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2023年8月8日火曜日

Matt Coyle / Yesterday's Echo -Rick Cahillシリーズ第1作!これは21世紀の??なのか??-

今回はMatt Coyle作『Yesterday’s Echo』。2013年より開始され、現在第10作まで出版されているRick Cahillシリーズの第1作です。
なんだかんだゆうても、特に昨今、10作まで続いているというシリーズはあまりなく、ある意味現在、2010~20年代を代表するシリーズぐらいの視点で考えるべきではないかと思っています。
近年のハードボイルドの特徴、というには少々例とするものが足りないかもしれないが、Alex SeguraのPete Fernandezや、 Joe CliffordのJay Porterなど、主人公が私立探偵になる前から始まるという傾向が あり、この主人公Rick Cahillも第1作の時点では私立探偵ではないところから始まっています。うーん、やっぱこれ現在の傾向として少し前のあたりから考えるべきかも、というあたりはまた考えるにして、とにかく現在を代表するのかもしれないRick Cahillシリーズ第1作『Yesterday’s Echo』です。

■Yesterday’s Echo

主人公Rick Cahillは元警官。かつてはサンタ・バーバラ警察に勤めていたが、8年前、妻が殺害されその容疑が自身にかかり退職することになる。証拠不十分などにより逮捕起訴は取り下げられたが、事件は未解決で、その後も彼を 犯人と疑う者は多い。事件の際はマスコミでも大きく報道され、苦しめられた。
警察を辞めた後は、故郷であるラ・ホーヤへ戻り、学生時代からの親友Thomas Muldoonの経営するレストランMuldoonの共同経営者となり、当地の資産家の息子であるThomasが、様々な冒険に走り回っている間、 店長として店を切り盛りしている。
既に亡くなっている彼の父親も、かつては警官だったが、汚職により警察を追われる形で退職している。

物語は彼が働くレストランMuldoonから始まる。この作品、各章の冒頭に四角い囲みで「Muldoon's」と入っており、それは場所というより主人公Rick Cahillの立場を示す意図のものらしいが、なんかはっきりしない。何故かと いうとこの第1作、最後に至るまですべての章の最初に入るのは、この「Muldoon's」だけだったりするので。

ある夜、Cahillはレストランでバーに座っている美しい黒髪の女性に目を惹かれる。
だが、こちらを見返してきたその眼差しの意味を判断する間もなく、レストランには厄介事が持ち上がる。

サン・ディエゴ市長の妻、Angela Albright。
見るからにしたたか酔っていて足元のおぼつかない彼女は、バーの入り口で誰に向けてでもなく呟く 。「彼は遅れてるようね。」
「市長ですか?」Cahillは彼女の腕を支えて、テーブル席へ案内する。
「いいえ、違うわ。彼なら今L.A.で資金と票集めに走り回ってるわ。」
彼女の夫は、現在カリフォルニア知事選へ打って出ようとしているところで、その妻が公共の場で泥酔状態を晒すのは好ましくない。何より彼ら夫妻はこの店の上客だ。
「彼は何処なの?」
「どなたですか?」
「悪魔よ!」
Angelaは席を立ち、バーから出て行きその途上でバッグの中身を落として行く。口紅、鍵、財布、携帯、そして分厚い封筒…。
顧客受付のKrisがそれらを拾い集め、手渡された後、Angelaは入り口のソファに座り込み泣き出してしまう。
Cahillは、タクシーを呼び、何とかAngelaを家へ送り届ける。

だが一つ問題を解決しても、レストランの仕事は終わらない。続いて女性用のトイレが故障しているとのクレーム。
そちらの対応に奮闘しているとき、Cahillは最初にバーで見かけた女性と行き交う。
市長の妻について話を振った来た彼女は、レポーターの類か?
彼女は自身をMelodyと紹介する。

しばらくの後、Cahillがバーを通りかかると、Melodyの隣には一人の男が座っていた。
スポーツコートの袖からのぞく腕の入れ墨から、刑務所帰りかと推測される、あまりこのレストランでは見かけないタイプ。
話してくる男に対して、Melodyはあまり居心地よさそうには見えないが、それはこちらが口出しする問題ではないだろう。

そしてまた、しばらくの後、レストランにはまた一人の客が現れる。
高級スーツを纏った体格の良い中年の男。入り口で迎えるCahillを無視し、バーへ進む。
その時、トイレからMelodyの隣にいた男が出てくるが、入ってきた男を目にすると、それを避けるように店から出て行く。
スーツの男は、まっすぐMelodyへと向かって行き肩に手をかける。
助けを求めるように、「まだ食事はできるかしら?」と問いかけてくるMelody。
Cahillは二人をレストランの席に案内し、メニューを手渡す。

彼らに飲み物を運んで行ったとき、Cahillはスーツの男から声を掛けられる。
「この店のオーナーは来ているかね?」
「私はこの店の共同経営者ですが。」と応えるCahill。
「それは妙だな。現在売却されているこの店の登記にはMuldoon氏の名前しかなかったがね。」
寝耳に水の話にCahillは言葉を失う。Muldoonを売却?
「まあもし職に困るようなら訪ねて来給え。」
男はCahillに名刺を渡す。そこには何の肩書もなく、Peter Stoneという名前と電話番号のみが記されていた。

突然のレストラン売却の話に衝撃を受けたCahillは、その場を別のウェイターに任せ、事務所へ戻る。
Thomas Muldoonへ電話をかけようという考えが頭をよぎるが、彼は現在確実に圏外のヨセミテの岩壁だ、と思い直す。
そうこうしているうちに、彼らを任せたウェーターがやってきて、彼らは食事をキャンセルして帰ると言っているが、と告げる。
出口へ向かったCahillは、精算を待つStoneが離れようとするMelodyの腕を強引に引き寄せているところに出くわす。
深く考える間もなく、CahillはStoneの手首をつかみ、ひねり上げる。解放されたMelodyは、出口から外へ逃げて行く。
「精々職探しに励むことだな。」捨て台詞を残し、立ち去るStone。

疑問と不安を抱えながら一日の仕事を終え、レストランを閉めて帰宅しようとしたCahill。
近くの暗がりに人影があることに気付く。Melody?
レザーコートを羽織り、靴はヒールからテニスシューズに替え、サンフランシスコ・ジャイアンツのベースボールキャップを目深に被ったMelody。顔には殴打の跡?
「大丈夫か?Stoneにやられたのか?」
彼女はそれを否定するが、誰かに追われているのでどこか安全なところに連れて行ってほしいと頼んでくる。
警察には行けない、と言うMelody。
疑問は多く、巻き込まれたくないという気持ちも強いが、明らかに不審なSUV車がうろつくのを見止め、彼女を自分の車に乗せる。

尾行車を何とか撒き、自宅へMelodyを連れ帰るCahill。いったいどういう事情なのかと問い詰める。
自分はチャンネル5のレポーターで、知事選を目指す市長の取材のために来た、と話すMelody。
顔は情報提供者とのいざこざで受けた傷だ、Stoneとは昔付き合いがあり、ここを久しぶりに訪れた機会に会ったが、あまり良い再会にはならなかった、と続けるMelody。
腑に落ちない部分は多かったが、その場の雰囲気や彼女の魅力に負け、彼女と関係を結ぶうちに話は曖昧なままになる。
明け方、彼女がベッドを出るのに気付いたがそのまま目をつぶり、出て行くに任せる。
翌朝、目覚め、彼女がいなくなっているのを確認し、少し安堵するCahill。
彼女が被っていたベースボールキャップのみが残されていた。

レストランへ出勤したCahill。開店早々に二人組の不審な男がやってくる。「女は何処だ?」
Stoneの配下らしき二人組は、その日は店にやった来たThomas Muldoonの協力で、無難に追い返せた。
レストラン売却の件で、Thomasを問い詰めるCahill。経営上の問題でやむを得ないというThomasだが、自身も出資しMuldoonを自身の店にしたいという希望を持つCahillに、一切の相談もなしに方針を決定した彼に 不満と不信を抱かざるを得ない。

Muldoonの件も大問題だが、それ以前に店に現れた二人組の様子から、Melodyの身がまず大きな心配となり、彼女が泊っていると思われるモーテルへ向かう。
Cahillが到着すると、そこは警察の現場保護テープで囲まれていた。殺人事件?
まずMelodyの身を案じたCahillだったが、被害者は男性。前夜、MelodyがStoneが現れる前に会っていた男だった。
その後、電話で警察に呼び出され、そこでCahillは彼自身が容疑者となっていることを知らされる。
現場には全く身に覚えのない、Cahillのものである、ベースボールキャップが残されていた…。


説明の都合上、三人称で書いたけど作中ではすべてRick Cahillの一人称で語られる。
まず主人公の特徴としては、非常に、というくらい「普通の男」だ。前述の通り元警察官であるのだけど、それすらあまり彼の行動に反映されて来ないぐらい。
とにかく、小説の主人公のように考えて行動しない一般大抵の人ならこうなっちゃうだろうな、という感じに、読んでる方としては、今家に帰るのまずいんじゃない?と思うようなところで普通に帰ったり、その後も明らかに怪しいMelodyにいいように振り回されたり。まあ一人称でひたすら事件に振り回されている状況という場合でもあるのだが、本来スポーツマンで、そこそこの腕っぷしもあるのも、いざというときまであまり感じられなかったり。
何かよく考えてそういう方向で作られた「普通の男」というよりは、自分が大きな事件やら災いに見き込まれる可能性とかさっぱり考えずに生きている、世間一般我々同様の感じの「普通の男」感。

物語はこの後、事情もわからないままMelodyを取り巻く殺人事件まで起こるような状況に巻き込まれた主人公Rick Cahillが全方向からひたすら追い詰められていくという方向で展開する。
まず警察に行っても、向こうは根本的にCahillという人物をよく思っていない。前述の通り、彼の妻を殺害したという容疑は完全には晴れていないし、彼の父親は当地の警察を好ましからざる状態で退職している。
職場であるレストランでは、本来味方であるはずのThomas Muldoonが一方的に売却話を進め、また、事件の容疑者としての追及やら、レストラン内で起きた事件がマスコミにすっぱ抜かれるなどで、店の信用も失墜し、従業員からの信頼も失い、居場所を失って行く。
自宅に帰れば、不法に押し入られ家探しされた形跡もあり、外を見れば常に監視の目が光っている。

この辺を読んでいて、まあそんなこと考えるのは私だけかもしれんが、ある不安が頭をよぎってくる。
まず前提として、私はこの作者Matt Coyleという人を全く知らない。そしてこのシリーズがそこそこ売れているということも、考えようによってはマイナスに動く可能性もある。
そしてこの主人公、とりあえずこれまでの生活、レストランの店長という立場を守ることに何よりも執着する行動。
もしかしてオレ、いまなんか間の抜けたお仕事ドラマの「店長が逮捕?お店の最大のピンチ!次回最終回15分拡大スペシャル!」みたいなもんを読まされてるんではないか?そして、人気女優さん演じるフロアマネージャー みたいなのがぼろぼろテレビ泣きして、なんか中学校の学級会レベルのこと叫んで、それに心動かされたみんなが奮起することで事態は改善し、店長の無罪につながる証拠が見つかり、警察も見方を変え、真犯人がつかまりみんな元通りで めでたしめでたし、ただし店長は、これを機にお店をもっと成長させるために武者修業の旅に出ることを決意し、みんなに見送られて空港から旅立って行く。「必ず世界一の店長になって帰ってくるぞ!」みたいなことになる もんを読まされているのではないか、という恐怖!
だが、皆の衆、安心されよ。そこまでひどいことにはならなかった…。

後半、そこまでに様々なものを失い、主人公Rick Cahillは生き残りぐらいのものを賭け、独自に手がかりの断片を追い捜査を始める。そして過去に隠された、冒頭の展開からも予想されるような、市長の選挙活動にも関わって行くことになる、暗い秘密を発見して行く。
そして、そこでそれまでに積み重ねられてきた、徹底的に追い詰められる「普通の男」、というストーリーが生きてくる。
殺人、彼を追い詰めた事件の証拠が次々と明らかになってきても、彼にはそれをどうすることもできない。これをどこへ持って行く?誰が信頼できる?もはやそんな相手は何処にもいない。
丁寧で読みやすくはあるが、特に文章表現などに突出したところがあるとは思えないMatt Coyleが、どこまでこれを意図的に仕込んだのかは、今ひとつわからない感じではある。
後半、そのような状況で、以前一時的に交際があり、いまだに好意を寄せてくれている女性を、少々の罪悪感を持ちながら度々頼るクズっぷりを見せるのだが、それももしかしたら作者の地なのかもと 思えて来たりもするのだが…。
いずれにしても、この作品は日本のお仕事ドラマレベルの登場人物たちにのみ都合のいいハッピーエンドでは終わらない。現代のハードボイルドの一つのスタイルともいえる、主人公=探偵が部外者でいることが 許されない苦い結末で終わる。そして、この作品中ではCahillの妻の殺害事件の真相などについてはまだ語られることはないが、なぜ彼がアリバイ証明などで身の潔白を立てられず、いまだに容疑者とされているのか の理由については彼の口から語られることとなる。それらもまた現代のハードボイルドの特徴を色濃く表したものだろう。
そして最後には、CahillがMuldoonの店長といった元の生活に戻ることはなく、私立探偵を始めたことが告げられ、物語は終わる。

このシリーズにはあのBrash Booksの創設者であるゴールドコンビの片割れ、ベストセラー作家リー・ゴールドバーグから、ロバート・B・パーカーとロス・マクドナルドのハードボイルドの後継者、という賛辞も 寄せられている。
…えっと、悪口?
まあ、レストランの店長を8年も務めたRick Cahillが、延々と飯の話を始める可能性は無きにしも非ずだが…。しかし、シリーズ出発時点で色々なものを背負ってるCahillが、日本の駄目親爺どもが大好きだった 「オレが言えないことを言ってくれる!これぞ男の生き様ハードボイルド!」の、マッチョ説教全開の初期スペンサーになることは少し考えにくそうな気はするがね。
だが、このRick Cahillシリーズがもし21世紀のスペンサーになるなら、それはそれで一つ押さえておかなければならんだろう。好き嫌いは別として、一時代を代表するシリーズであることは確かなのだから。 もしこのシリーズを日本に翻訳しようと考えているような出版社があるなら、念のために男の生き様を強く表した、バカボンの親父風「~なのだ」口調をお勧めしとくよ。
あー、あとロスマクもあんのか。うーん、とりあえずこの作品からはあんまりロスマク要素感じられないんだが?とりあえず、亡くなってる父親の問題とかあるので、もしかするとほらエディプス的?とか家族の問題的方向も 出てくんのかもね。あととりあえずこの第1作については、それほどナゾトキ的な方向ではないんだが、もしかすると先々、「遂に本格ミステリ(?)の謎解きを越え」たり、どこぞのこじつけ屋が「本格ミステリ(?)にしてハードボイルド」と言い出すような方向に退化して行くのかも…。

という感じで、なんとなく手放しではおススメできないという感じになっちゃったかもしれないが、うーん、少しマイナス方向で書きすぎたか?この第1作をちゃんと最後まで読めば、作者Matt Coyleがこのシリーズを決して温い方向ではなく、主人公Rick Cahillが常に厳しい状況で闘って行くものとして考えているのははっきりとわかる。このRick Cahillシリーズは、どういう形にせよ、この2010~20年代のハードボイルドをを何らかの形で代表するシリーズとなっているのは確実である。そういう方向でこれについては、少なくとも私だけはきちんと追って行かねば、と思っております。

■2010~20年代のハードボイルドについて

ここでこれからやって行きたいという方向も含めて、色々断片的には書いてきたりはしたけど、改めて2010~20年代のアメリカを中心としたハードボイルドについてまとめておこうと思う。本当は英国その他の動きというのも これらと不可分ではあるのだけど、またそれぞれのお国事情とかもあるんでとりあえずは置いといて。

また、大前提として自分はハードボイルド、ノワール、クライム、といった作品をジャンル内小ジャンルとしては区分けするが、大枠としてはすべてハードボイルドとして扱って行く。これについて話し始めるとかなり長くなるので、 ここではやらないが、歴史的に見てもこれらは不可分であり、これらを思い込みで別ジャンルとして扱おうとしてきたことに今日の多くの混乱があると思っている。ハードボイルドが男の生き様セニョール・ピンクになり果てたり、ノワールがサイコスリラー方向に誤解されてるみたいなこととかな。

最初にこの時期のこのジャンルの作家として、自分が最も重要だと思うあたりから明確にしておこう。
まず、ジョニー・ショーとJoe Clifford。ショーはJimmy Veeder Fiascoシリーズ、CliffordはJay Porterシリーズと、両者ともシリーズ作品を出していたが、残念ながら双方とも既に終了の様子。しかしながら、その後も 単発作品を出し続けている。ユーモアを含んだテンポのいい快作のショーと、自身ドラッグ中毒から復帰した経歴もありやや重めの作風のCliffordと、タイプは違うが、現在のこのジャンルで最も注目すべき作家であると 思う。というか以前から思ってて「未訳おススメ」を含めあちこちで書いているのだけど、ちゃんと作品紹介できてなくてスマン。今後もっとちゃんとやってきます。まずこっちでも未紹介のままのJay Porterは 一刻も早くちゃんと書かなければというところなのだが…。

続いてこれも何度も言ってるChris CherryシリーズのJ. Todd Scott。いろんな意味で重要なシリーズだと思っているんだが、まだ手つけてなくて申し訳ない。まずこれからかなあ?

そしてこちらも何度も言ってるEric Beetner。探偵・刑事などを主人公としたシリーズは今のところなく、クライムノヴェル方向なのだが、同時に注目していくべきこのジャンルの重要作家。Beetnerについては、最近 Down and OutからWolfpack Publishing傘下のRough Edge Pressに移籍していたのだけど気が付かなくて「未訳おススメ」のところが繋がってない状態がしばらく続いてて申し訳なかったす。さっき直したので…。 McGrawシリーズと、Lars & Shaineシリーズ、どちらもお得価格の合本になって再版されています。というか、Beetnerって昔から言っててすっかりやったような気分になってたけど、結局まだ一度もちゃんとやってないじゃん! Beetnerさん、色々ホントにごめん…。
初登場のRough Edge Pressだが、結構アクション方面力入れてそうで、もっとよく見とかなきゃというとこです。

この辺で日本でも翻訳あるやつに行っとくと、まず現在先頭を走っているS・A・コスビーに関しては、とりあえず最新刊も出るんだろうと思う。
続いて『シー・ライズ・ショットガン』(邦題野暮ったすぎてもう書くのやだ。ショットガンなんてエロ意味以外で普通に使ってるじゃん!)のジョーダン・ハーパーなんだが、新作出てるけどこのまま翻訳止まる可能性大かも。
『11月に去りし者』が結構評価良かったルー・バーニーだけど、未訳残したままだし、もうないかも…。

かつて当方で勝手に「新世代ハードボイルド」と期待したPolis Books勢だったのだが、Dave White、Alex Segura、Rob Hartら、いずれのシリーズも終了している。ちょっと今現在シリーズ物は出しにくい感じになってるのかも、とちょっと思ったりするが。Dave Whiteについては新作がないのだが、Alex Segura、Rob Hartについてはこちらもその後も単発作品は出ている。
Polisといえば、結局まだ手つけてないEryk Pruittがいたり、ジョニー・ショー、Joe Cliffordの単発作品も出てたりと、まだ要注目パブリッシャーなのだが、こちらももっとよく見て新しい作家探すべきかと思ってます。少しシリーズ物以外もよく見る感じで。

ここでRick CahillのOceanview Publishing。ここはJoe CliffordのJay Porter出てたりもするのだが、なんか結局いまだにその他にはRob LiningerのMortimer Angelぐらいしかチェックできてなくて申し訳ない。 Oceanviewに関してはホームページでシリーズカテゴリがあるくらいシリーズ物には力入れてるんで、またなんか見つかるかも、と思ってます。

そしてここでなんか割とお馴染みっぽいBrash Books。旧作復刻を主な使命としているBrashなのだが、やっぱ少々デジタルバブル後でパブリッシャーがポシャることも多く、行き場を無くした比較的新しい 作家作品なども登場してきている。Leo W. BanksのWhip Starkシリーズとか、2017年からで結構最近のもの。ゼロ年代ではHarry HunsickerのLee Henry Oswald三部作(2005-07)が最近登場。90年代からになると、日本でも最初だけ出たダグ・J・スワンソンの ジャック・フリッポや、マイクル・ストーンのストリーターもフルシリーズ再版されているので、その辺から現在につながるあたりを強化できるかというところ。Brash Booksに関しては、そういう作家の新作も出していたりするので、そういう意味でも 要注目ナリ。

むむむ…。なんかとりあえずやっとこうと思ったのですが、やってみると最近あまり積極的に新しいもん調べられてないかも、ぐらいの事実浮かび上がってきたり。またちょっとNeo Textあたりの勢いありそうなとこから知らない作家のを片っ端から読むぐらい始めた方がいいのかも。実際にはこうやって今思いつくのを上げてみたあたりでもきちんと追ってくのは大変だったりというぐらいなのですが。まあとりあえずこの辺であげたのは若干停滞しているところあるかもしれんけど、確実に今のもので、こういうところをちゃんと追って行くところから先も見えて来るもんなのだろうけど。
こんな感じで現代の、って辺りをちゃんと追いつつ、日本では出ない重要作家、ブルーウンやら、やっとやったジェームズ・リー・バークやら、スウィアジンスキーといったところも定期的に読んでいきたいというのが現在の方針です。あ、あと ジェイムズ・カルロス・ブレイクも。なんか抜けてるの山ほどありそうだな…。

なんか今年の暑さでかなりダウンしてしまい、どうしようもないんで数日休みにしてやっと復帰という感じで今回結構アップダウンあった感じかも。まあここからまた頑張ろう。次回はアレが来ます。



■Eric Beetner : McGrawシリーズ / Lars and Shaineシリーズ

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