

緊急報告!2018年度スプラッタパンク・アワード、ノミネート作品の発表であります!え?何それって?いや、私もついさっき知ったんだよ!前回のハプレナ書き終わって、リスト作るためにアマゾンウロウロしてたら、先日亡くなられた大ジャック・ケッチャム先生の知らない作品がKindleで111円で売られているじゃないですか。晩年の短編なのだろうか、とチェックしに行ったところ、出てきたのが画像のアンソロジー『VS:X: US vs UK Extreme Horror』。そしてそこにでかでかと太字で2018 SPLATTERPUNK AWARD Nominee for Best Horror Anthologyと書かれていたのだよ!とりあえず何のことなのか少し調べてみると、…うむむ!これは放ってはおけん!前回のお知らせの最後にちょこっと書き足そうか、という考えも頭をかすめたが、そんなことではいかん!あまりわからないまでもできる限り、とにかく全ノミネート作品ぐらいはまず掲載しておかねば、と前回ハプレナ完了アップデート後からただちに緊急報告として書き始めているのである。

ではまず、スプラッタパンク・アワードとは何か?2017年にホラー作家Brian KeeneとWrath James Whiteによりスプラッタパンク/エクストリーム・ホラージャンルの隆盛に貢献するために設立されたアワードである。つまり2018年度の今回が第1回。2017年中に出版されたこのジャンルの作品の中から、長編小説(Novel)、中編(novella)、短編(short story)、短編集(collection)、アンソロジー(anthology)の各部門で選ばれた優秀作がノミネートされ、そしてその中から選ばれた最優秀作が本年8月24~26日にテキサス州オースティンで開催されるキラーコンで発表されるとのこと。そして今年2月、その第1回スプラッタパンク・アワードのノミネート作品が発表されたわけである。

2018 Splatterpunk Award ノミネート作品

【長編部門】

  • CONTAINMENT by Charlee Jacob (Necro Publications)
  • EXORCIST FALLS by Jonathan Janz (Sinister Grin Press)
  • THE HEMATOPHAGES by Stephen Kozeniewski (Sinister Grin Press)
  • SPERMJACKERS FROM HELL by Christine Morgan (Deadite Press)
  • WHITE TRASH GOTHIC by Edward Lee (Deadite Press)

【中編部門】

  • THE BIG BAD by K. Trap Jones (Necro Publications)
  • DAMN DIRTY APES by Adam Howe (Thunderstorm Books)
  • HEADER 3 by Edward Lee and Ryan Harding (Necro Publications)
  • KILLER CHRONICLES by Somer Canon (Thunderstorm Books)
  • THE LUCKY ONES DIED FIRST by Jack Bantry (Deadite Press)

【短編部門】

  • “Dirty Desk” by Jeffrey Thomas, from Chopping Block Party (Necro Publications)
  • “Extinction Therapy” by Bracken MacLeod, from Splatterpunk Fighting Back (Splatterpunk Zine)
  • “Melvin” by Matt Shaw, from Splatterpunk Fighting Back (Splatterpunk Zine)
  • “Molly” by Glenn Rolfe, from Splatterpunk Fighting Back (Splatterpunk Zine)
  • “The Tipping Point” by Jeff Strand, from Everything Has Teeth (Thunderstorm Books)

【短編集部門】

  • 2017: A YEAR OF HORROR AND PAIN, PART ONE by Matt Shaw (Amazon Digital Services)
  • EVERYTHING HAS TEETH by Jeff Strand (Thunderstorm Books)
  • THE GARDEN OF DELIGHT by Alessandro Manzetti (Comet Press)
  • GORILLA IN MY ROOM by Jack Ketchum (Cemetery Dance Publications)

【アンソロジー部門】

  • CHOPPING BLOCK PARTY, edited by Brendan Deneen and David G. Barnett (Necro Publications)
  • DOA III, edited by Marc Ciccarone and Andrea Dawn (Blood Bound Books)
  • SPLATTERPUNK FIGHTING BACK, edited by Jack Bantry and Kit Power (Splatterpunk Zine)
  • VS:X: U.S. VS U.K. EXTREME HORROR, edited by Dawn Cano (Shadow Work Publishing)
  • YEAR’S BEST HARDCORE HORROR VOLUME 2, edited by Randy Chandler and Cheryl Mullenax (Comet Press)

【J.F. GONZALEZ LIFETIME ACHIEVEMENT AWARD】

  • David J. Schow
以上2018 スプラッタパンク・アワード全ノミネート作品でした。うむむ…、毎度言ってるけどホントこの辺読みたいのだけど、手が回らなくてほとんどわからない感じで申し訳ないのだが…。わかってるところで言うと、まず前に『Header』を小説と映画で紹介したエドワード・リーが長編、中編でノミネート。中編は『Header 3』かよ。早く続き読まなくちゃ。そして、もうしつこいくらい言ってる私の最近のイチオシ、Adam Howe君のあの大傑作『Damn Dirty Apes』(『Die Dog or Eat the Hatchet』収録)が中編部門でノミネート!あとはJeff StrandとかMatt Shaw辺りは割とよく見る名前か。うーん、何とか長編、中編あたりの作家は大体わかるようになりたいのだけど。J.F. GONZALEZ LIFETIME ACHIEVEMENT AWARDに日本でも翻訳のあるデイヴィッド・J・スカウ。『狂嵐の銃弾』は持ってるけどまあ読んでないや…。編集のアンソロジー『シルヴァー・スクリーム』についてはまだ持ってないや。ごめん。こんなのばっかで…。いや、『シルヴァー・スクリーム』はずっと買おうと思ってたのだけど、え?創元社のホームページ見たらもう絶版なの?今度なるべく早く買うよ…。えーっと、それで問題のJ. F. Gonzalezという人なのだけど、日本では多分未紹介なのでしょう。2014年に亡くなったホラー作家でClickersシリーズなどが代表作。この賞を設立した二人とは親交が深かったようで、どちらとも共作が2作ずつあります。
アンソロジーについてだけ、いくらかわかるところもあるので書いときます。いや、とにかくこっちのジャンルも読めないか、といつも思ってるので、割と値段安目のホラー系のアンソロジーを見つけると、とりあえずなるべく手に入れとくようにしてたりもするので。結局全然読めてないのだけど…。まず、タイトル画像にも使った『VS:X: U.S. VS U.K. EXTREME HORROR』なのだけど、タイトル通りアメリカとイギリスの作家が多分同一テーマとかで競作するという趣向のものらしい。紹介文の中でも○○VS○○みたいに収録作家が並んでいるので。こちら昨年12月に発売されたばかりで、動物保護のチャリティー出版で、価格も日本では111円とお得。版元Shadow Work Publishingはさっき初めてホームページに行ってみましたが、結構沢山本も出してるところのようです。まあこれから色々調べて行ってみます。そしてこれも今回初めて知った『SPLATTERPUNK FIGHTING BACK』。こちらは昨年11月に発行。短編部門ノミネート作品もこちらから3作選ばれていたりもするので、要注目。こちらは癌の基金へのチャリティー出版ということで、こちらも今112円とお得。この値段なのだからこの2冊はとにかく買っとくべし!版元Splatterpunk Zineというのは基本的にはプリント版で同名のアンソロジーなどを出しているところのようです。アマゾンで検索してみたところ、Kindle版ではこれの他に2016年9月に出た『Splatterpunk's Not Dead』というアンソロジーがあるくらいです。『CHOPPING BLOCK PARTY』は発行が昨年9月か。こちら私の好きなAdam Howe君が参加してるので前から目を付けていたのだけど、前に騒いでいた『Wrestle Maniacs』があったので後回しにしていたら700円近くだったのが300円台まで下がっていました。多分今がお買い得だよ。Necro Publicationsについては、こちらもまだ知って日が浅いのでよくはわからないのだけど、結構精力的に本を出している感じのところでもっと色々見て行かなければと思ってるところです。『YEAR’S BEST HARDCORE HORROR VOLUME 2』は前にも読みたいんだけどなあ…と書いてたおなじみのComet Pressの看板アンソロジーです。Comet Pressも時々見に行くのだけど、どうも出版ペース落ちてきてるみたいでちょい心配してるのだが。VOLUME 3ももうすぐ出るよ、ってことなので頑張ってほしいですね。『DOA III』はアンソロジーDOAシリーズ第3弾。名前だけは結構前から見ていて気にしていたシリーズなのだけど、結局いまだに手付けられずというところで…。恐ろし気なカバーも好きなのだけど、割とこのシリーズの方向のやつが個人的には好みだったり。(下のリストで見てちょ。)
と、現段階で私にわかってるのはこの程度でしょうか。うーん、アンソロジーのところだけ少し書けたのだけど、なんだか本当にこのあたりだけは気にしていてとにかくどれもすぐに読んでみたいというところなのだけどね。アンソロジーで少しずつ作家の名前とか知って色々横のつながりが見えてきたりどの辺が中心か見えてきたり、って感じでだんだん中に入って行けるはずなのだがね。結局ノワール系だってその方法で概観掴んでったわけだしね。

と、先にモタモタと説明をして話が前後してしまったわけだけど、そもそもなんで私がこんな力んでいるのかだ!まず、なぜスプラッタパンク・アワードなのか、からである。なぜ今スプラッタパンク・アワードなのか?スプラッタパンクは今盛り上がっているのか?はっきり言って、私がそれほどこのシーンをちゃんと追えていないことは先ほどから何度も言っているのだが、それでもなるべくは気にしているところから言わせてもらえば、残念ながらおそらくはNOである。実際のところスプラッタパンクという呼び名すらも昨今のこのシーンでもそれほど見かけることはなく、この手のジャンルについてはエクストリーム・ホラー、という呼称の方が多く見られるのだが、それをエクストリーム・ホラーと呼び変えても、残念ながらNO、というところなのではないか。このタイプだったりビザール系だったりのホラー系インディペンド・パブリッシャーが勃興しては短命に消えて行ってしまう状況についてはしばらく前に書いたのだけど(去年のどっか)、その辺の状況がそれほど変わったという気配もない。このジャンルで、NYのメジャー・パブリッシャーから本を出している作家がどのくらいいるのか、と言うより今現在存在しているのかもよくわからない。だがしかし、このジャンルに新たに参入する作家は常に存在し、たとえ短命で消えても新たなパブリッシャーは現れ続ける。そしてこのジャンルの読者も潜在的ではあるかもしれないが、ある程度の数は存在しているはずである。書き手、読み手も双方充分に存在し、ではシーンをもっと盛り上げるために何が不足しているのか?そこでこの二人は考えたのではないか。このシーンに必要なのは中心なのではないか、そしてこのジャンル独自のアワードを設立することでその中心を作ることができるのではないかと。私はそういうことなのではないかと見る。そしてスプラッタパンク・アワード。いや、スプラッタパンクというのはいい言葉だよね。前述のようにスプラッタパンクという呼称は近年はあまり使われなくなってきている。だがスプラッタパンクだ。スプラッタでパンクなのだよ。なんとわくわくする組み合わせだろう!俺たちが書いているのはスプラッタパンクだ!そしてスプラッタパンクの旗のもとに今一度このシーンを盛り上げるのだ。それこそがスプラッタパンク・アワード!そう私は見たのである!そして更にそこには道半ばで倒れた彼らの戦友J.F. GONZALEZの名を冠した賞まで用意されているのだ!なんとも美しいアワードじゃないか!ほぼお前の推測じゃん…。だが、問題あるか?これがシーンが色々盛り上がっててお金を引っ張ってこれるところがあって、じゃあそんなの作ってみよーか、的なものではなく、作品も作家もコアなファンも熱量は高いがなかなか盛り上がって行かないシーンを活性化させるため、という私の見方は多分間違っていないと思う。だから私も強引に緊急報告でお伝えするのである。スプラッタパンク・アワードやってまっせ!

とりあえず緊急報告ですぐ終わるつもりだったのだが、思いのほか長くなってたり。やっぱ語るべきことは多いのだね。なかなかそっちに動けないんだけど、次これに関してやるまでにはもう少しネタも増やしとくつもりです。そもそもBrian Keeneとか自体がずっと読みたいけどなかなか読めなかったりぐらいなのですよね。しかし今回これを見つけて、どっか日本語で紹介してるとこないか、ってまず探してみたのだけどまた見つからず、というわけで自分でやるしかないか、とまた頑張ってみました。なんかさあ、Tillie Waldenからスプラッタパンク・アワードまで、ってもうちょっとおかしいことになってるんだけど。まあいいか。ホラー小説のファンでたまたまここを見つけた人がいたら、なんでコイツ全然読めてないのに騒いでんだろうと思ってるかもしれませんが、ほら、例えばさ、オッパイとお尻とどっちが好き?と聞かれると私はもうエクストリームにオッパイが好きだから、多少食い気味にオッパイ!と即答するわけだが、はっきり言って数秒考えてう~んお尻かな?などと答える者よりもはるかにお尻も好きだという自信がある!だが、あまりに異常にオッパイが好きすぎて、常に気にしてはいてもなかなかお尻に手が回らずという次第…、あっ、今気付いたけどこれ犬と猫ぐらいの例えでやっとけばよかったんじゃ…。Tillie Waldenさんごめん…。とにかくわかったろう!情報不足だったり読めてないものばかりだって、誰もやってくんないならやるぐらいの愛情はあるのだ!日本のエクストリームなお尻…じゃなくてホラーのファン諸君!ホラー小説への愛情があるなら、このスプラッタパンク・アワードを応援するのだ!最後にホラー小説や映画とか好きなのってどうなん?というような中学生向けの低レベルの愚問にも親切に答えてやろうじゃないか。いつの時代だってモラルに2択しかないと信じる単細胞のお前らこそが自分の正義のみを振りかざして戦争その他の災厄をもたらしてきたんだろうが!俺たちはバカじゃないから創造力のある人間が人を心底怖がらせようと全力を振り絞って作り上げた美しく身の毛もよだつ恐ろしい残酷な作品楽しめるのだよ!これ以上やってるとまた無差別罵倒に発展するのでここで終わり!心ある人はこのスプラッタパンク・アワードを応援してくれよ~。

※下のリストについて:中編部門『KILLER CHRONICLES』(Somer Canon)と短編集部門『GORILLA IN MY ROOM』(Jack Ketchum)に関しましては、限定版出版のようでアマゾンには見つかりませんでした。以下が版元のページへのリンクです。
KILLER CHRONICLES by Somer Canon
GORILLA IN MY ROOM by Jack Ketchum

Brian Keeneホームページ/2018 SPLATTERPUNK AWARD NOMINEES


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■2018 スプラッタパンク・アワード ノミネート作品
●長編部門

Containment: The Death of Earth

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