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2022年3月24日木曜日

2022 スプラッタパンク・アワード ノミネート作品発表!

なんだかもうずいぶん遅れてしまって今更なのだが、第5回スプラッタパンクアワードのノミネート作品の紹介です。いや、ブログ8周年終わってBrian Keeneのホームページ見に行ったら、今年は例年よりも早く既に1月19日に 発表になってて、本当なら8周年の前ぐらいにやらなきゃなんなかったぐらいだったのだが。8周年の後、ただちに書き始めたところで、あのComixology大幅仕様変更という、まあ日本的には極小レベルかもしれんけど大事件が 勃発し、ここはなんか言っとかなきゃならんとそっちを大急ぎで書いたところで、んーまあ色々あって諸般の事情というやつでまるまる一か月ほどブログにも手がつかん状態となってしまったわけなのでした。 まあそのへんの「諸般の事情」については次にでも書く書かないか、というところなのだが。
そんなわけで、こんなに遅れて今更なのだが、まあ第1回からのお付き合いでここで中断したり一回抜けたりというのも何なんで、遅ればせながら2022年、第5回のスプラッタパンクアワードのノミネート作品を こちらに掲載いたします。ノミネート作品は以下の通り。

2022 Splatterpunk Award ノミネート作品


【長編部門】

  • Don’t Go To Wheelchair Camp by David Irons (Severed Press)
  • Trench Mouth by Christine Morgan (Madness Heart Press)
  • The Maddening by Carver Pike (Independently Published)
  • The Devoured And The Dead by Kristopher Rufty (Death’s Head Press)
  • The Night Stockers by Kristopher Triana and Ryan Harding (The Evil Cookie Publishing)
  • Left To You by Daniel J. Volpe (D&T Publishing)

【中編部門】

  • Midnight In The City Of The Carrion Kid by James G. Carlson (Gloom House Publishing)
  • Only The Stains Remain by Ross Jeffery (Cemetery Gates Media)
  • Things Have Gotten Worse Since We Last Spoke by Eric LaRocca (Weirdpunk Books)
  • A Roll Of the Dice by Matt Shaw (Independently Published)
  • Sacrament by Steve Stred (Black Void Publishing)
  • Talia by Daniel J. Volpe (Independently Published)

【短編部門】

  • “The Martini Club” by Aron Beauregard (from Beyond Reform, Aron Beauregard Horror)
  • “Fireflies and Apple Pies” by Thomas R. Clark (from The God Provides, St. Rooster Books)
  • “Sun Poison” by Stephen Kozeniewski (from Battered, Broken Bodies, Independently Published)
  • “Start Today” by Justin Lutz (from Teenage Grave, Filthy Loot)
  • “Abigail” by Daemon Manx (Terror Tract Publishing)
  • “Next Best Baker” by Jeff Strand (from Baker’s Dozen, Uncomfortably Dark)

【短編集部門】

  • Beyond Reform by Jon Athan, Aron Beauregard, and Jasper Bark (Aron Beauregard Horror)
  • Black Tongue And Other Anomalies by Richard Beauchamp (D&T Publishing)
  • Sinister Mix by Brian Bowyer (Independently Published)
  • Shattered Skies by Chris Miller (Death’s Head Press)
  • Twisted Tainted Tales by Janine Pipe (Pipe Screams Press)
  • May Cause Ocular Bleeding by Nikolas P. Robinson (Independently Published)

【アンソロジー部門】

  • Body Shocks edited by Ellen Datlow (Tachyon Publications)
  • Between A Spider’s Eyes edited by River Dixon (Potter’s Grove Press)
  • Bludgeon Tools edited by K. Trap Jones (The Evil Cookie Publishing)
  • Gorefest edited by K. Trap Jones (The Evil Cookie Publishing)
  • Baker’s Dozen edited by Candace Nola (Uncomfortably Dark)
  • Battered, Broken Bodies edited by Matt Shaw (Independently Published)

【J.F. GONZALEZ LIFETIME ACHIEVEMENT AWARD】

  • Clive Barker

【SPLATTERPUNK HALL OF LEGENDS INDUCTEES】
  • Richard Laymon
  • Jack Ketchum
  • J. F. Gonzalez
  • Charlee Jacob
  • John Pelan
  • Gak
  • David G. Barnett


今回、第5回より新たに設立されたのがSPLATTERPUNK HALL OF LEGENDS。これはすでに亡くなったこのジャンルに大きく貢献した偉人達、作家、アーティスト、編集者などを称えるという目的のもの。 具体的には受賞の発表が行われるキラーコンでの展示というような形になるものらしい。日本では特に冷遇されろくに翻訳もないこのジャンルなのだが、その歴史・実体などを垣間見れる機会にもなると 思われるので、発表となる8月にはなるべく詳しくフォローできればと思っております。
そしてノミネート作品についてなのだが、昨年第4回では大きく盛り上がりを見せ、各部門7作品がノミネートされていたのだが、今回はそれぞれ6作品にスケールダウン。パブリッシャー方面もいまいち勢いが 見られず、個人出版という形の物が多く見られたり。
やはりこれは2年連続で本番のキラーコンの開催が中止となり、オンライン開催のみとなったというような社会状況の影響なのだろう。だが、ここで確信をもって断言するが、これは一時的なスケールダウンであり、 奴らは必ず復活する!アメリカを中心としたこのジャンルのファン、作家を目指す者たちは大変幅広く、熱量も高い。他ジャンル、ハードボイルド-ノワール-クライムジャンルの廃人的愛好者ゆえいまいちこのジャンルを 本格的に読めていない私なのだが、それでも横目ぐらいで見ていても、決してメインストリームには届かなくとも多くの小パブリッシャーが絶えず勃興して行く熱気は伝わってくる。昨年は新たなるスプラッターウエスタン というジャンルをぶち上げたこのジャンル、本年はまた次のステップへ至る助走期間というところだろうな。
今回注目は、Kristopher Triana、Christine Morganといったおなじみのメンバーが並ぶ中、新たに登場し長編・中編部門にノミネートされたDaniel J. Volpe。そして昨年Volpe同様に長編・中編部門にダブルノミネート されながらも受賞作発表の時点ではパブリッシャーの都合と思われる原因で両作とも絶版という不運にあったRoss Jefferyが新作をひっさげ中編部門にノミネートされているのも嬉しい。 全く作風も内容も知らず、個人的な直感のみで注目しながらも後回しにしているうちに作品ゲットしそこなったトホホな私なんだが、今度こそはいつ読めるかわかんなくてもちゃんと入手するぞ。
アンソロジー部門注目は『Body Shocks』と『Battered, Broken Bodies』の2作。前者はヒューゴー賞受賞歴のある編集者Ellen Datlowによるもので、後者はスプラッタパンクアワードではすっかりお馴染み、もしかしたら 皆勤賞かもというMatt Shaw編集。電子書籍時代黎明期から自費出版で数多くの作品を出し続け、もはやこのジャンルでは知らない人はいないぐらいのMatt Shawについてはもっとちゃんと調べて作品も読まねばならぬと 常に思っているのだが。双方ともBody=身体テーマのアンソロジーで、片やMatt Shaw編集の方はジャンル王道、徹底的な身体破壊ものが想像できるわけだが、もう一方SF方面にも強そうなEllen Datlowがどんな作品を 集めてきたのかみたいな比較で読むと面白いんじゃないかと。Matt Shawの方は収録作家を見ると、現在最前線と期待のニューカマー辺りが揃っていて、結構今のこのジャンルを知るにはベストのアンソロジーでは ないのかなあという気がする。うーん、何とか読みたいところだなあ。
J.F. GONZALEZ LIFETIME ACHIEVEMENT AWARDには日本でも『ヘルレイザー』や『血の本』などでおなじみのクライブ・バーカー。あ、『血の本』全部持ってるけど2冊ぐらいしか読んでない…。思い出しちゃった。 次に何か部屋の地殻変動的なことが起こって発掘されたら必ず読もうっと。
その他、気になるところでは、昨年あんなに盛り上がったスプラッターウエスタンなのだが、その後ちょっとペースダウン。色々あるだろうけど頑張ってくれよなDeath’s Head Press。そしてここ数年勢いを増していた Grindhouse Pressの名前が見られないのも寂しいところなんだが、ちょっと心配になってホームページを見に行ったところ、昨年2021年はオーナーC. V. Hunt姐さんの健康上の理由で自身の創作、出版の両面について かなり停滞してしまったそうで、ここからまた頑張るよ!とのことなので次回には期待しよう。
というわけで、本当に遅くなって申し訳ありませんの2022 スプラッタパンク・アワード ノミネート作品でした。受賞作発表は例年通り8月テキサス州オースティンで開催予定のキラーコンにて。ホントに今年こそは 無事に開催できるといいよねえ。まあ色々ありますが、こちらの方もこれからまた頑張りますです。


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