2014年11月3日月曜日

Judge Dredd / Day of Chaos -ジャッジ・ドレッド、近年最大の問題作-

Judge Dredd/Day of Chaosは2011~2012年に1年近くに渡り2000ADに掲載された近年のJudge Dreddの中でも最大のシリーズです。これはJudge Dreddの舞台となっているMega-City Oneの人口の80%が失われるという大惨事で、その後ずいぶん復興してきましたが、現在に至っても「Day of Chaos以後」という状況が続いています。
かなりの大作・問題作であり、「どう書くべきか」などとしばらく悩んでいたりしたのですが、まあ所詮オレごときが、と思い至り、少し気楽に軽く概要や感想を書いて、少し詳しくストーリーの方を書くという感じでやってみます。

これだけ長く続いているシリーズを途中から読むのは、色々な事情が把握し辛く大変なのですが、この事件の発端はそれから更に30年ほどさかのぼってしまいます。ちなみに、Judge Dreddの年月の流れは現実の時間と同じなので、30年ほど前の2000ADに掲載されていたストーリーとなります。The Apocalypse Warという一連のストーリーで、対立状態にあった東側Sovsとの抗争が激化し、Mega City Oneは危機に陥り、こちらに向けられ発射状態にあった核ミサイルを発見したドレッドはそれを逆に向けて東側East Mega-City Oneを地上から消し去ります。掲載当時もこのジャッジ・ドレッドの行動はかなり物議を呼んだそうです。この辺りのストーリーは現在は『Judge Dredd Complete Case File』の04~05あたりで読めるそうなのですが、私はまだ02まで読んでその先は手付かずという状態なので、未読で冒頭の説明を読んだだけです。なるべく早くそこまで届きたいなあと思うばかり。

そして、その後30年の経緯はわかりませんが、その東側East Mega-City Oneの生き残りが、Mega-City one及びジャッジ・ドレッドに最大の報復を仕掛ける、というのが「Day of Chaose」のストーリーです。

そして、この『Day of Chaos:The Fourth Faction』、『Day of Chaos:Endgame』の2冊に渡るストーリーなのですが、実はまたあまり事情の分からない(またかよっ!)前のストーリーの後日談から始まります。それはPJ Maybeというバットマンで言えばジョーカーに当たるのではないかと思われる度々登場しているらしい犯罪者が、Mega-City Oneの市長と顔を変えて入れ替わっていたという話のようです。『The Fourth Faction』の前半は、逮捕されたPJ Maybeが再び逃亡するストーリーが、市長不在となり混乱するMega-City Oneの情勢や次の市長選挙に向けた動きなどと並行して語られます。まあこの辺も「Day of Chaos」につながる流れだったりするのですが。ちなみにこの「Chaos Day」はテロリストたちにより、Cityの人の動きが大きくなる市長選挙の日に向けて行われます。

『The Fourth Function』後半からは「Day of Chaos」本編に入ります。まず、謎の女性テロリストNadiaがMega-City Oneに潜入し、現地のシンパ組織とともになんらかの作戦行動に入ります。一方、Justice Departmentでは、予知能力を持った女性候補生がその能力で見た様々なビジョンの断片から大事件を予感するのですが、あまりに曖昧なビジョンゆえに他のジャッジは対処せず、唯一ドレッドだけが不穏なものを感じ、彼女に報告を続けさせます。シンパ組織の脆弱ゆえの粛清などのテロリスト側の綻びがビジョンと符合し始め、ドレッドはテロリストたちのバックが東側の生き残りであり、その目的がMega-City Oneに在住の細菌学者Elmore Yurgesの誘拐であることをつきとめます。しかし、常にテロリストたちに後れを取っていたジャッジたちは、その誘拐を止められず、細菌学者家族は国外に連れ去られてしまいます。強力なNadiaは倒しましたが、結果ドレッドも深手を負います。   

各地の潜入工作員、衛星画像からJustice DepartmentはYurges一家が連行されたテロリストの本拠、そしてリーダーが30年前の核攻撃で盲目になった元軍人Yevgeny Borisenkoであることをつきとめます。ドレッドは地上からの攻撃を主張しますが、多くのジャッジは予想される結果の重大性から衛星兵器の使用によりYurges一家もろともテロリストの本拠を壊滅すべきという考えに傾き、その作戦は実行されます。しかし、実際にはそれらもテロリストたちの計画による偽装で、Yurges一家とBorisenkoはすでに別の場所に移動していたのでした。

そして、これからは『Endgame』に移ります。テロリストの本拠壊滅により、事件は解決したと思われていましたが、依然続く女性候補生のビジョンから、ドレッドは調査を続けます。一方、Borisenkoは家族を使った脅迫によりYurgesに目的のウィルスの開発を進めさせます。そのウィルスとは、感染した人間を狂乱状態にし、強迫観念から周囲に無差別な暴力・破壊行動を起こさせ、死に至る、という恐ろしいもの。ドレッドは微かな手がかりからテロリストたちの真の潜伏先を突き止め、自ら部隊を率いて攻撃にかかります。火を放たれた建物の中に飛び込み、ドレッドが見たものは恐るべき研究の結果でした。そして、炎の中からドレッドが運び出したYurgesの息子の死体が彼の主張の正しさを証明するのでした。一方、ドレッド不在のJustice Departmentでは、ジャッジ内に潜伏していた裏切り者の手により、予知能力を持った候補生が殺害されます。そして、すでにウィルスは完成しており、それを持った工作員たちもすでに本拠を去り、Mega-City Oneへ向かっていました。

Justice DepartmentはMega-City Oneを封鎖しますが、工作員たちは様々な手段を使い侵入し、カオス・ウィルスの感染者は徐々に増えて行きます。ウィルスに対する研究も進められますが、とても間に合わず、かなりの被害が予想されます。唯一の救いはYugesがこっそり忍び込まさせた世代と時間の経過につれてカオス・ウィルスが無力化する因子。Justice Departmentはそれが致命的なものであることは隠し、重病の感染が広まっていることを発表し、Cityに戒厳令を布きます。感染者の隔離、外出の制限などにより被害を最小限にとどめられるか、と思った時、再びジャッジ内の裏切り者が動きます。ジャッジ幹部の一人が感染者対策として考案した、感染者たちを移送の名目でエア・シップに乗せ船室内でガスによる安楽死をさせCity外に掘られた穴に投棄するという計画の映像がマスコミにリークされます。City中に拡がる暴動。その中で裏切り者は3体のDark Judge(クリスタルに封印された悪霊的なもので、ちょっとまだよくわかりません)を開放し、混乱に拍車をかけます。Justice Departmentも甚大な被害を受け、ジャッジたちも部分的な対応をしながらウィルスの鎮静化を待つしかなくMega-City Oneは壊滅的な打撃を受けるのでした。


以上が「Judge Dredd / Day of Chaos」のストーリーです。この長期に渡るストーリーはジャッジ・ドレッドの生みの親のひとりでもあるライターJohn Wagner一人によって書かれています。意図的なものか、それとも一回8ページ前後でこの長大なストーリーを進めた結果なのかはわかりませんが、このストーリーはセミ・ドキュメンタリー・タッチというべき形で書かれています。状況のみを見せるような短いシーンがめまぐるしく入れ替わり、そこに『Strontium Dog』(2000AD 2014年冬期参照)でも見られたWagner得意の手法と思われるニュース報道を挟み込み圧縮された膨大な情報で異様な迫力とサスペンス、リアリズムを産み出してゆきます。
作画は数人が交代で担当しますが、やはり特筆すべきはHenry Flintでしょう。物理的な重力さえ感じさせる重い線による迫力のある画がこの重いストーリーを実現させていると思います。「Day of Chaos」のラストでは、あのジャッジ・ドレッドがあまりの惨状を前に肩を落としうつむいて立ち尽くす、という胸を打つシーンが描かれます。

というわけでこの作品の本当の凄さがきちんと伝えられたのかは不安ですが、最近Judge Dreddを読み始めたものの度々言及されて引っかかってしまうという人には「Chaose Day」の内容をなんとなくわかってもらうぐらいには役に立ったのではないかなと思います。私的には一つわからなかったことを解明できたものの、PJ MaybeやDark Judgeというような宿題が増えてしまった感じではあります。まあその辺も頑張っていずれ解明して書いて行きたいと思います。勉強中のレポートぐらいに思って読んでもらえれば幸いです。
ちなみに「Day of Chaos」ではもう一冊Chaos Day以後を描いた『Day of Chaos:Fallout』が今年TPB版で出版されています。一部の作品を2000AD誌上で読んでいたりすることもあってまだ未読なのですがいずれそちらも読んで「Day of Chaos」を補完するつもりです。


今回は少し長かったこともあるのですが、先週は少し仕事が忙しく週末へこたれて2日ほとんど寝込んでしまって休んでしまいました。これから年末にかけてはやはり世間並みに少し忙しくなったりもするのですが、なんとか気合いを入れて頑張って行く所存でありますので、よろしくお願いします。あっ、12月の初めは法事があるので多分休みます。(何の連絡事項だか…。)     

●Judge Dredd/Day of Chaos


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