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2021年2月22日月曜日

2021 スプラッタパンク・アワード ノミネート作品発表!

今年もやって参りました!スプラッタパンクアワードです!第4回!もしかしたら1回とか2回とかで終わっちゃうかも、と思っていましたが、さすがに4回となると順調に定着し、 このちょっとアレなジャンルの中心となってきているようです。本年2月14日に自薦・他薦の応募が締め切られ、3日後2月17日主催者Brian Keeneのホームページにて発表された各部門 ノミネート作品について、えー、私としては最大限急いだ感じでややいち早くお伝えいたします。
とは言ってみたものの、前回の7周年でぼやいていた通り、当方ではなかなかホラー関連まで手が回らず、去年に至ってはホラー方面は全く読めていないという情けない事態…。 なんでかなあ、ワシ去年何読んでたんだろうと、Kindleを見てみると、まあこちらに書けていないだけでそれなりにずいぶんいいのも読めてるんだけど、ああそうか、結構大作の ストックホルム三部作読んでたしわ寄せで、アレコレ読まなきゃが溜まってしまってたんだろうな、と思ったり。そんな中で、ああこれあったじゃんと思い出したのが、10th Ruleの Bodie Myersによるバイオレンス・ホラー『The Walking Funeral: Hell - Book 1』!ああ、これ面白かったなあ。なんか思いつきで勢いで手に取って読み、本当に楽しませてくれた こういう作品のことを忘れず、もっと正体不明の怪しげなやつを勢いで読んで行かなければなあ、と冒頭から反省している次第です。
まあそんな相変わらず紹介者として適任とは思えない私ですが、第1回からのお付き合いもありますので、今回も何とかわかる限りご案内して行きたいと思っております。


2021 Splatterpunk Award ノミネート作品

【長編部門】

  • Pandemonium by Ryan Harding and Lucas Mangum (Death’s Head Press)
  • Tome by Ross Jeffery (The Writing Collective)
  • Dust by Chris Miller (Death’s Head Press)
  • Slaughter Box by Carver Pike (Self-Published)
  • Gone To See The River Man by Kristopher Triana (Cemetery Dance Publications)
  • They All Died Screaming by Kristopher Triana (Blood Bound Books)
  • The Magpie Coffin by Wile E. Young (Death’s Head Press)

【中編部門】

  • The Slob by Aron Beauregard (Self-Published)
  • Bella’s Boys by Thomas R. Clark (Stitched Smile Publications)
  • Juniper by Ross Jeffery (The Writing Collective)
  • Red Station by Kenzie Jennings (Death’s Head Press)
  • True Crime by Samantha Kolesnik (Grindhouse Press)
  • The Night Silver River Run Red by Christine Morgan (Death’s Head Press)
  • How Much 2 by Matt Shaw (Self-Published)

【短編部門】

  • “The Incident at Barrow Farm” by M. Ennenbach (from Cerberus Rising, Self-Published)
  • “Full Moon Shindig” by Patrick C. Harrison III (from Visceral: Collected Flesh, Death’s Head Press)
  • “Phylum” by Tom Over (from The Comfort Zone and Other Safe Spaces, NihilismRevised)
  • “Footsteps” by Janine Pipe (from Diabolica Britannica, Keith Anthony Baird)
  • “Next In Line” by Susan Snyder (from Devour the Earth, Madness Heart Press)
  • “My Body” by Wesley Southard (from Midnight In the Pentagram, Silver Shamrock Publishing)
  • “The God In The Hills” by Jon Steffens (from The God In the Hills, Filthy Loot Press)

【短編集部門】

  • War of Dictates by John Baltisberger (Death’s Head Press)
  • Cerberus Rising by M. Ennenbach, Chris Miller and Patrick C. Harrison III (Self-Published)
  • The Essential Sick Stuff by Ronald Kelly (Silver Shamrock Publishing)
  • Rhapsody In Red by Peter Molnar (Stitched Smile Publications)
  • Visceral: Collected Flesh by Christine Morgan and Patrick C. Harrison III (Death’s Head Press)
  • The Comfort Zone and Other Safe Spaces by Tom Over (NihilismRevised)
  • Blood Relations by Kristopher Triana (Grindhouse Press)

【アンソロジー部門】

  • Chew On This edited by Robert Essig (Blood Bound Books)
  • Brewtality edited by K. Trap Jones (The Evil Cookie Publishing)
  • Welcome To the Splatter Club edited by K. Trap Jones (Blood Bound Books)
  • Worst Laid Plans edited by Samantha Kolesnik (Grindhouse Press)
  • Crash Code edited by Quinn Parker (Blood Bound Books)
  • If I Die Before I Wake Vol. 3: Tales of Deadly Women and Retribution edited by R.E. Sargent and Steven Pajak (Sinister Smile Press)
  • Psi-Wars: Classified Cases of Psychic Phenomena edited by Joshua Viola (Hex Publishers)

【J.F. GONZALEZ LIFETIME ACHIEVEMENT AWARD】

  • John Skipp


ちょっと冒頭部分で書き損なってしまったのだけど、今回もタイトル画像は、アンソロジー部門から一番エグイ画像を。ということだったのですが、下のリストをご覧いただけばわかるように、 一時期のどうかしちゃってるヤバいカバーアートは、今回に関しては少し抑えめの傾向で、そんな中でこれかなあという感じで選らんだのがBlood Bound Booksの『Chew On This』。 まあ内容に関してはボルテージが下がっているわけではないだろうから、ちょっと一時的な傾向でまた「グヘへ、どうだ怖くて手に取る気も起るまい!」というのが並んでくれるのを期待しております。
そして、今回の主催Brian Keeneの覚書では、スプラッタパンクシーンはますますの隆盛を見せ、自薦、他薦の応募が前回にもまして熱くなり、今回からは各部門ノミネート作品を7作までアップした ことが告げられています。そして前回に引き続き、さらに女性の作者・読者が増加の傾向を見せていること、そして今後の発展を期待されるニュージャンルとしてスプラッタウェスタンの登場などについて 言及されています。
うーん、スプラッタウェスタン!すげー読みてー!実はこのスプラッタウェスタン、昨年登場し、今年さらに勢いを増しているDeath’s Head Press発の新ジャンルで、 同社では「Splatter Western Book」と銘打ったシリーズを昨年中に8作も出版しており、うち4作が長編・中編部門にもノミネートされております。詳しく知りたい人は、とりあえず長編部門の Wile E. Young『The Magpie Coffin』がシリーズBook 1として発行されており、リンクからアマゾンのKindle版販売ページに進めば、シリーズ一覧が見れます。ワシもこれは早急に絶対読むよん!
個人的な注目は、まずそのスプラッタウェスタンなんですが、他にまずパブリッシャーとしては昨年登場のDeath’s Head Pressの躍進。ちょっとその陰に隠れちゃってるかもしれないけど、 Blood Bound Booksもじわじわと勢力を増してきている感じです。C. V. Hunt姐さんのGrindhouse Pressもすっかりこのシーンの一つの極として定着してきた感じです。
その一方で、 これまでこのシーンの中心だったDeadite Pressの名前がないのは少し寂しいところ。まだ完全に終わったわけではないようだけど、昨年あたりはほとんどリリースもなかったようです。 そちらから『White Trash Gothic 2』を持って独立したSection 31 Productionも、その後は停滞したままの感じ。ちなみに『White Trash Gothic 3』は昨年末Necro Publicationsより 発行されています。2、3とも早く読まねばとワシのiPhone Kindleでずっと待機中なんだが…。
作家としては第2回にマッドJK血みどろホラー『Full Brutal』で長編部門を制したKristopher Trianaが 長編2作、短編集1作がノミネート。今このジャンルで一番勢いのある人なんでしょう。
女性作家ではGrindhouse Pressからの中編とアンソロジーの編者としてノミネートされたSamantha Kolesnik。 Grindhouse Pressはこの辺の女性作家からもちょっと毛色の変わったものを出してくれそう。
あと個人的にちょっと気になってるのが、今回初登場で長編、中編部門にノミネートされているRoss Jeffery。 ミニマルテクノのアルバムジャケット風のカバーも気になる。内容はディストピアホラーということで、同じ設定のシリーズの一部で、先行する作品が中編部門の『Juniper』になるらしい。 なんかこういう直感は少なくとも個人的には当たったりするので、何とか読んでみたいもんだけど、と思う。
あと、J.F. GONZALEZ LIFETIME ACHIEVEMENT AWARDは日本でも翻訳のあるジョン・スキップ。こちらのスプラッタパンク功労賞は、辛うじて日本でも翻訳のあったりするジャンルの重鎮が続いているのだけど、 もう日本では長らくこのジャンルの作品が翻訳されていなかったりするので、そろそろ日本的には種切れになっちゃうかも。そもそもが主催のBrian Keene自体からして無かったりするからなあ。 どうよ、竹書房とか。でも竹書房の翻訳文庫も最近は北欧物や、イスラエルのSFアンソロジーとか出して、もう「背表紙までハッタリ臭い文庫」とは言わせない!ぐらいの感じになってきてるからねえ。 え?そんな呼び方してたのワシだけ?いや、なかなか読めないんだけど基本的には結構注目してますから、竹書房さん。竹書房背表紙までハッタリ臭い文庫は、全国書店、創元文庫の外れの 余りスペースなどで絶賛発売中!
ということでちょっと見回しただけでも面白そうな期待作満載の2021年度 第4回スプラッタパンクアワードノミネート作品発表でした。各受賞作の発表は例年通り、 8月にテキサス州オースティンで開催されるキラーコンにての予定ですが、昨年に引き続き開催不可となってしまった場合には、昨年と同じくオンラインでの発表となるそうです。 現在のこの状況から、今後はぬるい応援ソングや本当にあったりなかったりする泣ける良い話ばかりが大手を振って歩くウンザリ環境が続くと想定される昨今、 良心のかけらもない極悪ホラー作品であなたもスカッとしませんかい?


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