2016年2月20日土曜日

Point and Shoot -ドゥエイン・スウィアジンスキーCharlie Hardieトリロジー最終作!-

※注意:これはドゥエイン・スウィアジンスキー作Charlie Hardieトリロジー最終作『Point and Shoot』についての感想です。できれば第1作『Fun and Games』、第2作『Hell and Gone』についての感想を先に読んでもらった方が良いのですが、もっと言えばこの三部作はめちゃくちゃ面白い大傑作なので、こんなもの読む前にまっすぐ実物の方をお読みください!

Fun and Games -ドゥエイン・スウィアジンスキーCharlie Hardieトリロジー開幕!-

Hell and Gone -ドゥエイン・スウィアジンスキーCharlie Hardieトリロジー第2作!-

というわけで、遂にCharlie Hardieトリロジー最終作『Point & Shoot』読み終わりました!…のですが、うーむ、本当はこんな面白い本について内容を少しでもバラすような事は書きたくないのだが、ここまでやってしまったのだし仕方ない。もう一度繰り返しますが、何にも知らないでとにかく読んだ方が絶対面白いですよ。ということで今作『Point & Shoot』のさわりだけを少し。また前作『Hell & Gone』のネタバレを含んでしまいますのでご注意ください。


地底の牢獄からの脱出を果たしたCharlie Hardieは、その足で自分をそこに送り込んだ相手への報復に向かう。だが、当の相手から聞かされたのは意外な言葉だった。

「我々のそもそもの目的は、君のその何があってもしぶとく生き残るという才能を見込んで、ある仕事を依頼することだった。話すら聞いてくれない君に対し、あのような処置をとるしかなかったのだ。ここで改めて提案する。我々の仕事を引き受けてくれれば、その後、君と君の家族の安全は保障する。」
Hardieの妻と息子はこの瞬間も常に彼らの監視下にある。Hardieは彼らの申し出を受け入れる。

そして、Hardieの乗り込んだロケットは空高く発射される…。

そして『Point and Shoot』-

「そこは危険だ!今すぐCJを連れて家を離れろ!」
受話器からHardieの元妻Kendraの耳に飛び込んできたのは、ずっと行方知らずになっていた元夫Charlieの声だった。

だが、Kendraは家を離れることはできない。
息子CJからの少し様子のおかしい電話が気になり、慌てて家に帰ったのが4時間前。だが、家にCJの姿は無く、そればかりか何者かにセキュリティシステムを乗っ取られ、見たこともない「家から出るな」という警告が表示されるとともにドアがロックされ、ただ一人自宅に閉じ込められている。
そこへ長い間行方の分からなくなっていた元夫からの電話…。

「今すぐそこから逃げるんだ!」

だが、そこへHardieには聞き覚えのある声が割り込んでくる。
「無駄だ。あんたの家族はそこで死ぬ。そしてあんたにはどうすることもできない。」

しかし、Hardieはその声に向かって言い放つ。

「いや、俺にはできる!」

その3日前-
Hardieは地球を巡る軌道上の人工衛星にいた。
彼が依頼された仕事とは、この誰の手も届かない人工衛星に隠された彼らのもっとも重要な秘密情報をここで守ることだった。その人工衛星の中でただ一人で。だが、その誰の手も届かないはずの衛星に、突如奇妙な揺れが走る…!


というわけで、ここまで!これ以上は口が裂けても言うものか!
…というところなのですが、ここからはこの3部作の構造に関する重大な秘密をバラします。くどいようですが、ここから先は未読の人は絶対読まない方がいいですよ。…って何だろう、こんなにしつこく読むなと言ってるこの珍妙なブログは…。というのも、実はこれって本当に書いてしまっていいのだろうかとちょっと思っているのですよね。もちろんストーリーの内容とかに関することではありませんが、ある意味それに等しい物なのではないかと。これは読んでいるうちに、あっ、と気付き、そうか、まんまとしてやられた、と思うべきものなのですよね。とは言っても前の『Hell & Gone』の感想の中で、これはこうなっている、というような予測を書いてしまったので、その結果を書かないわけにもいかないので。
では覚悟のほどはよろしいでしょうか。

さて、この3部作第2作目の『Hell & Gone』についての感想の中で、「この3部作はそれぞれ違ったジャンルの3作で構成されることになる」と予測を立てたわけですが、それは一応当たっていました。ただし、一部だけ…。(あ、ちなみにそのジャンルについては今回最後に発表します。ここで書くとその方向で話しているうちに内容をバラしてしまう恐れがあるので。)そしてこの3部作の本当の正体はというと、実は3本立て映画だったのです!
例えば、ここではブルース・ウィリスとしましょう。「ブルース・ウィリス主演映画特集3本立て」というのを観に行くわけです。3本ともブルース・ウィリス主演の映画ですが、それぞれ全く違うジャンル、1本目はアクション、2本目はホラーとか。主人公の名前も設定も全然違う。でも主人公は全部ブルース・ウィリス。それじゃあ全部つなげてブルース・ウィリスという人が主人公の話にしちゃえ。というわけで1本目から2本目、2本目から3本目へとつながる話を考え、前のから結構時間が経って少し老けたりハゲが進行しちゃってる、とかいうのにも色々つじつまを合わせて…。という感じでできた「オレ脳内ブルース・ウィリス物語3部作」みたいなほぼ子供の発想をまんまと小説の形でやってのけたのがこのCharlie Hardieトリロジーだったのです!
私がやっと気づいたのは、ほぼ最後に近いあたり。うわっ、そうか!まんまとやられた!このヤローって感じ。そうなると今までの奇妙な設定や違和感の理由もすべてわかってくる。思えば最初からヒントは出ていたのだ。この3部作、常に章の始めに映画のセリフからの引用があり、それが映画の中の役名ではなく役者名で書かれていたのです。
ザマーミロ。テメーは読みが甘いんだよっ。
そんな出鱈目な遊びをやりながらこの3作、それぞれ単体で読んでも読み始めたら止まらないくらいの傑作!全くとんでもない人です。前作を読んで「わかりましたよ!この3部作こうなるんでやんしょ!」と得意顔で私が言ったとしたら、「フフ~ン、なるほどね~」とか言ってあの人相の悪い面でニヤニヤほくそえんでいるスウィアジンスキー氏が見えるようです。まったくいいお客さんになってしまったのだが、それも光栄と思うべきでしょう。本当に心の底から楽しめた大傑作、絶対おススメの3部作です!え?今作あんまりHardieが活躍してないって?どこ見てるんですか。大活躍じゃないですか!

それから、前回の『Hell & Gone』についてはもう一つ。私のこの3部作への考えからの予測で一部違っているところがありました。まあそうなるよね。だって別の映画だもの。これに関しては私の負けです。すみませんでした。今作の内容にかかわるところなので詳しくは書きませんが、読んだ人ならお分かりかと。いや、読んでない人に謝るいわれなどは無い!だから読んでくださいよ。いくらでも謝るから。

しかし、まあ、この3部作本当に楽しく読んで、原書を読むようになってからはずいぶんいい本が色々読めるようになってはいるけど、こんなにわくわくして早く続きを読みたくなるような感じで楽しく読めるような本を読んだのはいつ以来だろうと考えると…あー、割と近い、『The Wheelman』じゃん!そんなわけで私的には、もう小説だろうがコミックだろうが、100パーセント確実に満足させてくれるこのスウィアジンスキー印のものは何が何でも全部読む!、いや読まずにはおくものか!、というところであります。

版元のMulholland Booksについてですが、スウィアジンスキー作品では次作『Canary』が出版され、他にも以前Queen & Countryの時に触れたグレッグ・ルッカのJad Bellシリーズや、ジョー・R・ランズデールのハップ&レナード最新作『Honky Tonk Samurai』といった作品も出版され、このジャンルでは最要注目のパブリッシャーとなってきています。まだ名前の知らないeBookオリジナルあたりの作家についても今後は調べてみようと思っています。

Malholland Books

それでは最後に今作のジャンルについて発表します。最終作である今作はバディ・ムービー!『48時間』とか『ラッシュアワー』みたいなやつ。古典的パターンのギャグとかもあって、1作目よりも更に笑えます。さて、バディ・ムービーとなると当然相棒がいるわけですが、それはなんと…?まあ、これは前2作読んでても絶対当たりませんから!


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●Duane Swierczynski


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