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2024年3月28日木曜日

Jon Bassoff / Corrosion -2010年代カルトノワール作品!-

今回はJon Bassoff作『Corrosion』。2013年に現在は終了しているホラー系パブリッシャーDarkFuseより出版され、一部で高く評価されたBassoffのデビュー作となるノワール作品です。現在は彼の他の作品と共に、Down & Outより出版されています。

このブログも先日10周年ということになったんだが、実はこの作品始めたばかりぐらいの頃アメリカのAmazon.comで色々な作品を検索していると、かなりの確率でおススメに出てきていた、当時カルト作ぐらいの評価があったやつだったと思う。
ただちょっとこれホラー系かな、という感じもあり後回しにしているうちに忘れてしまい、その後2017年にDown & Outから初期5作ぐらいがまとめて鳴り物入りぐらいの感じで、やや大々的に再発され、ああ、そうだこれ読まなきゃ、と思ってるうちに まーたなんだかんだで後回し、忘れかけていたところで、2021年にこちらで度々名前を出すPaperback Warrior師匠のサイトでピックアップされ、こここ今度こそは読まなければと、 スマホのKindleアプリに入れ続け、この度やっと読んだという経緯の作品です。


【Corrosion】


Corrosion。意味は腐食。
この物語はJoseph Downsという、イラク戦争中の戦闘により顔に大やけどを負った帰還兵の一人称による語りで始まる。

目的地だった山の、20マイル手前のハイウェイで彼のピックアップトラックはおシャカになる。
車を押して路肩に寄せ、軍支給品のダッフルバッグと、カモフラージュジャケットを持ち、彼は近くの町を目指す。
Strattonというさびれた町。潰れたコンビニに、潰れたガソリンスタンド、潰れたモーテルが並ぶ。錆びた案内板に、板で塞がれた窓。
強風に襟を立てポケットに手を埋めて歩く。通りすがりの窓に目をやると、いまだに自分のものと思えない顔が見返す。
悪魔そのものが鋳型で作り上げたような顔。
12時間に亘るドライブは、酒を求めていた。
角に建つ漆喰塗りの「Del's Lounge」と赤いペンキで手書きされた店が目に入る。Budのサインが潜水艦の窓の奥で光る。
彼はその店に足を踏み入れる。

コンクリートの床に、木のテーブル。フェルトの薄くなったプールテーブルに、20年物のジュークボックス。カウンターとブースに客が一人ずつ。
彼が隅のテーブル席に座ると、数分後バーテンダーが注文を取りに来る。
ボトルのビール。冷えたやつ。
食べるものはいるか?ハンバーガーにホットドッグ、町一番のバーベキューポークもあるよ?
バーテンダーは彼の前に回ってメニューを差し出し、そして彼の顔を見て、思わず声を上げる。なんてこった。
ビールだけでいい。彼は繰り返す。

バーテンダーは謝罪を呟いて戻り、数分後注文したビールを持ってくる。
この町には何の用事で来たんだい?と彼に尋ねてくる。
特に用があるわけじゃない、と彼は答え、ビールを飲む。そしてバーテンダーに、この辺に泊まれるところはあるか?安いところだ。と尋ねる。
この町のものは全て安ものさ。バーテンダーは陰険な笑みを浮かべながら答える。中でもPaisanoホテルが一番安いな。そして彼に道順を教える。

しばらくビールを飲み続けると、外に車の止まる音が聞こえる。
ドアが叩きつけられる音に続き、男と女の言い争う声。そしてアスファルトに叩きつけられたボトルの割れる音。
男が叫ぶ。この売女め!
少しの後、女が店に入って来る。
それほど美人というほどでもない、痩せた赤毛。青白い顔の唇にピアス、腕にベティ・ペイジのタトゥー。赤いブーツにカットオフジーンズ、ミスフィッツのTシャツ。
そしてバーに歩み寄る。メーカーズマークはある?そして更にミケロブビールを注文し、飲み始める。

すぐに男も現れる。カウボーイブーツにブルージーンズ、ヘヴィフランネル。どう見ても女の倍以上の歳。
男は女に店から出るように言う。ファック・ユー、女は言う。あんたはあたしの番人じゃない。
男は女の手からビールを奪い取り、カウンターに叩きつける。
落ち着いてくれ、ミスター。バーテンダーは言う。ここじゃトラブルはご免だ。
ここから出ろ、売女!男は女の髪を掴み、スツールから引き摺り下ろす。そして女の腕を掴み、後ろに捩じり上げる。

そこで彼は立ち上がり、ゆっくりと店を横切り二人に近付く。
彼女を放してやれ、囁きより少し大きいぐらいの声で言う。
男は彼の顔に驚き、一瞬手を放しそうになるが、すぐに握り直し女を壁に押し付ける。
彼はカウンターのビール瓶を掴み、男の後頭部に叩きつける。
男は床に倒れる。少しの間うめいた後、立ち上がろうとするが、その度に彼は蹴りを入れる。男の腹、顔。男が床に丸まって立ち上がらなくなるまで続ける。

彼は席に戻り、ビールを飲み干してから立ち上がり、出口に向かう。
途中、バーテンダーにもう一度ホテルの名前を確認する。
女に頷き、ドアから出ようとすると、待って!と呼び止められる。
あんた何者?名前は?歪んだ笑みを浮かべながら訊ねてくる女。
俺はJoseph Downs。国のため誇りをもって闘った。彼は答える。

Downsは教えられたホテルに向かう。The Paisano。ドアを開けると、すべてが腐った木と、ホルムアルデヒドの臭いに包まれている。
カウンターの中にいた小さな女が、飲んでいたフラスコ瓶をカウンターの下に仕舞い、嫌悪を隠した愛想笑いを浮かべて応対する。
部屋を借りたい。Downsは言う。
部屋だけでよろしいんで?他に何か入用では?女はいささかの感情も込めず言う。
部屋だけだ。

分かりました。女はカウンターの後ろから鍵を取り、Downsを案内して行く。
女の後について2階へ上がる。ペンキの剥げた天井。壁を埋め尽くす落書き。
部屋の一つからうめき声が聞こえる。壁に木のベンチ。赤いブーツに赤いかつら、ボロボロのウェディングドレスの女が座っている。口紅のこすれた口からぶら下がる煙草。
ひどい顔だね、彼女は言う。あたしは構わないよ。ちんぽ吸ってあげるよ。
口を閉じてな、ホテルの女主人は言う。とっとと自分の部屋に戻りな。
女は目を回して見せると立ち上がり、薄笑いを浮かべながら部屋のドアを開け、テレビからの鈍い光に照らされた部屋に消えて行く。

彼女のことは気にしないで、女主人は言いながら、歪んで引っ掛かりのあるドアを乱暴に引き開け、Downsに鍵を渡す。
こちらでのご滞在をお楽しみいただけますように。女主人はDownsの容貌を今一度眺めまわし、付け加える。それで何か必要なものがあったら、遠慮なくお申し付けください。
俺は何も必要としていない。

予想通りの最低の部屋。汚い窓を通して汚い町が見わたせられる。
ベッドに腰を下ろし、ジャケットとブーツを脱ぐ。
バッグを開く。ジョージ・W・ヘルム噛み煙草の缶。プラム・ブランディ。軍支給の銃剣。擦り切れた皮の欽定訳聖書。
煙草を鼻で吸い、ワインを飲み、聖書を開く。士師記6章。
ベッドに倒れ込み目を閉じる。
この世に正しい人間など一人としていないと、考え始める。
誰もが秘密を持っている。恐るべき秘密を。

眠れないまま、ベッドに横たわり、床や壁の中を鼠が走り回る音を聞いている。
開けた窓から外を歩く微かな足音が聞こえてくる。起き上がり、外を覗いてみる。
一人の男がゆっくりと、街灯の光から外れた街路を歩いて来る。
ボロボロのスーツに、絞め縄のように首から下がったブルータイ。グレイの頭髪に、伸び放題の無精髭。やせこけた体格に、取りつかれたようなやせ細った顔。
窓辺に建つ彼の影に気付いた時、立ち止まりこちらをまっすぐ見返してくる。
そしてその顔にゆっくりと狂気じみた笑みが広がって行く。
Downsは息を飲み、数歩後退る。

一時間以上が過ぎる。ナイフを握りしめ、ベッドに坐り続ける。
時々、外を覗き見る。
男は全く動かず、そこに立ち続けている。
やがて風が強くなり、雨が降り始める。

深夜12:05。部屋のドアがノックされる。短く3回。
ナイフを握りしめ、ドアを引き開ける。
そこにいたのはバーの赤毛の女。
遅い時間なのは分かってるけど、女は少女のような声で言う。中に入っていいかしら。
止めはしない。Downsは答える。
女はアンダーシャツとボクサーパンツのみの彼を、上から下まで眺める。
いい体格ね。顔は気にしないわ。もっと酷いのも見たことある。

何か飲むか?プラムブランディがある。グラスはないと思うが。
ジャケットを脱いでいいかしら?と言って彼女は着ていた赤いナンシー・ドリューレインコートを脱ぐ。
下に着ていたのは未来風のシルバードレスと同じレッドブーツのみ。
彼が渡したブランディをぐいと飲み、目の隅からこちらを窺う。
彼女は酔っ払いのバッドガールだ。だが彼に、遠い昔に知っていた、誰かを思い出させる。

午後に助けてもらったお礼が言いたかったの、彼女は言う。大抵の奴は見て見ぬふりをする。
あれは誰なんだ?と問うDowns。
あおる様にもう一口飲み、彼女は答える。私の夫よ。
あいつとこのまま暮らし続けるつもりか?とDowns。一回あんたを殴ったやつは、いずれまたやるぞ。
彼は二回じゃすまないわ、彼女は言って袖をめくって見せる。いくつかの煙草を捺し付けられた跡。
あんたはあいつと別れた方がいい。
そう簡単にはいかないのよ、彼女は言う。

それから小一時間、二人はほとんど言葉を交わすこともなくブランディを飲み続ける。
彼は外の男のことは忘れ、向かっていた山のことも忘れる。
やがて女は彼の足に手を置き、言う。それでJoseph?私のこと可愛いと思う、少しでも?
ああ、彼は嘘をつく。
彼女はベッドの上で近寄って来る。愛らしい?いいや。だが彼は恋に落ちる。彼には簡単すぎるほどに起こることだ。

事が終わった後、Downsはそこで初めて彼女の名を尋ねる。
Lillith、彼女は言う。土から創られた…。

翌朝、Downsは故障したピックアップを町の修理工場まで引いて行く。
エンジンは完全に駄目になっており、修理するならすべて取り換えるしかないが、それより別の車を買った方が安い。
だがDownsは、車に愛着があるのでエンジンを換えてくれるように頼み、車を預ける。
しばらく町に留まることとなったDownsは、当座の金を稼ぐため町にある大規模なごみ処理場で働き始める。

一方で、Lillithとの情事は続く。そしてある日、遂にLillithはDownsに夫の殺害を頼んでくる。
どこかモラルの欠如した部分のある、語り手=主人公Downsは、躊躇うこともなくこれを実行する。
そしてホテルに戻り、電話でLillithにそれを告げると、怯えた様子で本当にやったのか、と意外な反応が返って来る。
そしてそのまま、Lillithとの連絡は途絶える。

そして町にある説教師が現れる。
マスクを被ったその説教師は、町の広場で過激な説教を唱え、自分はこの世の多くの罪を贖うため、自分の顔を焼いたと告げる。
怒りに駆られたDownsは、その場で説教師を激しく殴打し、マスクをはぎ取りイカサマを暴露する。
そして警察に逮捕されるDowns。
だがそこでDownsは、説教師への暴行だけでなく、Lillithの夫の殺害の容疑をも追及されることになり、当のLillithも彼の容疑を濃くするような証言をする。
絶体絶命に追い詰められたDownsだったが、そこで何者かにより彼の保釈金が払われる。
保釈されたその足で、その金を払った人物に会いに行ったDownsは、そこに隠されていたある事実と直面することとなる…。


イラク戦争からの帰還兵の主人公という完全に現代を舞台としている作品だが、主人公Downsが足止めされることとなる南部の田舎町は、まるで時間が止まったようなクラシックノワールの時代のような風景として描かれ、そしてそこでクラシックノワールの フォーマットに従ったような犯罪に嵌まり込んで行く。
だが、この作品はここでその様相を完全に変える。

約250ページのこの作品は、全3部とエピローグ的な短い第4部とで構成されており、それぞれが別の名前の人物の一人称により交代して語られる。
第1部約100ページが、このJoseph Downs。続く第2部、やはり100ページほどがBenton Faulkという人物による、7年前からに遡った出来事。第3部は現在に戻り、再びJoseph Downsの一人称となり、第4部はWells牧師という人物の視点となる。
ここではそのJoseph Downsによる第1部をほぼ最後近くまで紹介したのだが、ここでそれまで読んできたものが180度引っくり返るぐらいの衝撃的な展開を見せ、第2部Benton Faulkによる物語へと続いて行く。
ここまである種ノワールの一つの定番パターンに見えたものが、後半ではホラー的というような部分にも踏み込む展開を見せて行く。念のために言っとくと、ホラーと言っても超常オカルト的な方向ではないから。
例えばジム・トンプスンの名作『サヴェッジ・ナイト』のこの強迫観念に駆られた語り手によりどこまで連れて行かれるのだろうというような。
2010年代の隠れた名作。ノワール必読作品。いや、必読なのに今まで読まなくて本当に悪かったって。

Jon Bassoffは1974年、ニューヨーク生まれ。現在は家族と共にコロラドに在住。
2013年に発表されたデビュー作である本作『Corrosion』は、フランス語、ドイツ語にも翻訳され、フランス最大のクライムフィクションアワードであるGrand Prix de Litterature Policiereにもノミネートされたとのこと。
デビュー以来現在まで9作を発表し、最新作は2022年の『Beneath Cruel Waters』。
余談ではあるけど、最近のアマゾンの検索システムのアップデート以来、Jon Bassoff検索すると必ずJon Bass offとわざわざ区切ってベースの教則本かなんか並べてくるの何とかなりませんかね?

Jon Bassoffホームページ


■Jon Bassoff著作リスト

  • Corrosion (2013)
  • Factory Town (2014)
  • The Disassembled Man (2015)
  • The Incurables (2015)
  • The Blade This Time (2017)
  • The Drive-Thru Crematorium (2019)
  • The Lantern Man (2020)
  • Captain Clive's Dreamworld (2020)
  • Beneath Cruel Waters (2022)


ホラー・ノワール


今回のJon Bassoffは、クライムとホラーというジャンルにわたって作品を発表している作家なわけだが、個人的な感覚だけでなく、ホラーとミステリの間には微妙ぐらいではあるけど壁やら溝があり、どうもクライム作品というジャンルで 探って行ったときにこういう作家や作品が見えにくくなる印象がある。そんなわけで、ここではそういったジャンルを横断して作品を発表している作家をいくつかピックアップしてみたい。
と思いついて、まずはややお馴染み英語圏の最大の読書サイトであるGoodreadsで、Crime Horrorあたりを調べてみたんだが、なんかまずスティーブン・キングが並び、トマス・ハリスとか、果てはアガサ・クリスティーなんかも出てきて、 いまいち役に立たん。仕方ないんで、自分の知ってる範囲ぐらいのところで、できるだけ並べてみます。

まずGabino Iglesias。この辺のジャンルの注目作家であるだけでなく、書評家やアンソロジーの編集などでも知られる。結構このジャンルに跨るあたりの作家や作品を推してくることが多くて、この人経由で知ったものも多かったり。
まだちゃんとまとまった長編など読めてないのだが、Adam Howe編集のプロレステーマアンソロジー『Wrestle Maniacs』に収録されてた短編だけ読んでいて、メキシコのナチョ・リブレ題材の呪術的な感じのホラーはかなり印象深かった。
ブラム・ストーカー賞など受賞歴もあり。最新作『House of Bone and Rain』が今年8月発売予定。

Laird Barronについては、本当ならもうとっくに読んでなきゃならないぐらいのものなんだが…。クライムとホラー両ジャンルに跨って作品を発表している作家だが、クライム方面ではアラスカを舞台としたIsaiah Coleridgeシリーズが評価が高い。 いや、なるべく早く読むから。今のところ第3作が2020年に出て止まっているようだが、別の出版社から昨年Isaiah Coleridgeを主人公とした中編が出ている。元のところとの契約が切れ、もしかすると自費出版とかで今後やってくのかも。 この人と横並びぐらいで出てくる作家あたりから探って行くのがいいのかもな。

Tom Piccirilliはここで大昔に追悼特集みたいなのをやって、それっきりで本当に申し訳ない。そん時取り上げた『Fuckin' Lie Down Already』はクライムホラーとか言うと必ず思い出す珠玉の中編作品。2010年出版で、当時ジャック・ケッチャムや エド・ゴーマン、ビル・プロンジーニらにも絶賛されている。Piccirilli作品では『The Cold Spot』、『The Coldest Mile』のCold二部作も評判いいので、なるべく早く読まんと。

Stephen Graham Jonesをここに入れるのが正しいのかどうか、いまいち疑問なのだが、なんにしても当然翻訳ぐらい出てるべき作家なのに、現実全く未紹介ぐらいなのだから少しでも名前を出すって意味でもアリということにする。どちらにしても Wiki(英語版)には、実験小説、ホラー、クライム小説、SFの作家ぐらいに書いてあるしな。ネイティブ・アメリカン文学というようなジャンルでも知られる作家。この『Mongrels』、とにかくこれからと思いつつ、いまだに読めてない。うう、もっと 頑張らねば…。

Bryan Smithといえば、スプラッタパンクアワードでも常連のホラー作家だけど、この『68 Kill』は映画化もされたクライム作品。2013年に発表され、2017年には続編『68 Kill Part 2』も出ている。多分他にもクライム系あるんだろうな、と思うんだが あまりに作品数多くてかなり本腰入れてぐらいに調べないと把握できない。とにかくこの人についても結局まず『68 Kill』読めよ、ということになってしまうんだが…。例えばエドワード・リーの伝説的激ヤバ作『Header』にしても、サウザン・ノワール として読める部分もあるわけだし、やっぱスプラッタパンク、エクストリームホラージャンルというのも、ノワールとは地続きなんだろうなと思う。

こちらJ David Osborneは、確かGabino Iglesiasのどっかの記事で教えてもらったと思うんだが、もはや現物が見つからん。代表作らしい『By the Time We Leave Here, We'll Be Friends』は、ロシアのグラーグでのカニバリズムを描いた作品らしく、 少し重そうなんだが、近作『Gods Fare No Better』シリーズは、近未来サイバーパンクのもう少し軽そうなやつ。日本の三池崇監督に深く傾倒し、自身のポッドキャストで日本のマンガやアニメの普及に努めているらしい。『Gods Fare No Better』シリーズの 主人公の名前もKentaroだったり、もっとよく調べると面白いもの出てきそう。

Cody Goodfellowも上のJ David Osborneと同じ記事で教えてもらって、結局まだよく調べてなかったりする人。こちらの『Repo Shark』はハワイを舞台にしたサメとかも出てくるホラークライム作品らしい。ちらっと見てたらかなり読みたくなってきたので、 もったいないのであんまりよく読んでないのだけど。
ちょっとこの辺の人たち少し調べてたらWonderland Book Awardというのがいくつか出てきて、調べてみたらビザールホラー系のアワードらしく、例のGoodreadsにも Wonderland Book Award Winnersみたいなリストのページが見つかったりと、いくらかの歴史や知名度もあるものらしい。ビザール系ホラー結構気になりつつも、今一つとっかかりが見つからないところがあったのでいいもの見つけたな。ちょっと今は 余力がないのだけど、もっとよく調べてここにもなんか書けるかも。主催しているBizarro Centralというところもまだよくわからないのだけど、とりあえず以下がリンク。Wonderland

Michael Allen RoseのこれはそのBizarro Centralのトップページでもフィーチャーされてて、かなり気になるのだが、なんかプリント版しか出てなくて、知らない作家とりあえず買ってみるには若干お値段微妙。Eraserhead Pressと言えばエクストリームホラーの DEADITE PRESS系列で結構デジタル展開も多いはずなんだが。この人も後半そっちに流れてきているビザールホラー系で、お手軽なデジタル版でこの人のなんか読んでからこの変なやつ手出すかも。ミュージシャン、パフォーマーなど色々な肩書もある 愉快気な人ですね。

なんか色々調べながら書いているうちに、最後の方ちょっとずれてきたのかもなのだが、ノワール+ビザールホラーなんていうのはあんまり考えてこなかった方向なので、また新しい所見つけたかもと個人的にはかなり喜んでいる。
常々言ってることだが、日本におけるノワールというのは、そもそもがあまり翻訳も出ない状況で、ノワール原理主義者の思い込み定義によるノワール規制や、日本特有の思い込みが重なり、海外のものときちんと照らし合わせもされないまま非常に狭い 範囲の、主にサイコサスペンス方向にやや捻じ曲げられさえしたものになってしまっている。
そういう状況をなんぼかでも是正するために、こういったパースペクティブを広げた地点でのノワール作品が多く読まれるべきなのだと思う。あーでも翻訳なんかされてもどーせ三文ミステリ評論家や読書のプロ老害に台無しにされるだけなんで、そーゆーことは 一切求めてないっす。
なんか色々言ってみたところで、今回の『Corrosion』、その日本のノワール観が狭められねじ曲がって行った地点に割と近い作品かも、と気付いたりもするのですがね。


やったじゃん!ちゃんと書いたそこそこの記事が1か月に二つとは久々の快挙!まあわざわざ「!」付きで言うほどのことじゃないだろうけど…。何とか最低このくらいのペースで頑張って行ければが現在の目標であります。あ…、その一方でサイトの修正の方は延々中断中…。ちょっと季節の変わり目で若干体調微妙、踏ん張りきかんで、とりあえず記事だけは進めなくてはぐらいはできてるけど、なかなかそっちやる余力なかったりというのが現状なのだが、このまま知らんぷり放置はするつもりはないんでそのうち頑張りますです…。結局しょぼんで終わる。



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