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2018年3月7日水曜日

Valiant その6 -Harbinger Wars-

諸般の事情や怠慢でずいぶんと久しぶりになってしまったのですが、何とか続けたいという意思はありますので、約2年近くぶりのValiant その6、Harbinger Warについてであります。こちらの発行時期は2013年の春から夏にかけてというところで、なんだか品切れ時期なのかペーパーバック版のカバーにつながるリンクも見つからずで大丈夫なのかよ、という感じですが、まあモタモタという感じでかなり遅れながらも読み続けているValiantについてはなんとか語り続けたいという気持ちも強くありますので、遅ればせながら頑張ってみますです。

さて、現行Valiantの最初の『Harbinger』、『Bloodshot』2シリーズに渡るクロスオーバーイベント『Harbinger Wars』なのですが、随分前になってしまったのですが、『Harbinger』のこれまでの経緯については前回その5で書きましたので、今回はもう一方の『Bloodshot』のこれまでのストーリーについてというところから始めます。こちらは直接『Harbinger War』につながって行く流れとなります。

【Bloodshot】~9号
えーっとどこまで書いたのかな、と遥か昔のを読み返してみると、なんだ結局1号だけじゃんという感じで、ほとんど最初から始めることになってしまうのですが、まず謎の組織の罠にかかり捕獲され、Project Rising Spirit(以下P. R. S.)からの精神操作を解除されたBloodshot。敵の施設から脱出するも、救援に来たはずの回収チームから銃弾を浴びせられる、というところまでが第1号。そしてヘリにて遺体として搬送されるのだが、その途上で蘇生。そして機上の兵士を皆殺しにしてヘリを墜落させる。黒焦げで胸に機体の破片を突き立てた状態で救急車に積み込まれるが、そこでまた蘇生。半ば救急車を乗っ取る形で、救急隊員の女性Karaを強引に協力させその場を脱出する。
Bloodshotの不死身の回復蘇生能力というのは血液中に流れるナノマシンからもたらされるのですが、それは彼の架空の家族である妻や子供の姿としてBloodshotの前に現れ、彼と会話する形でコミュニケーションをとり様々に彼を助けて行く。いずれはこれは彼の架空の息子である一人の少年として統合されて行きます。このナノマシンの能力は、Bloodshotを蘇生させるだけにとどまらず、例えば彼の表皮を通じて車のボディから入り込みブレーキをかけさせるというような形で、システムに潜り込んで操作したり情報を集めたりというようなこともやってのけます。
そしてBloodshotを追うP. R. S.は超能力を持つ少女Melissaを同行し、ナノマシンを停止させBloodshotは危機に陥るが、Karaの助けにより切り抜ける。P. R. S.に強制的に従わされていたMelissaだったが、実は彼女をP. R. S.に誘拐したのは精神操作で使われていた時のBloodshotであり、彼に憎悪の目を向ける。しかし独力でP. R. S.から逃亡し続けることも敵わないMelissaは、Karaの説得もあり、共通の敵P. R. S.に向かいBloodshotと協力することとなる。
ここまで4号がTPB第1巻「Setting the World on Fire」収録のストーリーです。巻き込まれてBloodshotに協力することになる救急隊員Karaさんは、強い意志と行動力の一方で、なんかトボケたところのある魅力的なキャラ。なんでこんな無茶苦茶なことに巻き込まれて協力することになるのか説明しようとすると、結構強引なのだけど、ノリとキャラ造りの上手さでなんか納得させられてしまうのは、ライタースウィアジンスキーの上手いところ。そして続く第2章では反撃に出たBloodshotが、自らのアイデンティティーを求め、P. R. S.の基地に攻撃をかけるという展開になります。
Bloodshotと離れ、2人ある建物内に隠れていたKaraとMelissaをP. R. S.が襲撃捕獲する。だがそれは彼らの計画だった。Bloodshotとナイフで傷つけた指先を合わせ、血液を交換する方法で体内にナノマシンを忍ばせ、殴打され出血したKaraの血液からそれがシステムに侵入したとき、Bloodshotは動き出す。BloodshotをP. R. S.からの精神操作から解放した謎の組織の人物Kuretchは、実はかつてBloodshotの作戦に深く関わっていたP. R. S.から離脱した科学者だった。Bloodshotはそのバックアップを得て、連絡を取りながらP. R. S.の基地へと向かう。ナノマシンの操作により基地の認識装置を攪乱し、外郭は突破したが、早期に潜入は発覚、異様な姿に肉体を強化された兵士たちと死闘を繰り広げながら、Bloodshotは基地の奥深くへと向かう。そして彼がそこで見たのは研究施設に監禁された子供たちの姿だった。子供たちを解放しようとするBloodshotに、子供たちは敵意を向け、特殊能力を使って攻撃を仕掛けてくる。そしてBloodshotは、自分が今まで精神を操作されながら行ってきた様々な地で子供を救出する作戦が、実は特殊能力を持った子供たちPsiotsの誘拐だったことを知る。Psiotsを収監すべく現れた恐るべき”寮母”Gamma。Bloodshotの戦闘力をもってしても歯が立たない。拘束を脱出しKaraとともに駆けつけたMelissaも倒れる。しかし、力を合わせたPsiotsにより遂にGammaは制圧される。そしてMelissaはbloodshotにPsiotsを守って、と告げ息絶える。一方、事態を見守っていたKuretchは、彼の背後にいた謎の”ボス”に経過を報告する。Psiotsは二つのグループに分かれ、一方はBloodshotと行動を共にしている、と。そしてその”ボス”こそがToyo Haradaであり、その目的はP. R. S.基地内に監禁されていたPsiotsの解放であったことが明らかにされる。
以上が9号まで、TPB第2巻The Rise and the Fall。そして物語はHarbinger Warsへと続きます。

【Harbinger Wars】
というわけで、BloodshotによりP. R. S.の施設から解放された能力者PsiotsをめぐるHarada/HarbingerとP.R.S.の闘い、そしてそれに巻き込まれて行くBloodshotとPeter StancheckらRenegadesというのがクロスオーバーイベント『Harbinger War』のストーリーとなります。メインのストーリーとなるミニ・シリーズ『Harbinger War』全4号が発行され、『Harbinger』11~14号、『Bloodshot』10~13号がクロスオーバーするストーリーとなり、それぞれ独立したTPBとしてまとめられています。発行順は『Harbinger War』→『Harbinger』→『Bloodshot』の順で、それぞれにストーリーが展開して行きます。アメリカのコミックのこの手のクロスオーバー・イベント同様に、基本的にはそれぞれのシリーズ単独で読んでもストーリーが分かる形で作られています。

Bloodshot達に先んじてP. R. S.の施設を脱出したPsiotsのグループは、やや年長の既にP. R. S.によって戦闘部隊として使われていた少年少女達に率いられ、ジャイロヘリを使い、ラスヴェガスへと飛び、その能力を使い重武装のテロリストグループが人質を取った幻覚を作り上げ、巨大カジノ・ホテルを占拠します。
一方これまでこの流れと無関係だったPeter達ですが、突如Peterが白昼夢のようにToyo Haradaの導師的存在であるBleeding Monkの精神世界に招聘される、という形でこの件に関わるようになります。Bleeding MonkはPeterにラスヴェガスへ行け、と告げて彼を帰すのですが、そもそもPeterをこの件に関わらせることがHaradaの意志に反することだったようです。このBleeding Monkの意図や目的は現在のところ謎に包まれています。そしてPeterは仲間と相談し、ラスヴェガスへと向かいます。難なくホテル内に入ったPeter達は、同じ能力者でP. R. S.を共通の敵とするところから、Psiotsと共闘することとなります。
『Harbinger』ではPeter達のストーリーと並行し、1960年代、若き日のToyo HaradaとP. R. S.との最初の闘いも描かれて行きます。
そしてまた一方、P. R. S.の基地を脱出したBloodshot達は、前のグループとテレパシーでつながったPsiotに示唆され、ラスヴェガスへと向かうのですが、その途上で、まずPsiotsを確保しようと現れたHaradaと闘うことになります。BloodshotはHaradaのテレキネシスで顔面の皮膚を引き裂かれ、血みどろの恐ろしい闘いになるのだが、実は彼には体内に隠された対Harada用の秘密兵器があった!そしてその恐るべき秘密兵器を浴びせられ、Haradaはその能力を無効化され、本来の年齢通りの無力な老人へと戻されてしまう。えーと…、Bloodshotの体内に隠されていた秘密兵器は口から放出されてHaradaに浴びせられるのだけど、具体的に言うと、顔面の皮膚を引っぺがされて悪鬼のような形相と化したBloodshotがHaradaにゲロを吐き掛け、よぼよぼの老人となったのをゲラゲラ笑いながらぶん殴るという、まあ、一応ヒーロー物に属するコミックとは思えない状況である。全くスウィアジンスキーという奴のやることは…。だから私はコイツが好きなのだよ!
というわけでここでずっと40代かせいぜい50代の始めぐらいに見えていたToyo Haradaが、実は超能力によりその姿を保っていて実際には老人であったことが明らかになる。まあ、前に書いたHarbinger #0の中で第2次大戦中に戦災孤児となったわけだから、ちゃんと年齢を考えればそうなのだが。実はこの姿のHaradaは以前に一度だけ登場している。『Harbinger』の中でクリスがPCで見ていたHaradaへのインタビューで1コマだけこの姿の老人Haradaがモニターに映っているのが描かれているのである。特に何の説明もなく、この時は実際のHaradaの代わりに影武者的に表に出ている人物なのだろうかと思ってたりしたのですが。
そして、また一方のP. R. S.もこの事態に特殊部隊H.A.R.D.Corpsを投入することを決定する。H.A.R.D.Corpsとは脳に埋め込んだインプラントで司令部からの送信を受け取り、それにより様々な特殊能力が使えるように強化された、対Harbinger用特殊部隊である。旧Valiant Comicsでは独立したシリーズも持っていました。このH.A.R.D.Corpsについては後に『Bloodshot and H.A.R.D.Corps』という形でBloodshotと共闘することにもなるので、詳しくはそっちについて書くときに。いや、ちゃんと書くから!
なんとかHaradaは退けたものの、甚大なダメージを受けたBloodshotは、途上の食肉工場で回復に必要なプロテインを補給しようとしてP.R.S.の部隊に遭遇し、またしてもエグイ目に遭ったりしながらラスヴェガスを目指す。ヴェガスのPeter達はPsiotsからBloodshotはかつて彼らを誘拐したP.R.S.のモンスター兵士で、今現在こちらに向かっていると聞かされ、完全に敵と思い込み、臨戦態勢で待ち受ける。そして、Bloodshot達のヴェガス到着と時を同じくし、空からH.A.R.D.Corpsがホテルを襲撃、また態勢を立て直したHaradaもHarbingerを率い、ヴェガスへと飛来する!かくしてラスヴェガスは能力者たちの戦場と化す!

こちらのメインストーリーとなる『Harbinger Wars』はそれぞれのシリーズのライターJoshua Dysartとスウィアジンスキーの共作という形になっています。そしてスウィアジンスキーはこの『Harbinger Wars』の終結と同時に『Bloodshot』のライターを降板。まあなんかあったということではなく、最初からここまでの契約だったというところなのだろうけど。しかしこのスウィアジンスキーによる『Bloodshot』は私を天才作家スウィアジンスキーに引き合わせてくれたという意味でもかなり思い入れもあったりする。まあこいつのやることは本当にすさまじく、Bloodshotというのは不死身で回復能力を持つからというので、まるで一つの芸のようにぶち殺してかなり痛く体を引き裂き続ける。しかしただ無茶苦茶やってるんじゃなくて、情報を整理し、アクションを中心にストーリーを構成できる上手さがあってのこと。その例がもう何度も言ってる第1号の24ページかそこらの中で主人公をかなり無残に3回もぶち殺すという構成である。こういう出版社がメインとなるあらすじぐらいのものを出して来るのだろう版権ものではとかく見えにくいのだけど、色々なナノマシンの使い方や擬人化して見せるというあたりは、おそらくはスウィアジンスキーのアイデアなのではないかと思う。
なんかこのぐらいのボリュームになってしまうとなかなかアーティストにまで言及できないのだけど、特筆すべきはやはり『Bloodshot』を描くスペインのアーティストManuel Garciaだろう。スウィアジンスキーのバイオレンスな展開を忠実に視覚化して見せる緻密かつ迫力のあるタッチは本当に素晴らしい。マーベルDCでも活躍しているアーティストだけどフランスあたりでも結構作品を出してる様子。最近はComixologyにもヨーロッパ方面の英訳による進出も盛んなのでまた違った形で出会えることもあるのではないかと。うーんスペインも実力のある作家アーティスト多そうだよね。ところでManuel Garciaって検索すると結構同名の有名人が多く出てきて少し探しにくかったのだけど、スペインではよくある名前なのでしょうか。あと前も書いたけど『Harbinger』のKhari Evansの何気に色っぽい画は好き。早く『Carbon Grey』ぐらいは読まんと、と思ってるのだけど…。

さてこちらの『Harbinger Wars』なのですが、以前まず『Bloodshot』が映画化され、その後『Harbinger』というところまではアナウンスがあり、その後この『Harbinger Wars』が映画化されるのであろうと予想されていることはお伝えしましたが、どうもこれ全部ポシャっちゃったらしい…。で、どうなったんだろうかと色々調べているうちにひょっこり出てきたのがこちらの『Ninjak VS The Valiant Universe』と称するトレーラー。


なんだかずいぶん前、2016年の秋に公開されたものらしく、こっちがちょっとぼんやりしすぎてて気付かなかったのだけど、どうもこういうタイトルの映画が作られるわけでも無いようで意味不明…?と首をひねりながらよく調べてみたところ、どうやら映像化の当てがなくなっちゃったのでどっか金出して作ってくれよ、という目的で作られたものらしい。どうも映画ではなくてTVシリーズという方向で模索しているらしい。なんだかリアルタイムで情報をチェックせず、時間がたって曖昧になってしまっているところで申し訳ないのですが、しかし、この『Ninjak VS The Valiant Universe』、コミック版ではこの2018年1月から遂に始動!と、たまたま運が良くて結果的にうまくタイムリーになったところなのですが、ここでなんとあのThe Comics Journalにその第1号のレビューが!(The Comics Journal:Infinite Content)それによると、なんだかさあ、こんなフランチャイズ目当てばっかりで強引に作った話なんてさっぱり納得いかないし全然面白くないんだよ!とのこと。なるほど、まあそんなところなんだろうね。とか納得してちゃいかんのか?そもそもValiantの面白いマンガの話だよ~、と言って書いてる奴がこんな真っ向からValiant大批判のレビューにリンク張ること自体頭おかしいと思われるところか?でもさあ、これってやっぱり真実なのだよ。Valiantというところはそもそもがその復興の始まりからそのバックではちょいとした業界のバブルに乗った感じで昔のブランドを新たに立ち上げ直して一儲けしたいって言うところから金を引っ張ってきたというのは明らかで、そのバブルもしぼんで映画の目論見も崩れ、ここで何とか色々な配信も含め景気のいいTVシリーズ方面の方にシフトし、フランチャイズで金を作らなければと焦って絞り出してきたのがこの『Ninjak VS The Valiant Universe』なのだろう。まあ結局は自分の方では遅れに遅れ、そんな最新のところにはまだまだ届かないので、自分で読めないうちにははっきりとは言えないけど、まあそういうところなのだろうね。かなりValiantもここに来て厳しいところらしい。というかやっぱり今どきいわゆるアメコミ全体がバブルを過ぎ、若干苦しくなってきているのだろう。まあTV等配信系の方が勢いがあるので、マーベルなんかも強げに見えるけど本体コミックの方はどうなん?みたいなのもちょくちょく見るしね。しかしまあ私も読むのが遅い分なかなか最前線に届かず、ちょっと前の読み始めたのの続きばっかりで、もうちょっとその辺が見えるようにしなくてはと日々思うばかりなのだけど。うわ、また反省しょんぼりモードに入りかけてしまった!ともかくあんまり考えず動かなければ、と思っているところなのに。まあそんなわけで遅れに遅れ数年前のValiantのイベント『Harbinger Wars』についてやっと書いたところで、読む方も遅れてまだその先少しというところなのだけど、何とか頑張りValiantについては追い続け、破綻に至るならその最後まで見届けてやろうじゃないの、と思ってはいる次第です。Valiantを追ってみると決めた頃から漠然と考えていたのだけど、これを追って行くことで一ついいとこ悪いとこ含めたアメリカのコミックの縮図みたいなもんが見えるんじゃないの?っていう期待があったのだけど、ここに来てこういう「悪いとこ」もモロに露出してきたという状況、これはますますValiantから目を離すわけにはいかないところでやんす。いやまあ、今回ちょっと後半悪い話になっちゃったけど、実際にはこの後Jeff LemireとかMatt Kindtみたいないい作家も出てくるわけだしさ。ホントにやんの?とお思いの方も多かろうと思うが、いや、とにかくやる気だけは…、いや!やるであります!こうご期待!

ふえ~い、何とかまとまったか…。いや、実はさる事情での一時中断以前に、「カネと創作物に関する個人的見解」みたいなとこに迷い込み、またあっちこっちに手あたり次第の罵倒をまき散らしていたのですが、何とかの再開にこぎつけたところで、いや、こんなことばかりやっていてはさっぱり進まん、とバッサリ捨て、また戻りそうになったのを再びバッサリ捨て、何とか話をまとめ上げた次第であります。とにかく書かねばならんことは山ほどあるのだ。当分は話が果てしなく逸れて行く罵倒や、お約束のパンチラシーンなどは極力控え、なるべく早く効率的に多くのことを書いていかねばならんのであります。まあ、そんなわけで個人的大事件であった引っ越しも何とか終わり、何とか再開にこぎつけたわけでありますが、え?だからただの引っ越しだよ。いや、別に隠してたわけじゃないけど、引っ越しぐらいで大騒ぎしてんの恥ずかしいじゃん。でもほんとに大変だったんだよー。何しろこんな虚弱な奴が隣の市に引っ越すなんて、冷戦時代のスパイがベルリンの壁を突破するに等しい大作戦!いやよく生き延びたよ…。なんか年明けぐらいにとんとん拍子という感じで話が進んでしまい、え~、じゃあ引っ越すか、ということになり、正月も3日ぐらいからボチボチ部屋の片付けも始めたわけでありますが、いや、さっぱり進まんというわけではないけど、いくらやっても引っ越せる状態にはならん。そんなわけで1月後半ぐらいにはブログを書き続ける余裕もなくなり、もう2月ぐらいになってくるとほとんど家でコミックを読む時間も余力もなくなってしまうという状態。ちなみに初めて書くと思うけど、私は海外のも日本のも問わず、家以外でコミック/マンガを読まない人で、それは読んでるのを人に見られるのが嫌とか言うような理由ではなく、なかなか外では絵と文字という複数の情報が組み合わさったコミックを読むだけの集中力を維持するのが難しく、情報が文字=言葉のみの小説を読む方がはるかに楽だからである。で、小説だって「読まねばならない」ものがいくらでもあるわけだしね。そんなわけで、毎日とにかく仕事には行ってるので小説だけは読めるが、そちらも家に帰ってからは時間も取れず、う~なかなか進まないでやんす~という私的には相当悲惨な状況で、何とか2月22日のゾロ目を狙い、いや、偶然だけど、引っ越しを果たしたわけです。まあ引っ越しまでは、とにかく引っ越しさえ済めば、という感じだったのだけど、いざ荷物を全て運び込んでみると、何とか全部入ったもののもはや身動きとれんほどに家中にぎっちりと押し込まれ、見渡す、というほど視界も効かん状態でどちらを向いても段ボールという状態。にゃんとか机の前に座るスペースを作るまで3日かかりネットがつながったのがそこから更に3日ぐらいだったか。そこからなんとか頑張っての復帰というわけであります。しかしながら今日に至るも部屋から荷物があふれ出したままで自室のドアも閉められず、一体それが片付くのがいつになるのかも見当がつかないという状態。引っ越し前のように期日に追いつめられるというわけではないけど、それでもやんなきゃ終わらないから、帰って体力の許す限りはボチボチ片付けもせねばならんのでその後も少々読書時間が足らないところだが、まあ書く方もずいぶん遅れているのでその辺が消化できるまでにはいくらか以前の状態に復帰できるのではないかと楽観的に考えております。なんかさあ、もういにしえのゲーム倉庫番とスペランカーを足したような状態でさあ。あっちの箱をこっちへとパズルのように移動するのだけど、ブロック(段ボール)をブロック(段ボール)一個分以上の高さに移動しようとすると死ぬの。とまあ前途多難な状態だが、何とかこっちだけでも遅れてる分も含め、早期の正常化を目指すものであります。しかし、そんな厄介極まりないお引っ越しだが、悪いことばかりではない。もはやエッシャーの版画ぐらいに不条理かつシュールな方法で物が詰め込まれていた以前の部屋で行方不明となり、もはや救出をあきらめ神隠しにあったことにしていた数々の書籍マンガが続々と発見されているのだ。中でも映画公開の際に翻訳の出た『ヒストリー・オブ・バイオレンス』!その頃はまだジョン・ワグナーの名もよく知らず、今よりも少々の若気の至りで、クローネンバーグの映画を持ち上げる中で見かける稚拙な言説、「原作よりは~」みたいのに乗せられたまま読んじまったかなあ、みたいなのが気になってここしばらく思いついては捜索していたものが、遂に発掘された!まあクローネンバーグの映画は良かったけどさ、原作読んでない、って公言してて作られたものを単純にそのまま原作と比較して原作を不当に貶めるなんてことに意味ねーんだよ。そんな妄言垂れ流してっからもうアマゾンでホラーやアクションの映画のDVDでも買おうかと思ったらなるべく下にスクロールしてうっかりレビューが目に入らないようにしなければと注意しなければならないほど安い受け売りで映画通を気取るバカぶったバカ共の3流こき下ろしレビューがあふれるんだよ、ってついつい削除したのまで出てきちまったじゃん。そんなわけでこの度出土した『ヒストリー・オブ・バイオレンス』クローネンバーグの読んでないオリジナルコミック版もきちんと再読し、どこかの時点でできれば再評価・復権を図りたいものだなと思っております。というわけで、無事、かどうかは怪しいところだがとにかく復帰いたしました。なんだか4周年のあいさつもグダグダになっておりましたが、ここから心機一転5年目突入ということでペースを上げて楽しいコミックや小説のお話を続けて行く所存でありますので、またよろしくね。

あと下のリストなんすけど、やっぱ現在もはや『Harbinger Wars』関連はほぼ絶版状態で、今年5月にそれぞれのシリーズ全部を収録した『Harbinger Wars Compendium』ってのが出るそうなのでそれだけ載せときました。とにかくまず遅れすぎてんのが悪いんだよ…。ごめん…。


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●Harbinger Wars



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