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2014年5月25日日曜日

The Dead Man -連続テレビドラマ風ホラーシリーズ-

The Dead Manとはなんともありがちなタイトルですね。世界中に一体どのくらいのDead Manがいるやら。もしかしたら世界中のDead Manを集めているコレクターの人もいるかも。そんなDead Manマニアの皆さんに朗報!新たなDead Manの登場です!

さて、ではこのDead Man、どういう作品かというと、Lee GoldbergとWilliam Rabkinという二人の作家が企画し、プロデューサーというような立場で、ホラー、ミステリ、SFなど様々なジャンルの作家を招き、1話ごとにそれぞれ個性的なストーリーで続いてゆくテレビドラマのような小説を目指して作られたというものなのです。どんな内容なのかもっと知りたい、という方は下のあらすじを読んでいただきたいのですが、ここで注意!実はこの第1話あらすじは最後まで全部書いてあります。というのはこの第1話がドラマで言えば第1回で、設定という事になっているのでこれを書かないと次に進めないのです。ですのでこの辺までで面白そうだと思った方は飛ばして先に進んでください。

第1話 Face of Evil あらすじ
2011年2月、アメリカ北西部のリゾートで凍結した死体が見つかる。その死体は3か月前雪崩にのまれ行方不明になり死亡したと思われていた男のものだった。警察の死体安置所に運ばれ、溶けるのを待って検死解剖が始まる。だがその時、監察医はその男が蘇生し始めているのに気付く!

男の名は、Matthew Cahill。妻に先立たれ、独り暮らしの彼の日課は毎朝祖父の形見の斧で薪を割ること。そして、トラックで親友のAndyとともに勤め先の製材所に向かって行く。彼の勤める製材所にもリストラの波は押し寄せてきていた。優秀な作業員である彼自身はまだしばらくはその心配はなかったのだが、親友Andyを庇い、自身も解雇されてしまう。先の見通しの立たなくなったMattだが、一旦は忘れ、以前から計画していた同じ製材所に勤める友人以上恋人未満の女性Rachelとのスキー旅行に出掛ける。この旅行をきっかけに二人の仲は急接近して行く。そして、Mattの死も…。

運命の日の前夜、Mattは奇妙な悪夢にうなされる。癌で余命残り少ない妻とともにいるMatt。気が付くとベッドに横たわる妻のそばに見覚えのない奇妙な医師が立っている。医師が手を触れるとそこから美しい妻の身体がみるみる腐り始める。悲鳴を上げるMatt。そして彼はその男が医師ではなく、道化師であることに気付く!

”ぼくらには、この先もっとたくさんのお楽しみが待っているよ、Matt” 

翌日、MattとRacheiの姿はスキー場にあった。スキー上級者であるRachelに遅れながらも楽しく時を過ごすMatt。この先また訪れるかもしれない幸福を予感したとき、突如襲い掛かってきた雪崩にMattは飲み込まれて行く…。

そして3か月後、完全に凍死状態にあったはずのMattは、蘇生し、何事もなかったかのような健康体に戻る。研究対象として興味を寄せる医師たちを振り切り、強引に退院したMattは、Rachelと再会する。

事故から3か月、Mattはすでに死亡したと見做され、葬儀も済み、用意してあった遺言書通り、住んでいた家も親友Andyの手に渡っていた。RachelとともにMattはAndyの許を訪れる。久しぶりに再会した親友の顔を見てMattは驚愕する。Andyの顔には周囲が腐り始めている大穴があいていたのだ!だが、その穴はMattのみにしか見えず、Rachelはもとより、本人Andyすらも気付いていない…。

Andyの様子に不安を覚えながら、MattはRachelと新しい生活を始める。だが、その幸せも長くは続かなかった。食事に出掛けた二人はハンバーガー・ショップで、そこで働くAndyと出会う。Mattの目に映るAndyの顔面はさらに腐食が進んでいた。いたたまれずMattがその場を立ち去った後、Andyは突如狂ったように周囲に陰惨な暴力を振るい始めるのだった…。

一旦は立ち去ったが、不安を感じ店に引き返したMatt。だが惨劇の場からはすでにAndyは姿を消していた。Andyを追うMatt。そして、やっと行方をつきとめたがすでにAndyの暴走を止めることはできず、遂にはMatt自身の手でAndyを殺さざるを得なくなる。

やむを得ず、緊急避難だったとはいえ親友をその手にかけてしまったことで呆然と座り込むMatt。そんな彼の許に事件現場処理中の警官のひとりが歩み寄り、話しかけてくる。奇妙な話しぶりに警官をよく見てみると、その男は夢で出会った道化師だった!Mattの目にしか見えていない様子のその男は自らMr.Darkと名乗る。そしてMr.Darkが近くにいた医師の顔に指を触れると、そこからMattにしか見えない腐食が拡がっていき、そしてその医師もAndy同様突然狂ったように暴れはじめるのだった…。

一連の悲劇の原因が、自らの不可解な蘇生に関係があると確信したMattは、これ以上周りの愛する人を巻き込まないために、そしてその謎を解くために故郷の町を出ることを決意する。果たして彼は何故死から蘇ったのか?そして、Mr.Darkとは何者なのか?

Dead Man、Matt Cahillの旅が始まる!

---第2話へ続く---

ちなみにこちらオムニバスVol.1には続く第2,3話も収録されています。
第2話 Ring of Knives
精神病理学ジャーナル誌で自分と同様の症例を見つけたMattは、その患者が収容されている施設に向かう。だが、着いてみるとその施設は荒廃していた。原因を探るうちにMattは恐ろしい事態に巻き込まれて行く…。
第3話 Hell in Heaven
バイクでハイウェイを当てもなく進んでいたMattは、『天国』と記された出口看板に目を引かれ、その町に立ち寄ってみることにする。歴史から取り残されたようなその町、Heavenのメインストリートには「お帰り!Matt」と書かれた横断幕が掲げられていた…。

第2話はアサイラム物、第3話は田舎町物といったホラージャンルの1話完結のストーリーとして続いていきます。いわゆる放浪型のシリーズで、古くは『逃亡者』、『超人ハルク』、最近では『スーパーナチュラル』あたりが近いのではないでしょうか。1話約100ページぐらいのストーリーで、あまり読むのが早くない私でも1時間物のアメリカのTVドラマのような感じで楽しめました。

Lee Goldbergはハードボイルド系などで多くのベストセラー著作のあるミステリー作家で、TVの脚本も多く手掛けているようです。未読ですが、日本でも『名探偵モンク』シリーズのノベライゼーションが翻訳されているようです。
William Rabkinは『Psych』シリーズでエドガー賞のノミネート経験のあるミステリー作家で、スタジオ・コンサルタントというような形でTVの仕事にも多く関わっているそうです。何をする人なのかよくわからないけど…。
TV業界にも関係の深いこの二人だからこそTVドラマのような小説シリーズを作ろうと考えたのでしょう。思惑通り(かどうかはわからないけど)このシリーズ米Amazon Kindleではなかなかの成功を収めているようです。
このシリーズ、常に二人の名前が表記されているのでわかりにくいのですが、クレジットの順番から見て、第1話がLee Goldberg、第3話がWilliam Rabkinによるものと思われます。
第2話は、James Danielsという人が作者で、二人の知り合いの作家のようですが、今のところ他の著作は見当たりません。自作のハードボイルド小説、Ghost Brideが出版予定とのことです。

こちらのシリーズ1話ごとでも買えるのですが、やはり3話収録のオムニバス版がお得です。21話までがVol.7までにまとめられています。このシリーズ 21話で一旦区切りとなり、現在はReborn(The Dead Man Adventure)が始まっています。こちらは第3シーズンとなるそうで、主人公は女性とか。ということは第2シーズンでも主人公が変わるのかな。Mattはどうなるのでしょう?

このシリーズ、私はKindleハードボイルド・ベストセラー・リストでよく名前を見かけるLee Goldbergから知り、他にも興味を持っている何人かの作家が参加していることから読み始めました。それらの作家の作品も楽しみですが、他にもあまり私には馴染のないジャンルでも面白い作品を書く作家に出会えるのではないかと期待しています。

ちなみにこのシリーズ、TVドラマ風シリーズを目指しているだけあって、なかなか格好いいテーマソングもあります!ホームページ、Amazon内のThe Dead Manページからのどちらからでも聴けるので、ぜひ一度のぞいてみてください。


The Dead Man ホームページ

Amazon.com The Dead Man ページ


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