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2017年12月24日日曜日

グレッグ・ルッカ / Bravo -Jad Bellシリーズ第2作!-

というわけで、グレッグ・ルッカJad Bellシリーズ第2作『Bravo』の登場です。前回も書いたのだけど、こちら結構早く読み終わってたのだけど、前のQueen & Countryの方が遅れて、結果こちらも随分間が空いてしまって申し訳ないっす。
で、まあ前の『Alpha』についてなんだけど、なんかさあすんませんでしたね。いや、私の「予想」なるものが間違ってたとかいうわけじゃないんだけど、ちょっとこれが続きだということばかり力説しちまってさ。まあ普通に読めば誰でもわかるよな、と後で反省してたり。まあ今回はなるべくもうちょっと内容のあるところを書けるように努力いたしますです。つーことで当然前の続きから、めでたく日本からもKindle版も購入できるようになったグレッグ・ルッカ Jad Bellシリーズ第2作『Bravo』であります。

で、まずは第1作『Alpha』のストーリーの続きから。ここからはネタバレです。未読の方はご注意を。でもそれ書かないと先に進めないので。
で、どこまで書いたかな、と一年前以上のを読み返してみると、…なんかお前ずいぶん丁寧に書いてるじゃん、と最近の言葉の乱れにちょっとへこんだり。もう少し気を付けますです。ハイ…。で、前の時はBellがどこからかの情報により、テロの警戒のために潜入していたテーマパークに、元妻と耳の不自由な娘が、聾学校のレジャー旅行で訪れたその日に、案の定テロが勃発するというところまででした。その前のところを詳しく知りたい方は前のを読んでちょ。あ、いや、お読みください…。
計画されたテロは、各所に設置されたセンサーがボツリヌス菌を検知したところから始まる。パーク内からの避難が始まる混乱に乗じ、武装したテログループが潜入。そして避難中の客を人質にする。その中にはBellの娘Athenaを含む聾学校の生徒たちと元妻も含まれていた。そしてパークで手話通訳として働き、生徒たちの案内係として同行していた、テロリストグループのリーダーGabrielの恋人Danaも。グループはパークの着ぐるみを身にまとい正体を隠し、Gabrielは密かにDanaの身を案じる。ボツリヌス菌はフェイクであったことが判明するが、続いてグループから、パーク内にダーティー・ボム-放射能爆弾が仕掛けられていることが宣告される。パーク内に残り、彼らと対するのは、Jad Bell、同じくデルタ・フォースのChaindragger、そして同時に潜入していたCIAの女性局員Nuriの3人のみ!
という感じに話は展開して行き、まあ途中は端折るが、パーク内のBell達とテロリストグループとの攻防、人質とされた元妻Amyと娘Athena、そしてDanaの様子、外では暗躍するUzbekとさらにその背後に控える”名前のない男”、などが交互に描かれて行く。戦闘の末、遂にAthenaを救い出すが、父の兵士としての恐るべき戦いぶりに戦慄する娘を気遣う余裕すら与えられず、逃げ去ったGabrielを追うBell。そして最後の闘いは、前の時ちょっとほのめかしたように、Bellの視点ではなく、Gabrielの視点から描かれる。
Danaにもその正体を知られ、すべてを失い、自分でもほとんど信じていない残された最後の、ここから脱出できるという望みにすがり、ジェットコースターの頂上を目指すGabriel。そこに仕掛けられたダーティーボムを起動させれば、ヘリが自分を救い出してくれるはず。そのGabrielに追いすがる、傷だらけの、手負いの野獣のようなBell。どれほど痛めつけてもあきらめず、逃れることができない。そしてすべての力が尽きる時、Gabrielの頭上にヘリの姿が映る。違う…、あれは報道のヘリだ…。Uzbekの野郎、やっぱり嘘つきだ…。そして、Gabrielは落ちて行く…。
そしてその後に描かれるのはハリウッド・アクション映画のようなハッピーエンドシーンではない。しばらく離れていた元妻と娘の無事を喜び、抱き合い、信頼を取り戻すというようなシーンもない。Bellの任務はまだ終わっていない。テロの援護をしていたパーク内の裏切り者をあぶりだし、そこから入手した情報から、このテロ事件のスポンサーであるテキサスの富豪の男の邸宅を急襲する。男は言う。この国は戦争の最中にあるのだ。大衆も大統領も、そのことが分かっていない。今一度、その事実を目の当たりにさせ、そしてこの国を立て直さなければならないのだ。自分はそのために行動した。そして志を同じくする仲間は大勢いるのだ、と。Bellは男の膝を撃ち抜き、売り手の男、Uzbekの居所の情報を引き出し、そして男を射殺する。
そしてBellとその部隊はウズベキスタン、タシュケントへ飛ぶ。

そして物語は『Bravo』へ!

【あらすじ】

Bellとその部隊は、タシュケントの敵のアジトを急襲する。目的はUzbek-Vosil Tohirの身柄の確保。1階の敵を制圧し、上階へ。一室にVosilと女を発見。ChaingraggerのカービンがVosilを無力化。居合わせた女にBellの銃が向かい、引き金に指がかかったところで女が叫ぶ。

「Biplane! Biplane!」

Biplane…。伝えられていた符牒だ…。

コードネームBlackfriars、本名Petra Nessuno。軍情報部から16か月間に渡りElisabetta Villanovaの偽名でUzbekの組織に潜入していた彼女から、前作『Alpha』のテーマパーク襲撃テロ計画の情報がもたらされたのであった。第2作『Bravo』でBellと並びもう一人の主人公ともいうべき存在になるのが、このPetra Nessuno。そんなわけでこの第2作のカバーは女性なのであります。ちなみに私の読んだ旧ペーパーバック版にはご覧のように男女2人の姿が描かれております。こっちは多分いずれなくなっちゃうのだろうと思われるので、アマゾンからのリンクではなく表示中。

そして更に、この物語では敵の奥深くに潜入したもう一人の女が登場する。

彼女のアメリカでの名前はJordan Webber-Hayden。本当の名前はZoya。”名前のない男”の命を受け、アメリカに偽名で潜入し、その美貌で男女を問わず要人を誘惑し、操り、彼の目的達成のために献身する。彼女は”名前のない男”を「愛する人」と呼び続け絶対の信頼を置いている。それは貧しい境遇から彼女を拾い上げ、教育し、現在の生活を与えてくれた恩からだけではない。
そしてそんな彼女の虜となり、操られ続ける軍情報部の高官”The Soldier”。彼女に執着し、何とか自分だけのものにしたいと渇望する彼は、情報を流し続け、彼女からの頼みを実現しようと奔走する。そして彼女を独占するための最大の障害である”名前のない男”を、そのイメージから”建築家”と名付け、憎悪し続ける。
今作ではその”建築家”が作品中の”名前のない男”の呼称となって行きます。

身柄を確保されたVosilは、ただちにアメリカへと移送、そして厳重なセキュリティーの軍施設に監禁され、尋問が始まる。困難を極め、しかし迅速な情報の引き出しが求められる状況に、既に任務の終わったNessunoも招集される。そして彼女は16か月間Elisabetta Villanovaという人格になり切り愛人として暮らした男の前に再び立つ。

そしてVosilは語りだす。俺は必ずあの男に殺される。奴の手はこの国のかなりの部分にまで入り込み、こんな施設にいても逃れることはできない。俺が求めるのは奴からの完全な保護だ。それができるなら自分の持っている情報を提供しよう。そして、既にもう一つのテロ計画は進行中で、まもなく実行に移される…。

Vosilの言葉通り、”建築家”は彼の抹殺のため動き始める。Zoyaを通じ、”The Soldier”を含む各方面にVosil処分が依頼される。そして遂にZoya自身もその任務を越えて、危険なポジションに動かざるを得なくなった時、彼女の身を案じる”建築家”も自らアメリカの地を踏むこととなる…。


ちょいとハリウッド・アクション的なテイストもあった第1作とは打って変わり、このシリーズ第2作では派手なドンパチは少々後ろに下がり、Nessuno、Zoyaの二人の女性の物語を軸にしつつ、冷酷非情ともいうべき水面下の暗闘が繰り広げられて行きます。その一方で、別れた妻と娘について、Bellの「人間的」な側面も描かれ、デルタ・フォース・チームの面々についても少し掘り下げて語られて行きます。そして今作では遂に、というか意外と早くかもしれないけど、主人公Bellと”建築家”が直接相まみえる展開に!

そして、まあフツーに予想されるように、背景説明も少しアップデートされ、拡大された第2作で見えてきた方向性として、このシリーズの中心テーマとなってくると思われるのは、「アメリカの敵はアメリカ自身ではないのか」ということでしょう。まあこの作品が仮に日本で翻訳されたとしたら、「9.11後のうんたらかんたら」とか、場合によってはさらにさかのぼり、「冷戦構造崩壊後のうんたらかんたら」で始まるようなおなじみ時事解説風の解説なんかが付けられるところなんでやんしょ。しかしね、まずそこに釘を刺しときたいのは、別にルッカはアメリカに「敵」がいなくなったから「アメリカ」を敵に持ってきたわけではない、ということである。そしてその「敵」であるアメリカというのが、何か陰謀説めいたものであったり、利益を追求する軍産複合体というものではなく、具体的であれ仮想状態であれ、「敵」である国家・地域・民族に対し、あらゆる側面で「強国」であることのみにより自国のポジションが守られるという、結果的にトランプを大統領に押し上げたアメリカ国内の空気のようなものであろう。もはや敵には「ルール」などは通用せず、場合によっては和平交渉を行える国家すら存在せず、やられる前に完全に敵を破壊しなければならないというパラノイア。それは単にアメリカだけのものでなく政権交代など以前に総理大臣の選択が一択しかないと思い込む日本でも同様のものであり、さらに多くの国でも起こっている空気なのだろう。リアルな国際情勢にコミットする『Queen & Country』の後、ルッカが次に新たなシリーズのテーマと定めたのがこの空気なのだろう。リアルな国際情勢に照らし合わせ作品を作る作家なら、例えば冷戦時対共産主義における中東政策、中南米政策とそれがもたらした結果という形でも明らかな、アメリカの国際政策の中の「敵」に対するパラノイアについて考えざるを得ないものだろう。そしてこの同じものでもありまた別の側面も持ちながら、更に各層に拡大するパラノイアはいつか国家や世界をも飲み込むものかもしれない。これはリアルな世界の動きからの「現実」にとらわれすぎることなく、更に想像力を拡げられる、ルッカのような作家だからこそ現在の世界を舞台にして描ける「スケールの大きい」物語なのだろう。
ここでくどいようだがもう一度、このシリーズの構造について言っておくのだが、まあ割と最近になって気付いたのだけど、これはコミックのライターでもあるルッカがコミックの方法論を応用したものである。つまりコミックというのは大抵の場合は1号24ページとかの分載という形を余儀なくされる物であり、またそれがたとえ4~5回分をまとめたTPBという形になったとしても、大きな物語の背景説明までするには到底足りない。ではどうするか?まず限定された部分的な情報のみで構成される、目を惹く派手なエピソードで始め、読者を引き付けつつ物語を徐々に大きくして行くのである。同様の手法が、少し前にお伝えしたようにアマゾンでのシリーズ化も進行中の『Lazarus』でも使われてるので気付いたんだけど。それがこのJad Bellシリーズ第1作『Alpha』で、続く第2作『Bravo』。つまり物語はまだまだ隠されている部分が多く、更に拡大されるということである。
そして、このシリーズではそういった大きく、ある意味では曖昧に見えるかもしれないテーマを持ってきたルッカである。現在のところはまだ限られた情報のみで、輪郭とその前を走り回るキャラクターしか見えないかもしれないが、この土台の上に物語は確実に更なる深みを持ち、構築されて行く。政府の高官や資産家たちがその「愛国心」から国内で偽のテロ攻撃を計画する、という展開を早々に「荒唐無稽」と切り捨てて見せたい気取り屋もいるだろうが、そんな輩はとっとと降りていただいて結構。物語終盤ではさらに大きく陰謀めいたこの先につながると予想される展開もほのめかされるが、今作で最も重要と思われるのは、短い直接対決シーンで”建築家”がBellにほのめかす彼自身の正体についてだろう。まだそこについては何の予想もあるわけではないのだけど、その正体が明かされた時、このJad Bellシリーズはその様相を変え、真の姿を現すのではないか、と予想するところであります。
そしてこの主人公Jad Bell。別れた妻と娘の身を案じながらも、結局大したことはできない普通の中年男の側面を持ちながら、いざとなれば冷徹な戦闘機械になり切れる男。この男についても語られていない部分はまだ多いように思える。新たに登場し、まあ予想通りに急接近したNessunoとの関係も含め今後の展開には大いに期待したいところ。またこの主人公が、ジャーナリストであったりフリーランスの外部の人間ではなく、軍の人間であり作戦行動として物語が展開することから、この「敵」を曖昧で巨大な手に負えないものとして終わらせるのではなく、「アメリカ」の手で解決する物語として描くのだというルッカの意図を表しているのではないかとも思うのですよね。
ちょいとまた先回りしすぎて慎重モードで語りすぎたかもしれないんだけど、この『Bravo』、私的にはもう文句なしに100%完全に楽しく読めた作品でした。なんか大き目で読み難いサイズのペーパーバックをしばらく持ち歩き、みたいな感じだったのだけど、なんだかそれほど長く読んでた感じもしなかった。とは言え、どうやったって連続している進行中のシリーズの中の一つの作品を、単独で評価するってのは難しいのだけどさ、一作目からもたらされた期待を裏切らず、続くシリーズへの期待を高めるシリーズ第二作であった、というぐらいのことは言っときましょうか。まあいっつも日本で翻訳なんか出したってしょうがねえ、とか悪態をついちまうのだけど、やっぱりいい本は翻訳とかもされてなるべく多くの人に読まれるべきなのでしょう。このJad Bellシリーズももしかしたらどっかがこれから翻訳しようとしているのかもしれないけど、なんかいい本を全力で勧めようという気もないなあなあ空気読みばかりの「読書のプロ」どもに雑に扱われ、すぐれた作品を見出したいなんて意思もなくてめえが通ぶって格好つけることしか考えてない劣化甚だしい「冒険小説」周辺の、時事解説風のまとめがあって初めて自分が何か読んだ気になるスケール小さいクレーマーや、毎度おなじみ○○の一つ覚え「マーク・グリーニーに比べれば」にこき下ろされて1作だけで引っ込めるようなら意味ないよ。出すんだったら最後まできちんと付き合うべし!つってももう日本にそんな出版社無いのかもね。やっぱそんなもんには期待しないで、せっかくKindle版も買えるようになり手に入りやすくなったことだし、ちょいと頑張って原書で読みましょうや。
さてそんなグレッグ・ルッカJad Bellシリーズなのだが、続く第3作についてはまだその発売時期についてもアナウンス無し…。しかし!と思っていたら先日アマゾンで「Greg Rucka Jad Bell」で検索をかけてみたら、2017年9月発売予定で第3作『Gamma』を画像なし現在品切れです状態で発見!察するところ発売予定で商品情報だけは作ったもののまだ作品も完成せず、無期限延期状態というところなのだろう。第2作以後、トランプ政権も誕生し、ツイッターを見ても常にトランプ政権には批判的なルッカだけに作品の構想も変化したのかもしれない。しかし、未定ではあるだけで、続きの書かれることははっきり決まっているのだ。何とか来年2018年には出るのではないかな?出たら今度はホントの最新刊ですぐ読むであります。必ずや!


【その他おしらせの類】
あのドゥエイン・スウィアジンスキーが映画『ワイルドスピード』シリーズの脚本家クリス・モーガンと共同脚本でダン・シモンズの『ダーウィンの剃刀』をTVシリーズ化進行中。これはどうもスウィアジンスキーが共同脚本として呼ばれたというものでなく、むしろ業界に強いクリス・モーガンの力を借りてプロットを売り込んだというスウィアジンスキー主導のものらしい。放送は大手ネットワークNBCということで日本にも入ってきやすそうで期待も高まるところ。『ダーウィンの剃刀』については未読なのでなるべく早いうちに読んどかねば。なんか日本ではダン・シモンズは『エンディミオン』とかみたいなSFだけ書いてればよいとする偏狭な輩の感想が見つかりそうで、評判については一切知らんけど、スウィアジンスキーがやりたいって言ってんだからきっと面白いんだろ。

そしてもう一つもスウィアジンスキーなのだけど、かのジェイムズ・パタースンのBookShotsから新たに新刊『Stingrays』を発売、って6月、半年前の話じゃん…。パタやんのBookShotsには新たにPolis BooksからAsh McKennaシリーズを出しているRob Hartも参戦し『Scott Free』が発売中。で、なんでこのBookShotsにそんなにこだわっているかというと、これらの作品カバーにはWithという形で作家名は記載されているが、版権はすべてパタースンのみのもの。世間的には不死身のベストセラー・サイボーグと信じられているパタースンだが、ここだけの話だが実は生身の人間で、いつかはその命が尽きる可能性もある。そうなった場合これらの明らかにパタやん本人の手によるものでない作品はことによるとパタ作品リストからも、また版権を所持していない作家の作品リストからも外され、せっかくのすぐれた作家の作品が永久に失われるということもあるかもしれない、という気の長い危惧をしていたりもするのである。まあそんな心配は置いといても、せっかくいい作家の作品が割とお手軽に手に入るのだから放っておく手はないっしょ。まあ自分の方でお知らせするのは自分の興味のある作家だけなので、もっと広く読みたい方は自分で色々と探してみてください。もう結構大量に出ているBookShots作品を調べるには、各種出ているBookShotsアプリがおススメ。ちゃんとアカウントを作っておけば、定期的にパタやんからの新刊お知らせメールも届くぞ。もちろん毎回ジェイムズ・パタースンからであると明記されて送られてくるこれらのメールがパタやん本人からのものであることは疑ったこともない。ハハハ何を言ってるんだね。世界中にお知らせメールを送るなど造作もないこと。何しろ相手はあの無敵の不死身ベストセラー・サイボーグ、ジェイムズ・パタースンなのだぞ。あっ、実はスウィアジンスキーのBookShots一冊読み終わってるのだけど、色々遅れててなかなか書けないので、しょうがないのでそのうちまとめてやりますです。

というわけで、どうかね、本人も含む大方の予想を裏切り年内に間に合ったぞ!しかもクリスマス・イヴ当日に。だって何の予定もないんだもん…。まあ結局3週かかっていて威張るほどの要素は全くないのですがね…。ちょっと他にやりたいことも思いついていたりもするので、もっと気合を入れなければと思っているところであります。まあ年末正月も、寒いのでなるべく外に出ない、ぐらいの予定しかないのでここからまた頑張る予定ですが、さすがに年内最後になるかと思いますのでちょいとまとめ的なことも。年末ということであちこちで今年のベスト的なものもやってるところですが、先日ドン・ウィンズロウが僕の本選んでくれてありがとう、って言ってたのが、割と一般的というか来年とかもう少し先に翻訳出るかもよ、っていうのが並んでた感じだったりするのでちょっと紹介しときます。[Literary Hub:The Best Reviewed Books of 2017:Mystery & Crime] Literary Hubってところも初めて知ったのですが、面白そうなところなのでこれからはチェックせねば。ちょっとまだよくわからないのだけど、こちらLiterary Hub内のBook Markってところにあって、他に本体のLiterary Hubの方にもThe Best Crime Books of 2017というのがあって、そちらではもっと数も多くて日本の横山秀夫、湊かなえの本なども選ばれています。しかし今年はウィンズロウの『The Force』やハミルトンのニック・メイソンの続きぐらいは翻訳出るのかと思ったけど全然出なかったね。ウィンズロウは来年『ザ・カルテル』の続き出ちゃうんだけどどうなるのかなあ。あとウィンズロウが昨年発売前からかなり入れ込んで推してたメグ・ガーディナーの『UNSUB』絶対翻訳出るだろうと思ってたのだけど来年なのでしょうか?なんかTVシリーズか映画かどっちかになる予定とかも聞いたのでそれ待ちなのでしょうか。何しろウィンズロウがこれ読まないやつはバカだぐらいの勢いで推してるので、翻訳出たなら必ず読もうと思ってるのですが。あとJoe Ideの『IQ』シリーズとか日本で出したら売れそうなんじゃないの、と思うのだけど。あんまり自分的には優先度高くないかと思ってたら、「bridges the gap between Sherlock Holmes and Elmore Leonard」なんてレビューもあるのでもう少し気にしてみようか。この辺ってもしかしたら年末恒例のアレの隠し玉ってとこに載ってるのかもしれないけど、金曜の帰りそろそろ買おうかなと思って本屋に寄ったらすごい列出来てて面倒だったのでやめちゃったのでわかりません。どうせ読んでも文句しか出てこないだろうし、立ち読みでその辺だけ見ればいいかな。個人的には今年のベストでおススメは、お馴染み英国犯罪小説界のドンPaul D. Brazill大将のFIVE CRIME FICTION FAVOURITES FROM 2017.です。うわー、早く読みてえ。しかし映画とか全然チェックする余裕なかった間に『ドッグ・イート・ドッグ』の映画とか出てたんだ…。ハプレナも早く観たいし…。わーもーブログやめるー、ぶー。いやまあ…また頑張るです…。では楽しいクリスマスと良いお年をね。オレに言われたってありがたくもなんともねーだろーけどさっ。何の予定もないからって最後にすねるなよ…。ではまたね。

【追記】
本日(12/28)本日仕事納め(大掃除の役には立たんので半日!)で帰りに年末のアレを買った(ちゃんと買ったよ!)ので追加報告を。えーと、どこにも『UNSUB』が無いのだけど…ホントに出ないの?当方、そっちまでは今んところ手が回んないのだけど…。何しろ昨年せっかく出たのに続きをぶん投げられたクリス・ホルム、C・B・マッケンジー、トム・ボウマン、あとオーファンXの続きとか来年こそは読まねばと思っているのだし。頼むよ…。それからウィンズロウ『The Force』はハーパーから?と思ったら、本国の方でHarperCollinsに移籍したようですね。Vintage/Black Lizardもかなりジリ貧っぽいしなあ…。多分『ザ・カルテル』の続きも再来年ぐらいにハーパーからになるのかな?で、本国HarperCollinsってどんなの出してんのかな?とざっと見てみたところ、なんかJason Millerって人の「Slim in Little Egypt」シリーズっていうのが面白そう。もっとよく調べてみたらKindleでプロモーション用の短編『The Hunger Angels: A Slim in Little Egypt Short Story (Slim in Little Egypt Mystery)』っていうのが無料で出ていました。気になるのですぐに読むつもりなので、もしすげー面白かったら次々回ぐらいからハーパーは何であれを出さないんだよ、って苦情を言い始めるかもしれません。それからジョー・イデの『IQ』は早川から出るそうで良かったですね。自分的にすぐに読めるかはわかんないけど、好きな人も多いと思うので盛り上げてください。今年は2作目も出てるしね。…と思っていたら、その早川があのエイドリアン・マッキンティを最悪の売り方で出そうとしていることが判明…。もうよっぽどのバカしかいないのか、一作だけ話題性で売るだけ売れば続きはぶん投げても構わないと思ってるのか…。ここに出てるんだから来年早々には出てくるのだろうし、それまでには少しでも空気を悪くしておかねば、とはせ参じたわけです。はっきり言っとくがなあ!せっかく優れていると思った本を褒めたのに、それが仇になり、そのジャンルの作品でないことを理由に優れた作品を不当に低く評価するような国の人間にミステリなんて読む資格はねえんだよっ!まあこちらとしては購入時に帯を破り捨て、場合によっては解説も無視して、優れているに決まってる本編だけを楽しく読むだけです。マッキンティの作品ですから優れているにきまってますから。それがたとえ「本格密室ミステリ」だったとしてもね。早川は順次刊行と言ってるのだから、それがどんなに「ミステリ通」どもにこき下ろされても責任持って出し続けるように!順次刊行というのは一作目の後しばらくして二作目だけ出して終わりというのではないからね!Sean Duffyはもう6冊出てるのだからね!以上追記でしたー。



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