2014年4月6日日曜日

Blood & Tacos -70年代Men's Adventureリスペクトアンソロジー-

今回は前回、これは曲者なので改めて、と書きましたBlood & Tacosについてです。
作家Johnny Shaw主宰による、70年代メンズアドベンチャー・リスペクト・アンソロジー。前文で、マック・ボランなどの70年代メンズアドベンチャーはブラックマスク、50年代のペーパーバックの後継だ!と熱く語るJohnny Shawに、Kindleで最初に買った本が『Created,The Destroyer』だったりもする私も大きく頷き読み始めたのでした。
さて、このアンソロジーの趣旨は、Johnny Shawの前文によると、ガレージや納屋の奥で埃をかぶって埋もれている、知られざる熱い物語を発掘し、”見つけたぞ!”と叫ぶこと。 Johnny Shawと友人の作家たちがそうやって発掘した秘蔵の物語を集めて作られたのが、このBlood & Tacosというわけです。
…しかし、読み進めていくうちに一つの疑問が…。基本ペーパーバックオリジナルのこれらのシリーズの中で、よくこんなちょうどいい長さの短篇が見つかったな、ということ。加えて、本来の作者については「借金で行方をくらまし、連絡がつかない」とか適当なのだけど、発見者の作家についてはきちんとプロフィールが載っていたり。 そして、はたと、気づきました。これはタランティーノ/ロドリゲスのやったグラインドハウス的な物ではないか、と。えー、たいへん勘の悪い私は3本目のストーリーを読み始めたあたりで…。
つまり、このBlood & Tacosというのは、そういうアンソロジーなのです。

第1集の内容は、ショートストーリーが5本。最初は、Gary Phillipsが発掘したMal Redcliffのブラックスプロイテーション版マック・ボランという感じの『The Silencer in:THE SILENCER STRIKES』。続いて、Cameron Ashleyが発掘したClifton Wetzel-Bulingerのベトナム帰りのアルビノ戦士がカルト教団と死闘を繰り広げる『The Albino Wino in:LONGHAIR DEATH FARM』。Christopher Blairが発掘したMax Auger(うー、ややこしい)のソ連に侵略されたアメリカ本土で故郷の町の解放のため戦う独立愚連隊ストーリー『Battleground U.S.S.A.:TEXASGRAD』。Matthew C. Funkが発掘したLance Matrixの麻薬カルテルと戦う特攻野郎チームが罠に陥る『Tiger Team Bravo in:BONDS OF BLOOD』。そして最後がJohnny Shaw本人が発掘したBrace Godfreyのムチとグレネードの遣い手の世界最恐のメキシコ人が誘拐された大統領候補の娘を救出する『Chingon,The World's Deadlist Mexican in:BLOOD AND TACOS』ということになっています。他に実在する(と思われる)70年代メンズアドベンチャーのレビューが3本。しかし書いてる本人も2巻を見たことがない「ブルースブラザーズに出てくるイリノイのナチ信奉者が書いたジェームズ・ボンド風小説」なんていうのをレビューされても…。
一見企画物のようですが、やはりみんなこのジャンルにはそれなりに愛情はあって、このスタイルで俺ならこういう面白いのを書いてやるぜ!という意気込みの伝わってくる、こういうものだとわかっていればとても楽しめる本でした。

このBlood & Tacos、現在まで4集まで出ていて、1冊100ページ前後で1ドル。…なのですが、ホームページを見ると、プリント版で1~4集をまとめたのが出たり、Johnny Shawも作家として忙しくなって来たりでどうもそこで終わり、という気配がするのですが、とても楽しい本なので、できれば続いてほしいなあ、と思います。

さて、私もまだ短篇を2作(うち1作はこれ)を読んだだけですが、もうすっかりファンになっているJohnny Shawですが、現在までに長編小説の著作は3冊。最新作Jimmy Veeder Fiascoシリーズ第2作『Plaster City』は今月発売されたばかりですが、現在米Amazon.comのKindleハードボイルド部門ベストセラーの1位を独走中で、本国での人気と期待もうかがわれます。あと、これは期間限定情報になってしまうのですが、今月(2014年4月)30日までJimmy Veeder Fiascoシリーズ第1作『Dove Season』はAmazon Kindleで2ドルで販売中です。米Amazon.comのセールですが、日本のAmazonでもその値段でちゃんと買えます。Johnny Shawに興味を持たれた方はどうぞお早めに。私も早く読まねば。

なお、Blood & Tacosについては、本誌の中では一切のネタばらしは無く、今回の内容もあくまで私の推測で、もしかしたら本当に本当にガレージの隅から発掘されたストーリーという可能性はあります。

Blood & Tacos

Johnny Shaw公式サイト

  

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