2016年8月18日木曜日

幻のカルト・ホラー・ムービーをノベライズ?Grind Pulp Press グラインドハウス100円デジトラッシュシリーズ!

夏休み特集!…いや、また珍妙なことを考えているわけではないのですが、実はこれ少し前からやろうと思っていたのだけど、どうもここのところ自分的にやらねば!ということが多くてなかなか間に入れられなくて。そんなわけで、まあ夏休み特集という名目で無理やり押し込んでみたのでした。ほら、お盆で少年ジャンプとかもお休みだし、今週は見たこともない少年ブラックホールってゆーのを読んでみるかな、という感じで。

というわけで、このアメリカGrind Pulp Press発行のGrindhouse 100 \en Degi-Trashシリーズです。100円デジトラッシュという名前の通り、Kindle版は日本円でも100円で売られていて、日本のみんなも読んでね!、ってことなのだろうけど(中身は英語)、生憎まだ日本のアマゾンにはレビューも無し、という状態なので、ここはひとつ私がその心意気を買って宣伝しようではないか、と立ち上がったわけです。
この100円デジトラッシュシリーズ、現在のところ『Japan Of The Dead』と『Reefer Snakes!』の2冊が刊行中。今回はその2冊と関連情報についてお伝えいたします。


■Japan Of The Dead -Mutant Blood Zone-
  /Thurman Gallows


まずはこちらの作品『Japan Of The Dead』から。こちらは日本製のホラー・ムービーだそうです。監督はリウキコウという人で、主にAVを作っていた人ということ。制作年代などについては書かれていなかったのですが、登場する女子高生がルーズソックスを着用しているので、その辺の時代かと。また、この作品ビデオでベータマックス版のみしか発売されなかったということで、かなり見ている人も少ないカルト・ムービーだそうです。現在はウクライナのMP3ディストリビューターが権利を保有しているそうで、その許可を得てノベライズされたのがこの作品ということです。

【あらすじ】
彼はあの事故で避難してきた人々とともに、高校のカフェテリアにいた。山上の原子力発電所のメルトダウン。そしてこの高校はその隔離地帯にある。彼の名は斉藤順一。斉藤は周囲の人々の目がためらいがちに自分をうかがっているのに気づいていた。そして、その理由も。彼こそがあの原子力発電所をシャットダウンできる唯一の人物だからだ。

斉藤は悩んでいた。自分がやらなければならないことはわかっている。そして、生きて帰る見込みのないことも。原子力発電所にたどり着くまでには、放射能により変化した恐るべきミュータントがあふれる地帯を通り抜けなければならない。そして、シャットダウンは一人だけではできないのだ…。

斉藤は集まった人たちにそのことを告げる。「シャットダウンにはもう一人の手が必要だ。誰か俺に同行してくれる者はいないか?」集まった人々はうつむき黙り込む。その中で一つの声が上がる。「私が行く。」声の主は背の高い高校の制服姿の少女だった…。

翌朝、避難していた人々は隔離地域の外へ向かって出発する。斉藤は何かと自分に気を遣ってくれた景子さんに別れを告げ、少女と二人、反対方向の原子力発電所を目指し、歩き始める…。

危険地帯に入る前に、彼らは武器を調達すべく刀剣店に立ち寄る。少女はためらいなく、自分の背丈ほどの長剣を手に取る。「もう少し短い方が扱いやすいだろう。」「いえ…、これよ。」その刀には一千万の値が書かれていた。「ベルト・ストラップも必要だろう。」「あなたはどうするの?」何も手に取らず店を出ようとする斉藤に少女が問う。「俺にはこれがある。」斉藤はジャケットの後ろからゴールドプレートの.357マグナムを抜き出して見せた。「斉藤さん。あなたヤクザなのね?」斉藤は自分の全身を覆う刺青を思いながら答える。「そうだ。」

そして二人は恐るべきミュータントのあふれる危険地帯へと歩き出す。山上の原子力発電所を目指し…。


作者は本の方ではThurman Galloesとなっているのですが、アマゾンの方ではこのGrind Pulp Pressの主催者と思われるAndrew Crevierの名前になっているので、多分Crevier氏のペンネームと思われます。会話のあちこちに日本語が挟まれ、挨拶の言葉をいくつか教わった来日した外タレのような感じで日本感を現しているところから、Crevierさんは日本での滞在経験があるか、日本語会話のテキストを持っているのでしょうね。
物語はこの後、ミュータントとの死闘、そしてAVっぽいセックスシーンを挟み、更なるミュータントとの死闘と続き、最後には驚愕の結末が!

そしてその後についての情報ですが、監督のリウキコウ氏については2004年に高田馬場の駅のプラットフォームから転落し、亡くなられたそうです。この作品以来の新作ホラー映画の製作の話も進んでいたさなかということで残念なことです。また、非公式の続編として『Japan Of The Dead 2』がスペインで製作され、ビデオのみでリリースされたようですが、そちらについての詳しい内容などは書かれていませんでした。

この映画、及び監督リウキコウ氏についてはもっと情報がないかと色々調べてみたのですが、やはりかなり人に知られていない作品ゆえに何の情報も得られませんでした。ただ、様々に検索してみたところ、唯一それのものと思われる画像が見つかりました。掲載されていたのは多分ロシア語と思われるサイトで、自分には内容を読むことはできませんでした。また、画像だけはダウンロードさせてもらったものの、うっかりブックマークを忘れて、以来どう探してもたどり着くことができませんでした。不手際で申し訳ありません。以下がその画像です。




日本語で書かれたタイトルと、もう一つの別名がサブタイトル的に入っていることからこの映画について描かれたものと推測されます。どのような目的で描かれ、どのように使用されたのかは全く不明です。ちなみに右のがタイトル,文字のないバージョン。さして上手い画とも思われませんが、もしかしたらGWぐらいから時間のある時にちまちまと一か月半ぐらいかかって一生懸命描いたというようなものかもしれないので、その辺は勘弁してあげてください。


■Reefer Snakes!
  /Jay Requard


続いてのグラインドハウス100円デジトラッシュシリーズ第2弾は『Reefer Snakes!』という作品。こちらはボリウッド映画の隠れたカルト・ホラー・ムービーをノベライズしたものです。監督はGungham Rehnamanという人。こちらもはっきりした制作年などは不明ですが、1980年代の作品のようです。相変わらず歴史関係に疎く、いつの時代の物語なのかよくわからんが、と思いつつ読んだのですが、Amazonの解説には「剣とサンダルのアドベンチャー」と書かれているのでインド版のそういう感じのファンタジー的なものという解釈で大丈夫ではないかと思います。

【あらすじ】
隊長の号令が鳴り響き、Jishnuは他の傭兵メンバーともどもに売春宿から飛び出す。彼らを整列させるのは部隊の副長であるJishnuの役目である。そして傭兵部隊"Grinders"は城下町の民を威圧しながら王宮へと向かう。

王宮でGrindersは王Palakaに謁見する。衰弱し、かつての統治者の面影もない王Palakaの姿にJishnuは愕然とする。そんな王に代わって執務を担当する執政Chandrapatiから傭兵部隊に指令が下される。「Charas村からの使者の告げるところでは、村が妖蛇Nagaどもの攻撃に遭っているということである。ただちに征伐に向かえ。さすれば申し分のない報酬が得られるであろう。」

そしてGrindersは王宮から与えられた馬車を駆り、Charas村へと向かう。
しかし、到着した彼らが見たものは思いもよらぬ光景だった…。


作者Jay Requardは主にファンタジー、ホラーの方面で色々なアンソロジーに作品を発表し、今年3月にManwe the Pantherというファンタジーのシリーズを始めたところらしい。と思っていたら、ここのところ私がずいぶん騒いでいるおなじみDown & Out Booksの最新(2016/8/15発売)のカントリー・ミュージックテーマのアンソロジー『Mama Tried (Crime Fiction Inspired By Outlaw Country Music Book 1)』にEric BeetnerやLes Edgertonなんかとも名前を並べて参加しています。どこにどういう作家がいるかわからないものですね。
物語はその後、思いがけぬ展開を見せ、そして最後はボリウッド・ムービーっぽい結末へ。

この作品の監督Gungham Rehnamanについてですが、デビュー作のロマンチック・コメディ『She Like It』は批評家に高く評価されたものの、その後1979年の内容は明らかにされていないセックスがらみの事件で逮捕されてから失墜が始まり、その後少年ギャングたちの争いに巻き込まれスタジオは消失、過去の作品もすべて失われ、酒とドラッグにおぼれる生活に堕ち、1980年代の半ばにはいくつかのエクスプロイテーション映画を手掛けますが、この作品を含む多くは検閲により変更されるか上映禁止となっているということです。
こちらの作品、監督についても調査は試みたのですが、残念ながらこちらについては何の成果も得られませんでした。


現在までに2作発行中のグラインドハウス100円デジトラッシュシリーズについて紹介してきたのですが、第1作『Japan Of The Dead』が2014年1月発行、第2作『Reefer Snakes!』が2015年7月発行の後、現在に至るまで何の音沙汰もありません。1~2作の間隔も随分長いので企画中とも考えられるのですが、版元Grind Pulp Pressからは他にAndrew Crevierの作品が2作出ているのですが、そのうちのメキシコのルチャリブレのマスクレスラーSanto Diabloがモンスターと闘うというシリーズらしい『Blood Omen Saga』シリーズが4部作の予定で、春先には4部揃っているのを見た気がするのだけど現在1作のみしか見つからなかったりと、ちょっと心配な感じ。なんとなくホームページも放置気味だし。しかし、そちらのメンバーによるGrind Pulp Podcastは月1回のペースで配信は続いているし、完全に放棄してしまったというものではないのでしょう。せっかく100¥en Digi-Trashと銘打たれ、日本に向けても発信されているのですから、ここはひとつみんなで100円を投資することで応援し、Crevierさんにこの大変有意義なプロジェクトを再開してもらい、誰も知らない「幻のカルト・ホラー・ムービー」を発掘してもらおうではありませんか!

Grind Pulp Press


【お知らせ】
ここで久々のThe Destroyer情報です。現在Sphere版のシリーズの一部が25~50%OFFぐらいで日本では通常400円台のが2~300円台で発売中です。The Destroyerについては、以前Gere Donovan Press版が日本から買えなくなって困っていたらSphere版が見つかりました、みたいな感じで書いたのですが(デストロイヤー再発見!)、その時はあまりわかってなくていい加減に書いてしまったのですが、ここで両者の違いを少し。
右のがGere Donovan Press版。現在はまた日本からでも買えるようになっています。両者の違いはGere Donovan Pressがアメリカのもので、Sphereがイギリスのものというだけ。特に内容には変わりはないと思います。価格はGere Donovan Press版の方が299円とかで安いです。現在Sphere版は多分もう全巻ぐらい出ているけどGere Donovan Press版は最初の十数巻と最後の151巻ぐらい。で、Gere Donovan Press版が今後続きが出るかというとちょっと難しいかもしれない。なぜかというとGere Donovan Pressはパブリッシャー全体の方針かはわからないのだけど、少なくともThe Destroyerに関してはBarnes & Nobleの電子書籍NOOKでの販売をメインにしているようだからです。きちんと確認はしていないのだけど、NOOK版ではGere Donovan PressのThe Destroyerは全巻出ているようです。このような事情なので、Gere Donovan Pressの方針が変わらない限りこれ以上のThe Destroyerが日本からでも買える形で出るのを期待するのは難しいのではと思うわけです。ならばNOOKで、と思うとNOOKのアプリは日本のショップでは出てなかったりという状態。こんなわけで、Gere Donovan Press版が復活しても日本からThe Destroyerを読むならイギリスのSphere版にした方が良いのではないかなというところです。本当は私もGere Donovan Press版のカバーの方が好きだったりもするのですが。ちなみに『The Day Remo Died (The Destroyer Book 0)』という後に書かれたThe Destroyerの前日譚となる中編はGere Donovan Press版でしか出ていないので、また何かの事情で買えなくなる前に入手しておくことをお勧めします。また、The Destroyerシリーズはシリーズ名を入れてアマゾンで検索できますが、まず米版のGere Donovan Press版が出てまたしばらく後18ページとかそのくらいでSphere版が出てくるぐらいなので、根気よく見てください。それにしても151巻ものシリーズがイギリス版でも全巻出るというのを見ると、やはり英米ではずいぶん人気があったシリーズなのだなと思います。ちなみに死刑執行人マック・ボランシリーズも2種類ぐらい見たことがあるので同様の状況かもしれません。いや、詳しく調べてそちらも読みたくなると収拾がつかなくなるのが怖いのでよく調べていないのですが。The Destroyerシリーズについては、自分の方ではやっと9巻までというところなのですが、何とか未訳のところまでたどり着いた暁には本格的にやって行く予定ですので、もうしばらくお待ちください。


■Grindhouse 100¥EN Digi-Trashシリーズ


■その他のGrind Pulp Press作品


■Jay Requard


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