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2021年1月10日日曜日

Ray Banks / Sucker Punch -Cal Innesシリーズ第2作!マンチェスターのアニキ、再登場!-

明けましておめでとうございます。いや、なんだかんだでなし崩し的に年越しちゃってあとから書き足したんだけど…。だがいつまでもそんなへっぽこテンションではいられない!今回はあの作品だ!
お待たせしました!とか言ってみる。今回は、Ray Banks作、あのマンチェスターのチンピラ探偵Cal Innesシリーズ第2弾、『Sucker Punch』の登場です!
なんでこんなに無駄に力が入ってるかというと、もちろん自分がRay Banks及びこのシリーズがすげー好きだというのもあるんだが、それに加えてこのシリーズ、Cal Innesアニキが絶対気に入る人が 日本にも数多くいるはずと思うからなのだよね。まあ今の日本のミステリ状況じゃせっかく出ても台無しにされるだけなんで、翻訳なんて果てしなく望んでないけどね。 なんか好きな本ほど翻訳されない方がマシとか思う国ってどうなんだい?とまあ出だしから愚痴垂れててもしょうがないんで、楽しい作品紹介の方に早く進むです。 待ってましたようって言ってくれる人が一人でも増えるように頑張るっす。

【Sucker Punch】
さて、Cal Innesアニキのシリーズも第2作ということで、まずは前作について書かねばならんのだが、とりあえずこの第2作は前の結末を詳しく知っていないと読めないものではないんで、 ネタバレ的な詳細は省略。こちらにつながる部分だけ書いておくと、まず、前作はマンチェスターの裏の顔役Morris Tiernanからのあまり関わり合いたくないけど断れない仕事で、かなりひどい目に遭い 一旦は逮捕までされたんだが、何とか解決。顔役Morrisについての心配はなくなったが、宿敵でもある息子のMoからの遺恨はさらに深いものへ。そしてMoは、その件に関して命令を無視して介入したことから、 父Morrisからの不興を買い、現在は後ろ盾を失う羽目になっている。そして、当のCalはと言うと、あんまりひどい目に遭ったんで探偵稼業には嫌気がさして廃業。 世話になってるボクシングジムの雑用をして暮らしている。前の事件で痛めた背中がまだ痛み、鎮静剤を手放せず、周囲からは薬中のダメ人間と見られている。
とにかく第1作の時に書いた設定と、内容わかんなくてもMoってやつと遺恨があることと、ここに書いたぐらいの知識があれば読み始められます。

なんだかんだ言ってもまだムショ帰りで日の浅いCalが、義務である保護観察官事務所への定期出頭を終えてジムに戻ってくると、ちょうどそのドアからMoが叩き出されてくるところだった。 続いてドアから出てきたのは怒り狂ったPaulo。逃げようとするMoを捕まえ、容赦なくパンチを浴びせる。止めに入るCal。
おい、よせよ、殺しちまうぞ!
話を聞いてみると、Pauloがジムの練習生として面倒を見ている前科持ちの少年のひとりにMoがドラッグを売りつけたということ。とりあえずはPauloをなだめ、その場を収める。
あんな奴相手に騒ぎを大きくしてもこっちが損するだけだろう。
俺にどうこう言うより先に、お前は自分のことを何とかしろ。お前に説教される筋合いはねえ!そう言われてもろくに反論もできないCal。
Moからドラッグを買った練習生はジムから追い出される。

数日後、CalはPauloからある提案をされる。
L. A.のダチがやってるジムで、若いボクサーのトーナメントが開かれるんで、こっちの有望な秘蔵っ子Liamを参加させたい。ついてはお前がちょっとした休暇がてらアメリカまで付き添ってくれないか?
アメリカ?俺が付いて行ってどうなるんだ?あまり乗り気はしないが、世話になってるPauloの頼みを無下に断れるはずもない。

だが、しばらく留守にする前にやっとくことがある。Calは後ろ盾を失った彼らに残された数少ないたまり場のバーで、Moとその取り巻きを見つける。
Pauloのジムにちょっかいを出すのは止めろ。もう親父さんの威光は効かないのはわかってるんだ。
Moがおとなしく言うことを聞くのかはわからない。だが、釘をさしておくに越したことはない。
そしてCalはLiamと共にアメリカ、L.A.へと向かう。

トーナメントに参加するLiamは、かつては路上強盗で投獄されたチンピラだが、出所後保証人になってくれたPauloのジムでトレーニングを続けるうちにその資質を見出され、 現在は懸命にその道での更生・成功を目指す少年。
だがそのための頑ななストイシズムは今では鎮静剤中毒のルーザーに見えかねないCalとは相容れず、旅行中も一切気持ちを通わせようとはしない。
扱いにくいLiamを伴い、トーナメントが行われるPauloの友人が経営するボクシングジムに向かうCal。だが当のそのオーナーはかつては優れたボクサーだったが、PauloやCal自身と同様に前科のある身で、 選手を続けられなくなった後にジムを開設した男。不愛想、高圧的とも見える対応から、Calはこの人物は本当に信用できるのかという疑念を持ち始める。
そしてジム内でも富裕家庭の少年が幅を利かせ、ここでもCalにはこのトーナメントが適正に行われるのだろうかという疑いが起ってくる。 その少年は更に、英国から参加のLiamになにかにつけて絡んでくる。リング外での揉め事を起こせばトーナメントの参加資格自体を取り消されかねない。
Liamはちょっと気に入らないやつだが、実力のあるいい選手だ。Pauloのためにも彼のトーナメント参加を成功させてやりたい。 バーで知り合った元ボクサーの男の協力も得て、事態は良い方向へ向かい始める。
だがそこで、Calに思いがけない”不意打ち”が襲いかかる…。

Cal Innesシリーズ第2作は主にアメリカが舞台となる。前作ではCalの一人称の語りの合間に、ちょくちょく宿敵Moの一人称語りが挟まれる形だったが、今作ではひたすらCalの一人称視点のみで物語は進む。 前作ではそのMoのパートが方言とスラングだらけで結構難物だったのだが、今作はずっと読みやすくなった感じ。
まあ私は1作目を読んだ時からこのCal Innesシリーズについては絶対的な信頼を抱いており、読んでみてもちろんそれに応えてくれてるわけなので、どうもこうもなくただひたすらこれはいい作品、シリーズなので 絶対読んでくださいね、とおススメするばかりである。ただ、私自身の貧乏性と、いい作品・シリーズほどこれは絶対いやつなのでいつ読んでも安心と、とりあえず置いといて数多ある正体不明未読作品へと向かってしまう傾向から、 第1作からこんなに空いてしまったことは本当に申し訳ない。ホントにいいやつなのに~。こういうのについてもっと語って行かなければならないのに~。
さてここで、第1作の際に私がこれは『傷だらけの天使』のようなシリーズだ、と言ったことについて少し弁明しておこう。なぜ弁明するかというと、割と最近に海外の物についてやたらと 「アメリカの○○(国内の作品あるいはタレント等)~」みたいな紹介の仕方をする要約屋について批判しとったから。まずこの考えについてはその場の勢いで書いたのではなく以前から思っていたことで、 ただ小手先で売らんが為の姑息な論法で、ともすれば当の作品が持っているオリジナリティや様々な局面をスポイルしてしまうものとして、 そういう発言をする輩を軽蔑するというスタンスについては今も一切変わっていない。
しかし、それを踏まえたうえで敢えて今回も同様の発言をする。このCal Innesシリーズはあの『傷だらけの天使』を思わせるシリーズである!
なんでしつこくそれを言い続けるかと言えば理由はただ一つ!私同様あれを心から愛する人達にこのCal Innesシリーズを読ませたいからである!
私は以前にあのジョニー・ショーの短編「Luck」(『Thuglit』Issue 1収録。)についてラストで『傷だらけの天使』のアレが聞こえてくるようだ、とも書いている。もしかすると コイツそこら中でそんなこと言ってんじゃねえ?と思われてるのかもしれないが、ここで誓って言うが、生涯で、ぐらいのスパンでそんなことを言ったのはこの二つだけである。 そのくらいこの二つには思い入れがある。やっと出会えたのだ。私の言ってることを信じるも信じないもアンタの勝手だ。私を結局はその辺の要約屋と同レベルで、カネも体力もない全くモテない死にかけブログルーザー だと思っても一向に構わない。…いや、そこまで言うことないんじゃないか?だが、もしアンタが私同様にあの『傷だらけの天使』を深く愛し、そしてそれゆえにあんなものが再び現れることは絶対ないだろうと 思っているなら、同じように考えていた私がここで断言する!このRay BanksによるCal Innesシリーズは英国で書かれた『傷だらけの天使』と同様のテイストを持った作品である! 金もなければ女にもモテず、多少機転は効くが基本的には頭も悪く、明らかに学歴も低い。容易に騙されいいように使われたりもするが、最後には必ず立ち上がり大して威力もないパンチだろうが全力でぶんまわす! これがあのショーケンアニキの分身でなかったらなんだというんだい?こういう奴にまた出会いたかったんじゃないのかい?残念ながらバカな弟分(現在警視庁の超インテリはぐれ刑事)はいないけどね。 信じる信じないは勝手だが、まあ私だったらとりあえず賭けてみるかな、と思うがね。このCal Innesシリーズ四部作は、それぞれKindleでたったの四百数十円だ。さあどーする?
そして、大変残念なことだが、この素晴らしいCal Innesシリーズが日本で翻訳されるという可能性はまずない。圧倒的な才能を持ち、特定の読者層からではあっても完全に信頼される実力派作家ではあるが、 文学関連・ミステリ関連の受賞歴はなく、作品も英国の弱小出版社から発行されている。それらに加えてこのRay Banksという奴明らかにある種の変人偏屈! 色々あんのかもしれないけど何か一所懸命売り込んでエージェントを雇って売れっ子作家になろうというところがない。海外で出ているこんな作家の作品を今現在翻訳出版しようなどという日本の出版社があるとは 到底思えない。多少敷居は高くてもこれは原書で読むしかない作品なのだ。だがそこのアンタ!この日本で、特にハードボイルドっていうジャンルでは出版社のフォーマットに合わないがゆえに翻訳出版の叶わない 優れた作品があるのではないかという思いが常にあり、それがゆえにこんな辺境のわけのわからんブログなんぞを見に来てたりするのではないのかい?この作品・シリーズこそがアンタの思っていたやつだ! 今すぐ読むべし!これまで英語の本を読んだことがないなんて関係ない!読みたいと思ってかじりついていれば必ず読める!私だってそんなもんだ!英語の成績だってそんなに良くは無かったし、全然得意でもなかったし、 ましてや英文科を出てるわけでもないし、英会話スクールみたいなもんにも行ったことすらない!だが絶対に読みたいと思って全ての単語を辞書と照らし合わせるぐらいの勢いでしつこく読み続けていれば それなりに読めるようになったぞ!いつか読みたいと思っているなら今このCal Innesで始めるのだ!この素晴らしいRay Banksを、Cal Innesを絶対に読むべし!

一旦は探偵稼業を廃業していたCal Innesだが、この第2作の最後では復帰する。ほぼヤケクソ的に。そこにも必ずキミはショーケンアニキの姿を見るはずである。絶対に読むべし!

さてここでネタをひとつ。今回アメリカへ行くCal Innesだが、英国→米国となるとこの時期定番となるのが煙草ネタ。かつてグレッグ・ルッカが英国を舞台としたQueen & Countryシリーズを書いた時、 登場人物の多くが喫煙者で作戦指令室だろうがどこだろうが平気で煙草を吸うというような形で、米英の違いの表現に煙草を小道具として使っていたことも思い出される。
今作では喫煙者のCal Innesアニキは米国への飛行機で禁煙に耐え、やっと到着しても喫煙所も見つからず、途中のスーパーでマルボロを入手するがそこにも喫煙所は無し。ホテルに着くと今度は 喫煙可の部屋は全部ふさがっていて、禁煙の部屋でバスルームで隠れて喫煙する、という風にとことん苦しめられる。
実はしばらく前に読んだのだけどいまだに書けてないケン・ブルーウンの トム・ブラントシリーズ第2作『Taming the Alien(1999)』でも主人公ブラントが犯人引き渡しのため米国に上陸し、そこでもちょっとした煙草ネタがある。飛行機を降り空港内のロビーに出た途端煙草に火を付けるブラント。 「ちょっと、ここは禁煙よ!」と慌てて注意する出迎えに来た女刑事。それに対し「ハハハ、何言ってんだ、俺たちゃオマワリだろ」と平気で返すブラント。 まあ読んでなくても実際にはそんな映像存在してなくても、皆さんジェイソン・ステイサム演じるこのシーンが克明に浮かんでいるものと思います。

作者Ray Banksについて。以前Blasted Heathが終了して、TSB Booksというところに移籍してCal Innesシリーズを始めとする著作が出版されているというあたりまでは、 ちょっとあちこちばらけてしまっているけど書いたと思います。で、その後なのだけど、TSB Booksへの移籍の際にBlasted Heathの最後に出版できなかったのだろうと思われる作品もCal Innesシリーズ などとともに出版されたのですが、実は2016年のその時点でストップし、その後は新作は発表されておりません。単純に新しい作品を書いていないのかもしれませんが、なかなか厳しいらしい 英国インディー出版業界の中で移籍したTSB Books自体の経営が困難になり、新作を出す余力が無くなってしまったということも結構考えられます。同じくBlasted Heathから作品を発表していた Barney Thomsonシリーズのスコットランド作家Douglas Lindsayも、移籍が決まった後に当の出版社の経営が苦しくなり、結果Barneyシリーズを自身の個人出版社から出すしかなくなってしまったという 例もありますしね。ただそういう事情があったとしても、私個人の思い入れだけでなく明らかに各方面から実力の認められているRay Banksなら少し頑張れば自作を出版してくれるパブリッシャーも 米国からでも見つかると思うのだけど、というあたりからもこいつ結構な変人偏屈なんやろな、というのが想像されるのですよね。
まあそんなちょっと扱いにくそうなRay Banksの近況なのですが、多分英国のだと思うNeo Textというパブリッシャーのホームページで映画の コラム記事を書いたりしているようです。Neo Textというのはクライム、SF、ホラーなどのパルプジャンルにこだわった作品を出版しているまだ新しいパブリッシャー。 コミックっぽいポップでクールなカバーアートが特徴。立ち上げ祝いにもらったと思われるアンドリュー・バックス先生の短編なども出版されています。まだ正体不明なのですが、 そのうちどれか読んでみたいところです。こういう付き合いもあるようなので、Banksの新作もいずれここからお目見えするかもしれません。

■Ray Banks著作リスト
●Cal Innes四部作
  1. Saturday's Child (2007)
  2. Sucker Punch (2007)
  3. No More Heroes (2008)
  4. Beast of Burden (2009)
●Farrell & Cobbシリーズ
  1. Wolf Tickets (2010)
  2. Trouble's Braids (2016)
●長編
  • The Big Blind (2000)
  • Gun (2011)
  • California (2011)
  • Dead Money (2011)
  • Matador (2012)
  • Inside Straight (2013)
  • Angels of The North (2014)



何やらまた愚痴になってしまうのですが、どうにもうまくいかんね。前回なんとか11月中にアップできたものの続くは12月。こちとら気温7度以下となるとほぼ機能停止する生き物なので、 寒さでへこたれまくり、毎日なんとか仕事に行って帰ってで力を使い果たし、週末も12月ともなるとなにかと雑用でという感じでさっぱり進まず、なんとか29日から年末年始休みに入ったものの、 とにかく人として最低限ぐらいの中掃除までやって力尽き、大晦日から正月はこたつと合体融合しぼんやりと生存のみを続け、2日夜頃になってやっと意識を回復し、こたつのパーツ状態より離脱し PCに向かって意味不明の呪詛を打ち込むブログゾンビ状態まで復帰したという次第です。そもそもはこっちの方を先に書き始めていたRay Banks『Sucker Punchi』をやっと書き上げられました。うー。
まあこんなテンションではありますが、とりあえず年始ということで、去年内にやり残した年末のアレについての罵倒もちょっとやっときます。なんだかねえ、もっとちゃんと華文を推せよ。つまんねえなあ。 もーあんな1位、2位とか想定内の当たり前すぎて全然面白くないじゃん。そんなんよりなんか微妙な華文ブーム雰囲気と、早川ポケミスブランドみたいなもんじゃなきゃあランキング圏内に 入るかも怪しいやつをゴリ押しで1位に押し上げてこその偏向インチキランキングじゃないの。全く使えない空気読みばっかだなあ。
しかしまあ当ブログでも前回は華文ブームがもたらす破滅シナリオとか勢いで書いてみたが、さすがに出版各社もそこまで馬鹿じゃなくて、実際のところは自称「本格」あたりの読者層がどのくらいいるとかは結構把握していて、 うちもっぱら読むのは国産で翻訳にはなかなか動かない若年層がどのくらいの割合で、結局いくら「もうガラミスとは言わせない!」勢の声がでかくてもなかなか思惑通りにはブームにならんだろ、 ぐらいのところは見越してて様子見というところなんやろけどね。そこで今後の華文展開を予想してみると、ここまではあっちの方じゃ例の「島田ショック」つーやつで文春辺りもバックアップする 賞も立ち上げたって流れもあって、華文で入ってくるのはそーゆーのばっかだぞっ!て感じで自称「本格」ファンが鼻息荒かったが、ここにきて出版社側じゃあそれだけじゃ売れんとも気付き始め、これからは 自称「本格」ばっかじゃないよーという売り方が増えてくるだろう。そこで出てくるのがアレだよ。出版社やミステリ評論家お得意のなんでも適用できるこれさえ言っときゃ大丈夫の万能ジャンル! 警察小説の出番だ!とにかく警察官が出てきて捜査すれば、それぞれの温度差や、分類なんて一切なしでただ警察小説と言っときゃなんとかなるという万能便利ジャンル!いやー便利なの発明したねえ。 今年は華文にこの「警察小説」を付けて中身を曖昧にした本が翻訳されてくるだろう。文春辺りじゃもう「華文警察小説」とでかでかと書かれた帯が印刷中じゃないの?それに加えて この国じゃあ警察小説だのミステリだのだけ言ってジャンルを曖昧にした解説の書ける便利屋がゾロゾロ。「筆が走りすぎ」とかどうとでも取れる評論家用語も加えてそれらしいのが一丁上がりだ。 いやー、出版業界寄生虫先生方の仕事が増えそうで良かったねえ。ほらもっと華文推しとかなきゃあ。まあ、とりあえず我らサイドは、文春辺りが苦し紛れに「ノワール風華文」とか言い出したら 要注意という所かね。
なんだか華文については悪態おちょくりばっかになっているけど、まあ本当のところは中国語圏から出てくるものに関してはそれなりの期待がないわけではない。だって映画方面ではあれだけ素晴らしいものを 多数産み出しているのだもの。それらが既に書かれているが外にまで出てこないのか、それともこれから書かれるのかはわからんが、いつの日にかは必ず姿を表すだろう。その時に 日本国内に偏向した「華文」イメージが定着し、余計な妨げにならんといいけどね。もしかしたら将来には韓流ドラマと韓国映画のように、華文と中国系ミステリーを区別する時代が来るのかもね。
ただまあ、前回ちょっと言ってたように実は私は昨年末に出た例の安心の老害ランキングだったっけ?とかいうのを買ってないんだよね。いやー本屋でちょっと見ただけで持ってないんで正確なところ はっきりわからなくてごめんね。なんかチラッと立ち読みにもならん時間ぐらいでも見た限りでは結局文句しか出てこなそうで時間の無駄やから。そんなんでまたこの三倍ぐらい書くの 明らかに無駄っしょ。まあ華文以外ではエリオット・チェイズ『天使は黒い翼をもつ』がなーんか高めにランクされてたけど、そーゆーの迷惑だからやめてくれる?どーせこんなランキング見て 初めて読もうと思うのとか結構多くの割合でよみにくいー、とかよくわからないーとか感想にもならんこと言って評判下げるだけの輩なんやから。言っとくけどさあ、「最近の若い人は翻訳物を読みにくい と言いますが…」なんつって甘やかしてくれんのは「ミステリ」だけの話で、ノワールではそりゃあてめーの頭が悪い上に最低限の努力すらサボるクズだからだよ!ってはっきり言うからね。 大体さあ、パピルスやヒエログリフの昔から本読んで読みにくいなんつってる奴はバカ一択なんだよ!
あとチラッと見た良いニュースでは、あの新潮文庫がまさかのだらデカ、エイダン・ウェイツシリーズ第3作(とりあえずこれで三部作となるらしい)を翻訳刊行予定とか!やったぞ新潮文庫! しおりのひもが付いてて紙が薄くてかっこいいぞ!この快挙は今後もハードボイルドファンの間で、曖昧な都市伝説として語り継がれて行くことであろう!あ、そういえば新潮文庫 ハードボイルド都市伝説では、東京近郊に住む某ハードボイルド廃人宅で昨年末に行われた本棚の本の並べ替え(本人は年末の大掃除と主張)の際に、ジョー・ゴアズ作品や、G・M・フォード作品、 フィリップ・カー作品などが目撃されたらしいことも伝えられている。その他に早川文庫でももはや幻となっているカート・キャノンとともに収納されていた都築道夫による『酔いどれ探偵』が新潮文庫として 目撃されたらしいという噂があるが、真偽のほどは定かではない。
あと文春からデイヴィッド・ピースが出るのはとりあえず有難いが、文春はもうエルロイは出さんのかな? まあそろそろエルロイも原書で読む頃なのかもね。
以上年末のアレについてでした。本年は買ってないのに色々言ってるのはなんかな、とちょっと思うけど、買ってちゃんと読んだより文句被害が少なかったのでまあ許してやってください。 あと、この時期書店で長々と立ち読みなんぞをするのは問題あるけど、あくまでも買うか買わんかの判断をするくらいの程度しか見ておりませんので。で、買わんと判断しました。

【戸梶圭太最新作!KIndleにて絶賛発売中!】
なのですが、今回も読んだ作品の感想を書く余力がありまへん…。申し訳ない。戸梶先生作品については、別に独立してやる予定でありますので。
で、当の戸梶先生はこちらの惰弱ぶりなど一切関係なく、昨年末にまたしても新作『5Gマンを殺せ』を発表!今回は南米B国を舞台とした奇天烈ラテンアメリカ・ヴァイオレンス・クライムノベルだそうです。 わー、楽しみだねえ!ちゃんとやるよ!ホントにごめん。



というあたりで今回は終わりです。今年の、というより昨年末からの目標として、なるべく短く、長くなる雑談は別に1回と考えるなどして更新回数を上げようと決めていたのですが、本体が寒さで へこたれていてはしょうがないです。まあ例年の様子では徐々に身体も寒さに対応して行くはずなのですが。
そして、これだけ思い入れのあるCal Innesがこれほど間が空いてしまったという不始末を反省し、本年は特に自分的に思い入れもあり重要な作品を優先的に読んできちんと書いて行くことを目標として考えています。 まず、今回のCal Innes四部作、そしてこちらも永らく中断したままのマッキンティDead三部作については、必ず本年中にそれぞれ残り2作を読破し、このブログにてシリーズの全貌をお伝えすることをお約束します。 もしできなかったらブログやめます!…なんてのは何の解決にもならんのだよな…。よし!もしできなかったら秋ごろにスマホにうっかりインストールしちまった『きららファンタジア』のゲームアプリを 削除する!えー?ちまちまやってようやくやり方を掴んできたところなのにー?今年一年やればもっと★5キャラも集まってるだろうにー?やだなあ。じゃあしっかり読んで書けよっ!
なんか今年も年始より色々大変な状況が続いておりますが、皆さんも健康その他にはくれぐれもお気をつけて元気に過ごして時々こんなところも見に来てやってください。ではまた。


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■Ray Banks
●Cal Innes四部作

●Farrell & Cobbシリーズ

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