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2015年1月3日土曜日

2000AD 2014年春期 [Prog1874-1887](前編)

あけましておめでとうございます…えー、あまり晴れ晴れと言える感じではありませんがとりあえず…。疲れと元来寒さに弱い体質から12月は体調を崩しながらヨレヨレでほとんどブログは休みになってしまい、延々と引っ張っているうちにとうとう年も開けてしまいました。2014年春期2000ADです。11月ごろから休みがちでいろいろ押してずいぶん遅れてしまっているのですが、自分的には週1冊ペースで遅れながらも順調には読めているので、なんとか次回で取り戻そうかと思いつつ…。
今期は早く終わったり途中から始まったりというのが色々あって、少し複雑になっていて、やたら長くなってしまいそうなので前後編2回に分けることにしました。今期のラインナップは以下の通りです。

 Judge Dredd
 Sinister Dexter [Prog1874-1879]
 Jaegir [Prog1874-1879]
 Outlier [Prog1874-1883]
 Slaine [Prog1874-1886]
 Indigo Prime [Prog1880-1887]
 Grey Area [Prog1884-1888]



Judge Dredd

 1. Mega-City Confidential : John Wagner/Colin Macnel(Part1-5)
 2. Shooters Night : John Wagner/John McCrea(Part1-4)
 3. Traumatown : Michael Carroll/Nick Percival(Part1-5)

1 Justice DepertmentのSection7に勤務するErikaは、その部署の仕事の社会的な問題性に疑問を抱き、悩み、遂にそのデータを持ち出し公開を図ろうとする。DreddらJudgeの手により事前に阻止されたかに見えたが、実はすでにマスコミの手に渡っており、別のCityからの衛星放送という形でMega-City Oneに公開される。その内容はChaos Dayの破壊から再開発された居住区の各部屋に隠しカメラがあらかじめ設置され住人たちの様子がモニターされているというものだった…。
2 あるクラブで起きた少年による無差別乱射事件の背景を調べるうち、DreddはChaos Dayによって精神科セラピーが中断された少年たちが危険人物によって組織、洗脳され、そのグループによる大規模な無差別殺人計画が謀られ、実行日が迫っていることに気付く…。
3 Mega-City Oneのセレブリティ襲撃事件の犯人を追いChaos Day以後まだ手が付けられていない地域に入ったDredd達。Dreddは犯人と思われる女性を発見し追跡するが、その姿を見たのは彼だけだった。同様の幻覚と思われる事態が続き、Dreddは病院での治療を指示される。だが治療を終えた後も幻覚は続き、今度は近くにいたテレパス能力を持つ女性Judgeにもその幻覚が見えるようになる。次第に恐ろしい幻覚がDreddを中心に拡がり、Cityをパニックに陥れて行く…。

1、2は久々のJohn WagnerによるJudge Dredd。といってもこのレポートを初めて半年で初めてなので、少なくとも半年以上ということになります。1はいかにもWagnerらしい問題作。この事件におけるDreddの立場は当初からこれが公になればかなりの問題を引き起こすと思いながら、この作品世界ではこれは違法行為ではなく、適正に運用されれば治安維持に有効であるということで肯定も否定もしておらず、公表された結果の事態を考え阻止に努めるというもの。Judge Dreddの産みの親のひとりでもあるJohn Wagnerは、最初からこの警察と判事を兼ねたJudgeにようr警察国家という設定の危うさに気付いており、度々このような問題提起をして、その中でDreddが何を考えどう行動するかを描くことで、ともすればロボットのようになってしまうこの主人公を立体的で魅力あるキャラクターに創造して行っているように思います。
3はNick Percivalの描線を使わないタイプのリアルでグロテスクな画がホラー風味を盛り上げる迫力のある作品でした。


Sinister Dexter/Gunshy

 Dan Abnet/Smudge
こちらの作品については2014年初めのProg2014にワンショットが掲載されていてそこで少し触れました。証人保護プログラムから脱走し、放置しておけばこの宇宙を破壊してしまう男Tanenbaumを倒しに向かうSinsterとDexterプラス2人の美女(Dexterの妻とSinisterの元証人保護プログラム担当官)は武器を調達し車のトランクに満載し目的地へ向かって旅を続ける途中の田舎町でカルトとギャングの2大勢力の抗争に巻き込まれてしまう。
Prog2014からまた作画が変わり、今度はモノクロの少し古い感じのアクション・コミック調ですが、今回の展開にはマッチした感じ。単行本として出ている過去作のカバー画などを見ても、この作品は回ごとに大きく絵柄の違うアーティストを起用して行くのが特徴のようです。今シーズンは6話ですが、次シーズンにも4話で登場しています。好きなシリーズなのでこうやって度々登場してくれるのは嬉しいところ。


Jaegir/Storigoi

 Gordon Rennie/Simon Colby
SFミリタリーアクションの新シリーズ。Nordlandの戦争犯罪捜査官Atalia Jaegir大尉は敵勢力Southerが使用した細菌兵器Strigoiにより理性を失った野獣と化した兵士の抹殺を指令される。その対象はかつての戦友で一度は関係を持った男だった。Jaegirは自らが幼少時代を過ごした居城に男の妻子を保護し、男の襲来を待ち受ける…。
Storigoiの感染の最終段階は食い止められたものの、その影響で登場人物の多くは身体の一部が変形していて、主人公のクールで寡黙な女性大尉Jaegirも顔の左側面にそのあとを残しているキャラクターです。主に回想による主人公Jaegirの内面とハードなアクションが交錯する今期一番の注目作。当初ミニシリーズとして企画されたようですが、公表を受けシリーズ化され、次シーズンにも登場しています。この作品は全6回が1冊にまとめられ、『Brass Sun』と同じ形式で発売されKindleと2000ADのデジタル/アプリショップでも販売され単体で読むことができます。ちなみにこの作品は2000ADに長く掲載されている『Rogue Trooper』の舞台となっているNu-Earthと世界を同じくするスピンオフ的な作品のようです。そういう事情でまたしても設定上少しわかりにくいところがあったのですが、『Rogue Trooper』に関しては昨年2000ADのアプリショップでセールがあって買い込んでおいたのでその辺についてもいずれ解明して行きたいと思っております。



Outlier

T. C. Eglington/Karl Richardson
こちらもJagairと同じく新シリーズ。私立探偵であるCarcerはある富豪の殺人事件の捜査を依頼される。記録映像には謎の黒い襲撃者の姿が残されていた。調査を進めるうち、事件の背景にはHurdeと呼ばれる人類より遥かに進化した異星人の難破船に救難艇が着く前に技術略奪のために乗り込んだ宇宙船Outlierが関係していることが浮かび上がってくる。Outlierの女船長は脱出の際、3人の乗組員を見捨てていた。Hurdeの捕獲された人間は例外なく興味の対象から実験体として扱われ究極の苦痛を与えられる。その実験の最中、Hurdeは強い復讐の憎悪に興味を持ち、一人の男の身体を生体兵器に改造し送り返して来る。次々と虐殺されて行く元の乗組員たち。船長は元の乗組員を集め、襲撃者を迎え撃つ計画を立てるのだが…。
ハードなSF復讐譚。同コンビによるJudge DreddのPreyという作品が2013年秋期に掲載されていました。なかなか迫力のある読ませる作品でした。これはこの全10回で完結の作品のようですが、主人公の私立探偵Carcerや同設定を使った続編が描かれることもあるかもしれません。


というところでなんとか前編終了です。残り作品、後編もすぐに書きますので、次回をお楽しみに…していただけると…。


●関連記事 

2000AD 2013年秋期 [Prog1850-1861,2014] 

2000AD 2014年冬期 [Prog2014,1862-1873]



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