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2022年2月14日月曜日

ブログ8周年 実はまだやめてなかったのでした。

どうも、ブログ8周年の人です。ブログが8周年になったのでご挨拶に悪口雑言を垂れにやってきました。いや、ずいぶん久しぶりになって、なんかこれが今年最初になってるけど、全然やめてません。 あ、明けましておめでとうございます。ここで言うことになるとは…。
えーと、まず近況的なことから言うと、寒さでへこたれてます…。いや、今年特に寒いとかいうほどではないのだろうけど、なんか寒くなり方が変だった感じで序盤に大ダメージでそれを引きずりつつ なんとか立ってるけどKOされないのがやっとぐらいでこのままでは判定負けも明らかかと。あー…、冬に判定負けするとどうなるかという面白いのも思いつかんぐらい弱ってます。 まあ病で倒れるまでは行っとらんけど、なんか毎日他の季節の1.5倍ぐらい疲れる感じで週末にもあまり進まん状態が続いてたり。なんか自分より地図の上の方に住んでる人には東京の寒さぐらいで何ゆうとるんだべ、 ぐらいのこと言われるかもしれないけど、寒さ耐性なんて人それぞれだし、それを言うなら世界にはもっと寒くて冬になると1か月ぐらい陽が昇らなくなりバンパイアが襲撃してくるようなところに 住んでる人だっているんだからね!
昨年末、バンドデシネのやつを最後全然力でない年間最低テンションぐらいでやっとアップし、次はマッキンティ『The Bloosday Dead』じゃあ!と書き始めたもののすぐに止まり、頼みにしていたお正月休みも はとんど進まない感じで、あーもうしばらくかかるかなあ、というところ。トホホ、しょーがないからこっち先に書くか、という感じで書いてます。いや、なんか申し訳ない。

最初から言い訳連発の感じになっておりますが、とにかく8周年。なんかね、関係自然消滅してるの自明だけど、一月かふた月に一度ぐらい電話で話したりもしてるんで、フラれてない!と言い張ってる レベルの継続での8周年ではありますが…。
毎年言ってることではありますが、何とか続いているのも時々見に来て下さる皆様のお陰です。いくら頭のおかしい奴でも誰も読んでくれなきゃさすがにこれだけは続けられませんので。本当にありがとうございます。 今後もできる限りは頑張る所存でございます。
思い起こせば昨年、7周年の直後のことなのだけど、7周年をアップし、続いて今年も来てると思われるスプラッタパンクアワードのノミネート作品をその翌週にアップし、あー2週続けて週末ブログ書いて 疲れたなあ、あと週末何にもしねえぞ、とゴロっていた時、このボンクラもある重大な事実に気付いたのです。
ワシは一体何のためにこんなことやっとるのか?そりゃあ趣味だろう。世の中にも色々な趣味があるが、例えば釣りや草野球とかを趣味としている人が、2週続けて釣りに行ったり試合をしたりしたら、2週も続けて疲れた、 もうなんもしねえ、とへこたれるのか?否!2週も続けていけてよかったなあ、と思うのだろう!私も趣味として頑張りたいという気持ちがあるならば、そういう気持ちで臨むべきではなかろうか?
…なんとなく書いて言葉にしてみると、その時思ったほど説得力ないのだが、まあその時はそう考え、釣りや草野球のような気持ちで楽しく頑張ろうと思い、しばらく続いたのだが…、まあ色々あって 夏ぐらいに力尽きてしまったのだけどね。
しかしまあ、またこれから切り替えて、また楽しい趣味として頑張って行きたいなあとは思っています。もう少し耐えれば暖かくなってくるだろし。うーん、釣りと草野球の他になんかないかなあ。鉄道というのは なんか趣味のベクトルが似ている気がするんでいまいち上手くマッチしない気がするなあ。あとワシ、駅のホームに着いたら電車が来るより前にスマホのKindle開くタイプやし。

で、8周年何やろうかな、と思ったんだけど、なんかまあ普通に今年書けるかどうかわかんないけどこういう本やコミックが読みたいっすね、今こんなのに注目してます、こんなのがおススメです、みたいな フツーなのがいいかな、と。そんで最後に前にぶつくさ言ってたアホらしい「本格ミステリを超えた謎解き」について各方面を罵倒しておこうかと。まあその辺はそーゆーのにも付き合ってやるか、という人 だけ読めばいいかな、という感じの構成でお届けいたします。

で、その前にこれなんだよ?と思ってる人も多いと思うトップ画像のやつについて。いや、読んだの何年も前なのだけど、あれやんなきゃこれやんなきゃでずっと後回しになってたやつなんだけど、いつまで経っても書けないし、 なんかこの機会にここにねじ込んで軽く紹介しとこうかと。
『Terror Assaulter: O.M.W.O.T. (One Man War on Terror)』2014年 Benjamin Marra作。彼自身の出版社Traditional Comicsから刊行された後、現在はFantagraphics Comicsより発行。
Terror Assaulter: O.M.W.O.T.とは、テロに脅かされるアメリカを救う不屈不倒の最強エージェント!米国に襲い掛かる如何なる脅威・恐怖にも一切屈せず、そのずば抜けた戦闘能力によりただ一人で解決し、 表情一つ変えることなく任務を完了し生還する不死身のワンマンアーミーである。米国の敵には一切容赦することなく、その優れた体術により如何なる無理な体勢からも必殺の一撃を繰り出す!懐にする愛銃からは 無限の弾丸が発射され、発射数や口径にも合っていない無数の薬莢がマシンガンからのようにばらまかれる!作戦上、または個人的な必要性を感じれば、女性男性の区別なく便所の落書きのような結合部露呈で 性交し、その恐るべきテクニックで何者をも屈服させる!
彼の任務は常に冷酷非情だ。乗り合わせた旅客機がハイジャックされれば、犯人を全員射殺し、あまりの危険で強引な行動に抗議の声を上げる乗客も射殺する。そしてパニックに陥った機長を、背後から肛門を犯しながら、 機を無事に着陸させる。

[Comixology 『Terror Assaulter: O.M.W.O.T.』 プレビューより]

アメリカの正義への強迫観念とそれがもたらす結果への無関心を風刺し、サイケデリックと政治的発言、攻撃的な表現主義との境界に位置する問題作、という感じで評価されている作品です。まあそれほど堅苦しく 考えなくてもゲラゲラ笑って読める作品ではあるのだが、何事もヘラヘラ半笑いながら上から目線で貧しい言葉で語りたがるサブカル安物言説にウンザリしてる我々としては、優れた作品にはこのくらいきちんと頭を 使った言葉を尽くして評価したいもんじゃないですかねえ。
Benjamin Marraは1977年生まれ、カナダ出身のイラストレーター/コミックアーティスト。かの『The Boys』のDarick Robertsonの伝説的デビュー作『Space Beaver』に触発され、コミック表現の道を志す。 ヴィジュアルアートの学校を卒業後、イタリアでペインティングも学ぶ。2008年からは自身の個人出版社Traditional Comicsを立ち上げ、作品を発表。この作品はカラーだが、基本的に彼の作品は白黒で 粗悪な紙に印刷され出版されていたそうである。イラストのスタイルは「ピンボールマシーン・アート」といったもので、プレイボーイやローリングストーンにも掲載され、グラミー賞のノミネート歴も あるとのこと。
現在はTraditional Comicsは終わってしまっているようだが、Benjamin Marra作品はこの作品の他にもFantagraphics Comicsより『Night Business』と『American Blood』の2作が出版されている。 いずれも過去のTraditional Comicsからの作品をまとめたもの。Fantagraphicsのはすぐに絶版になっちゃってプリント版はやたら高価になってるので、ComixologyやKindleのデジタル版一択かなあ。 そして更に、本年4月には待望の新作『Disciples』が発売予定!同じくFantagraphicsだが内容は不明。ほかに二人映画関係らしい人の名前が出てるんだけど、それが原作ということなんかな。 どういう形にしてもまたMarraの素晴らしいアートが大暴れしているのが見られるんじゃないんでしょうか。

あー、なんかな、このくらいのサイズで書けばもっと早く色んなもんについて書けるのだろうな、とは思うけど、結局まだまだ言いたいことはあって書き足りない感じではあるのだけどね。まあとにかく少しでも書けたんで ヨシとしよう。
Fantagraphicsのこの手のヤバいのでは、ずっと読まなきゃと思ってる極悪バイオレンス作品『Fukitor』とかあって、他にも読みかけの『Angry Youth Comix』やら『Prison Pit』なんかについてもいつか書けるといいんだがなあ、と思いつつ…。

この流れでまずはコミックの方から行くのだが、ごく最近、Fantagraphicsの新年セール終了間際にたまたま知って慌ててゲットしたのがコレ。Fantagraphics経由で英訳されたバンドデシネなのだが、フランス語圏でも かなり有名なやつなのだと思う。『Streets of Paris, Streets of Murder: The Complete Graphic Noir of Machette & Tardi』。日本でも翻訳があるフランスの犯罪小説作家ジャン=パトリック・マンシェットの 作品を、バンドデシネ気鋭のアーティストJacques Tardiがコミカライズした作品集。全2巻でオリジナル脚本の作品も一つあり。すげーお宝手に入れたなあといまだにホクホクしております。いや、マンシェット確か 翻訳ハードカバーのを昔古本で手に入れたんだけど未読のままどっか埋まってるのが少し気懸りではあるのだけど…。
Fantagraphicsものでは年末ブラックフライデーセールで『Love and Rockets』が1ドル、2ドルぐらいで出てて、持ってないのを片っ端から買ったな。『Love and Rockets』に関してはいまだにPalomarとLocas一冊ずつしか 読めてないんだけど今年こそはもっと進めたいなあ。
Fantagraphicsなんて読みたいのばっかできりがないんだが、ずっと何とかしなければと思ってるのが、なんか山ほどあるECコミックコレクションな。ホント山ほどあってどこから手をつければ…という感じなんだが、 まあいつもの自分スタイルで、とりあえず引っ掴んだもんから今年こそは手を付けて行くっす。でもECのこと考えるとDark HorseやDynamiteから復刻されてるWarrenものもな、と必ず浮かんできて、 読みたいマンガの話なんて始めるときりないんだよな。

英国2000ADについてはさっぱり書けなくて申し訳ないのだが、ワシがとにかくこれ読まなきゃと思っているのがコレ。John Smith/Simon Harrisonの『Revere』。John Smithというのも英国ではかなりレジェンドの 域にある作家で、スミスヴァースぐらいのもあったりで何とか早くその大まかなところでもつかまねば、と思ってたところで、昨年2月に復刻されたレジェンド作品がコレ。いや、作画Simon Harrisonのアートが かなり凄まじくそれをデジタルで再現するため結構な高解像度で作ってるせいで、ワシの年季物のiPadではまともに読む事ができず、遂に新しいのを買うことを決意したのだが、ご存じの人も多いように 大変品薄の状態が続いていて、半年かかってやっと先月入手し、おおっ!ちゃんと読めるぞ!と喜んでいるところ。ただでさえ強者揃いの2000ADのアーティスト群の中で、凄いというのはもうただ事ではない! とにかく今年はこれを皮切りにスミスヴァースの方も探って行かねばというところである。
英国2000ADと言えば、もちろん巨匠パット・ミルズやドレッドのことも全然忘れてはおらん!またそのうちみんな忘れたころに…、うーん、書けるといいんだけどなあ…。

米国メジャーどころでは、去年から言ってるんだが、くそ、もはや何としても読まなければならんで、結構ここんところ集中的に読んでるのが、もはや言わずと知れた名作『Scalped』!こんな有名作今更書かんでもいいか、 ぐらいに思ってたが、結局ネイティブアメリカン居留地を舞台にしたノワールコミック、ぐらいのことしか伝わってないのが現状だろうから、読破した後にはもうちょっと詳しく突っ込んだところまで書かねばならんと 思ってる。…いやホントに思ってるから。何とか頑張りたい。
とにかく『Scalped』を制覇したら、ずっとこだわってる『Stray Bullets』や、ブルベイカー/フィリップス作品や、『100 Bullets』や、ガース・エニス作品群や…、あー、幾らでもあるじゃん。ホントにオレ 死ぬまでに全部読めんのか?

あとBrian Azzarelloからの流れで、昨年うわ、これ忘れとった!と引っ張り出してきたのがPaul Pope。ヨーロッパのコミックの物語性と日本のエネルギッシュな漫画表現を併せ持つと高く評価される アメリカのオルタナティブコミックアーティストである。こちら『Heavy Liquid』なんて必読コミックの一冊なんだろう。いやまあ、あれからしばらく経ってるけどいまだに未読で言うのもなんだが、これも早期に必ず読むぞ!
あと散々言ってきてはいるけどまだまだ全然足りないJeff Lemireももっと集中して読んでいかなければならない、などホントに言い始めたらきりがないわ。なんかまず『Scalped』を!というのも 意志を固く持っていないと次々あちこちにスライドして行きそう…。
しかし、その中で最近特に気になっていることがある。前から書いているが、アメリカのコミックは一時期のバブルから現在縮小傾向にある。別にアメリカのコミックがなくなるなどという心配はしとらんが、 こういう時期になるとどうも新しい作家の動向が見えにくくなる。実際この状況でチャンスに巡り合えない作家もいるのだろうし、パブリッシャーからも強くプッシュされにくい現状なのだろうと思う。 だが、いつの時代、どんな状況でも必ず新しい才能は出現する!そういう才能にいち早く出会えるよう、もっと視野を広く持たねば、といつも思うのだよね。とにかく色んなとこもう少し一所懸命見て行こう と思ったり、案外Comixology Originalあたりも狙い目かと思ったり。なんかそういうのも紹介できるといいねえ。

結構長々と書いてきているんだが、実際のところは長くなりすぎるから今回はいいか、というのも随分あったり、今現在忘れてる重要なのも随分あるんだろうな、ぐらいのところ。そして、肝心なことを一つ! 世界にはいくらでも読むもコミックがあるのだということではない、世界には絶対に何が何でも読まなければならないコミックがいくらでもあるということなのだ!そういう中でこの貧弱な時間と体力の 許す限り一つでも多くのコミックを読んで、ひとつでも多く書いて行ければと思うものであります。


で、こっからは小説の方の話になるんだが、昨年後半から諸般の状況でペースダウンしてしまっているブログなのだが、年後半頃というと季節的には秋の頃。秋と言えば読書の秋。年中本を読む他何もしない ような読書バカがこんな時期になるとどうなるか。読書の秋劇症化!なかなかブログ書くまでの時間も気力もなかったりでも、なんか色々思い付いてあれこれちょこまか調べているうちに、その時期大変重要な作品を いくつか発見しているので、まずはそれについて書いておこう。
昨年あたり、いくらかジョン・D・マクドナルドのトラヴィス・マッギー・シリーズを読み進めるうち、やっぱこれはかのマイク・ハマーと並ぶようなハードボイルドのターニング・ポイントだったのだなあ、 と再認識したことは少し前に軽く書いたのだが、そうなってくるとこのマイク・ハマーとトラヴィス・マッギーの間をもっと埋めなければならんという思いが高まってくる。しかし、例えばマッギー以降というのは、 小鷹信光先生命名によるネオ・ハードボイルドという感じのハードボイルド復興があり、作品もそれなりに翻訳されているのだが、ハマー近辺というのは例の馬鹿げた本格通俗与太により、いくらか翻訳されても ろくすっぽ評価もされぬまま遥か昔に絶版となり、限りなく現物も情報も乏しいというのが現状である。そこでホント名前ぐらいしか知らないあたりも含め、探索を続けているうちに出会えたのがこれ。 『The Best of Manhunt』!現在第1集、第2集がかのStark House Pressより発行されている。まだ第1集の方しか見ていないのだが、過去に編まれたManhuntのベストアンソロジーを底本として、39編のボリュームに加え、 Manhuntの大変興味深い歴史、かのローレンス・ブロックの修業時代の想い出序文なども掲載。それによるとManhuntの強力な作家ラインナップは、当時の強力なエージェント・カンパニーによるものが大きい ということだが、ブロックのエッセイではそのエージェントの実態なども垣間見えたりしてとても面白い。作品の方もかのエヴァン・ハンター(=エド・マクベイン)の伝説的名作「歩道に血を流して」から始まり ビッグネーム、伝説作品がずらり!そしてこれが第1集、第2集ともに700円前後の超低価格!いや、フツーKindleでもこのボリューム安くても1500円以上はするよ。2冊合わせても最近創元社から出てる『日本古典 ハードボイルド全集』1冊よりお安いよ!さすが我らのStark House Press!
あれ?勢いで書いてきたけど、『Manhunt』についても少しは説明しておいた方がいいのかな?『Manhunt』というのは1950年代から60年代にかけて発行されたハードボイルド、犯罪小説ジャンルの小説雑誌である。 それに先立ち同ジャンルの代表格であった『Black Mask』の廃刊後、50年代ミッキー・スピレイン絶頂期に創刊され、多くの実力派作家の優れた作品を掲載し『Black Mask』の位置を継ぎ担うことになる。 まあこんなとこやろ。詳しくはいずれまた。
というところで先に書いたような考えでこれにたどり着いた私は、これだ!とただちに購入する(なんとなく以前にも見た気もするが、その時はそういう機運ではなかったか、価格も今より高かったのかもしれない)。 しかし、こちとら常に読みたい本が山積みで、これほどのボリュームのものを入れる余地はない、だがすぐに読みたい、読まなければ!うむ、必ず読める!何か別腹的なもので!と、そのとき読んでいたものと 並行して読み始めたのだが…、うん、現実的に考えるとそんな別腹的なものなどあるわけなかったな…。まあそんなわけで、序文や出版史と最初の2作ほどを読んだところで断念、現在中断中というところなのだが、 今後は先行予定の色々な作品を読みつつ、その合間にいくつかに分割しながらボチボチ読んでいこうかなと計画中です。多分読めるよ、大丈夫!頑張れワシ。

そして続くのは同時期に見つけたこのシリーズ!こんなの出てたの誰か知ってた?ジェイムズ・カルロス・ブレイクの現在進行中The Wolfe Familyシリーズ!従来ブレイクの作品は19世紀半ばから20世紀初頭 ぐらいを舞台として描かれていたが、このThe Wolfe Familyシリーズはブレイク作品としては初めて現代を舞台としているものだそうだ。まず、画像の20世紀初頭の『Country of the Bad Wolfes』が2012年に発表され、続いて現代が舞台のシリーズが 現在までに4作発表されている。後にだと思うが『Country of the Bad Wolfes』はThe Wolfe Family Book 0とされている。これは絶対読まなきゃダメなやつだろう!このシリーズについては本年中に絶対 取り掛かり、その詳細をお伝えする所存である。なんとかこの0の『Country of the Bad Wolfes』とシリーズ第1作となる『The Rules of Wolfe』ぐらいまでは読みたいのだが。

続いてこちらはミステリジャンル外で広義の文学方面。またしてもあのAnthony Neil Smith先生経由なのだが。Cowboy Jamboree Magazine!こいつはAmazonなどで販売されている商品ではなく、彼らの ホームページよりフリーでPDF形式でダウンロードできる、まあいわば同人誌的なもの。だが、ちゃんと作品を発行・販売しているパブリッシャーでもある。内容はアウトロー文学やアメリカのフォークソング、 といったものをリスペクトするという方向のもので、これまでに特集された作家などが、ブコウスキー、Larry Brown、Donald Ray Pollockといったものであることからなんとなくわかるだろう。 具体的にはその作家などに関するエッセイと、インスパイアされた投稿の短編小説というもの。私が読んだのは昨年秋に発行された劇作家・俳優のサム・シェパードをフューチャーした号だったが、 掲載された多くの作品がとても興味深く、全体的にとても楽しめた一冊であった。あ、自分がやってるお手軽な読み方を紹介すると、PDFのものを送信して変換し、Kindleでそちらの形式で読むというもの。 これはタイトルを”変換”としたメールにPDFファイルを添付し、自分のiPhoneなりなんなりのKindleアプリに送信すればできるのだが、よくわかんなかったら検索してちゃんと説明してるところで調べてみてね。 PDFの本体の方は、横2段(列?)組になっていいるせいか、行変えが上手くいってないところがあったり、段落や次の作品との間のスペースが詰まっちゃったりしているところもあるが、そんなものは本を読みたい という意思の前には全く障害にならん!そうだよな。
そしてこのCowboy Jamboree Magazine(以下CJと略)が現在イチオシで、自社から作品を発行することを高らかに誇っているのがSheldon Lee Comptonという作家。Donald Ray PollockからLarry Brownの再来と高く 評価されているアメリカ文学の注目作家である。年二回春秋発行で、今回のと同時に出ていると思われるCJ次号はSheldon Lee Compton特集!更にホームページにはSheldon Lee Comptonコーナーも設けられている。 そちらに掲載されている作品の抜粋を読んでみて、これは絶対に読まねばならん作家だと確信した。で、どれを読むかと考えると、まず欲しいのはCJから発行の『The Collected Stories: Sheldon Lee Compton』。 これまでに書かれたComptonの短編をすべて集めた630ページ、プリント版のみ(既存の2冊の短編集は他社よりKindle版も発行中)。いやしかし、630ページのペーパーバックなんて持ち運びも不可能やろ、どーやって読むんや? と思案していたところComptonのtwitterで「これ買ったよ!一日一話ずつゆっくり読もうっと」というのをretweetしてるのを発見!この手があったか!しかし…、お前その手でついこの間『The Best of Manhunt』で 失敗したばかりやんけ!というわけでいまだに思案中なのだが、いずれはこのSheldon Lee Compton、必ず読むぞ!
それにしても…、Donald Ray PollockからLarry Brownの再来と高く評価、と書いてみたものの、日本ではいまだにLarry BrownもDonald Ray Pollockも未訳の現状…。もう日本の出版社には何の望みもないわ。 頑張ってどちらも原書で読まなきゃなあ。

とりあえずこんなところで、ここから本年の予定なんだが、まずは途中のマッキンティ『The Bloosday Dead』を一日も早く完成。続いてCal Innesアニキの最終作『Beast of Burden』についてもめっちゃ熱く語らねばならん。 そしてこれだよ!Adam Howe君の『One Tough Bastard』!!!あー、これについて話したい!やっぱAdam君天才だわ!これについて書くためにも早く進めなければ!更にまだこれから読むものとしては、Anthony Neil Smith 先生の『The Butcher's Prayer』!今年こそは絶対読むケン・ブルーウン、ジャック・テイラーさんの続き!それから、やっと翻訳全作の再読終わりましたマイク・ハマー未訳スピレーン最終作! あと新しい流れとして今一番注目中のスコットランド一派!あー…、頑張っても書けるのこれくらいかも…。ということで書けるかどうかわからんけどこれ読む!というのは、諸般の事情で遅れてたけど ようやく次読めるようになったジェイムズ・リー・バークのロビショー!ハップ&レナードの未訳続き!あー遅ればせながらのトム・ボウマン ファレルシリーズの続きは書かなきゃいかんなあ。 あとスプラッターウエスタンについてはその後もう2冊読んでるんだが、これもう書いてから次読むでは到底間に合わんのでいつかまとめてやるつもり。うん、つもり…。
あー、結局なんかきりがないや。オレ常時最優先で読まなきゃと思ってる本が4~50冊あって、しょーがないから微妙に時系列順に並べ直して読んでるような状態やし。なんか突発的に思い付いたもんを読んで 突発的に書くこともあるかもしれません。あー、とにかく読むぞ!あれもこれも絶対読むぞ!

なんかね、こういうこと言うのなんだが、自分の中でコミックと小説の重要度は常に同じなのだが、こう書けないのが続いて行くと、まず自分がこだわってる小説の方はオレがやらなきゃ他に誰もやってくれん けど、コミックの方はいつか誰かやってくれるかもな、みたいな考えが浮かんできちまう。オレがやんなきゃ誰が自費出版のAdam Howe君の大傑作のことを日本に伝えるんだよ?でもやっぱりコミックも 本当に好き出し、できればなるべくこういう素晴らしい作品の助けになりたいとは思う。なんかそういう事情なんで、このままやって行きたいという気持ちは高いけど、あんま切羽詰まったらコミック休んで 小説の方が続いちゃうという事態が起こりうることも今後ありうるのでご理解ください。まあそういう事態にならんように頑張って行くつもりです。うむ、釣りや草野球のような気持ちで。どっちもやったこと ないけど、楽しいんだろ?
さてここからは色んな方面を口汚く罵るコーナーになります。あんまりそういうの読みたくない人はこの辺で。8周年お付き合いただきありがとうございました。と、一旦行儀良く終わろう。


ついにノワールの謎解きが本格ミステリーを超えた!

昨年秋に新潮文庫より発行されたジョセフ・ノックス エイダン・ウェイツシリーズ第3作『スリープウォーカー』の帯に書かれた馬鹿馬鹿しいとしか言いようのないクソコピーだ。なんかこれが功を奏してだか 年末のミステリランキングでそこそこの順位になったようだが、そもそもこんなクソのような偏向ランキングの順位など何の意味すらない。年末本屋行ったらランキング貼り出してあったんで、あーもういいやと思って立ち読みすらしなかったしな。ここではもう8周年とかどうでもよく、ああもううんざりの日本の ミステリ評論愚物共の歪みっぷりをこのクソコピーを材料に罵倒するものである。

ではまず最初に「本格ミステリ」というところから始めよう。まずここで確認しておくのは、本格ミステリというのは本格的なミステリではなく、ハードSFはハードなSFではないという点だ。 本格ミステリというのは、基本的にはトリックに主眼を置いた古典的なミステリのこと。例えば密室とか、うーん…密室とか、えーと密室みたいなやつね。本格ミステリ信者は、その場の都合で本格の意味を 曖昧に都合よく使ったりするが、結局のところ最終的な作品評価にはこの基本を使い優劣を決めるわけだ。あー、ハードSFについては自分で調べて。
日本の本格ミステリの起源がどの地点なのかいまいちわからなかったが、やっぱ多く普通に流入してきた戦後の時代から一般化してきたのだろう。まあ主にそういう傾向の作品を創りたい、それこそがミステリの本流だと 考える創作者たちによってそう規定されたのだろう。そしてハードボイルド作品はそこからミステリの亜流、傍流とされたわけである。
だが、欧米での実態はどうか?日本で言う「本格」は衰退し始め、またチャンドラーはその評論・エッセイの中でリアリティの薄い謎解きミステリーからの脱却を提唱している。実際、後の歴史を見れば ミステリがリアリティの方向に動き現在に至ることは明白である。別にハードボイルドこそがミステリの本流であるなどと強引なこじつけをしているわけではない。しかし、あんたらの言う「本格」がもうその時点ですでに 本格ではなかったということは明らかだろう。
日本でもその後、60年代ごろからの社会派ミステリなどの台頭により、一時は「本格ミステリ」は衰退する。だが、1980年代頃だかに新たな作家の登場により復興。そして日本国内のみで人気ジャンルとして定着し 現在に至るというわけだ。一方、欧米ではそういった復興はなく衰退の一途をたどり、現在は過去のものとして古典(=Classic)と呼ばれている。
だが私は欧米が正しく、日本のケースが間違っているなどという意図で言っているのではない。そちらで廃れたものが日本で独自の進化をとげ、優れた作家を輩出するジャンルとなったなら、それは日本として 誇るべきものだろう。そもそもがこっちだって自分の好きな偏ったものにこだわって読んでるんで、人が何を読もうが信奉しようが批判するつもりは毛頭ない。
問題がどこにあるかと言えば、常に評論家を標榜する愚物共だ。
これまでにまとめてきたように、1).謎解きに特化したミステリを「本格」と呼称・定義するのは日本独自のもの、であり、2).日本で言う「本格ミステリ」は、欧米では衰退し、基本的には存在していない、わけだ。 当然、国外のミステリには国内のそれとは違う基準、評価方法が必要となってくる。だが、日本のこの愚物共は頑なに、強引なまでに海外のミステリをも日本の型枠に押し込み、その基準で評価しようとし続ける。 先に述べたように、日本でも一旦は「本格ミステリ」は衰退し、後に復興、再構築されている。だが、この愚物共はそこで新たなミステリ観を構築することもなく、そのまま終戦後に規定されたものを転用し、 現在に至ってももはや存在していない「本格ミステリ」が至高の頂点であるかのような見方で海外ミステリを評価・評論しているのだ。全く話にもならん!
ハードボイルドは、仮にチャンドラー以降と言っておくが、謎解きに特化したミステリとの決別、リアリズムという方向で進化し続けている。ハードボイルドが考えるのは、広義のミステリだ。つまり何らかの事態・ 状況(犯罪)が発生し、それが解決されるなどで平常に戻るまでを描くフィクション。そこには多くのバリエーションがある。犯人は見つかり明白だが、法廷に持ち込むための証拠がすべて抹消されている。 意図したトリックではなく、状況・人間関係などの要因で解決に至る道筋が困難になっている。などなど。様々なテーマ・社会問題を取り込み、謎を解いただけですべてが解決するわけではないリアルな世界を、 広義のミステリとして考え発展してきたのがハードボイルドである。謎解きが主眼となり、それが解かれれば物語が完結する「本格ミステリ」の視点ではこれらのバリエーションに対応することは不可能だ。
そのいい例、いや悪い例というべきか?を紹介しよう。以前にも書いたメキシコの作家、パコ・イグナシオ・タイボ二世の1994年に早川書房より翻訳された『三つの迷宮』という作品だ。その年の例のランキング本で この作品は愚鈍座談会の中で「解決が二つあってミステリとしてダメー」などという見当違いも甚だしい批判をされた。阿呆が!タイボの『三つの迷宮』は当たり前のように電気の供給さえ途絶えるメキシコの困難な 状況で地べたを這いずるような捜査を続けた主人公がやっと曖昧でしかない解決・結論にたどり着くという姿を、メキシコ国内からの視点で描いたハードボイルドの名作だ!
阿呆のやることはいつも同じだ。何か自分の思う正しい形を見本とし、それに合致しないものはそこに至らず失敗していると考える。タイボがどちらか決められなかったのではなく、意図的に解決を二つ作ったなんて 事は誰が見たってお前らのような愚鈍以外には明白だろうが!このレベルがいまだに居座ってふんぞり返ってミステリ本にランキングなどつけ続けているわけだよ。お笑い草だ!
もう少しわかりやすい誰でも知ってるような例を挙げとこうか。映画の『ドライブ』という作品は結構多くの人が観ていると思う。まあ日頃より私が軽蔑している映画言いたがりのレビューなんてものは、大半が 前世代の団塊の意見統一という悪習を継ぎ、お手本レビューの受け売りをあたかも自分の意見のように垂れ流しているものだが、中にお手本レビュー発布以前のフライングだか何だかで、全く見当違いのものが 見られる時がある。それは明らかにこの映画をボーン・シリーズのようなフォーマットに当てはめ、こーじゃない、こーなってないと批判しているつもりになっているようなものだ。つまりこの愚鈍共のやっている批判・批評と いうのはそんなバカぐらいの低レベルのものだということだ!
全ての作品にはそれぞれのテーマ・方法論・方向性があり、ひとつのフォーマットに当てはめて評価・批評することなど到底できない。すべての作品は常にそれらを考え読まれ、その独自の形に添った方向で 批評されなければならない。
比較的最近の作品、現代のハードボイルド最前線を疾走…、いや諸般の事情で現在若干停滞中だが、のエイドリアン・マッキンティ ショーン・ダフィ・シリーズ第4作(翻訳の出てる第5作は未読。好きな本は好きな時に 読む。未読で文句言われる筋合いはねえな)『ガンストリート・ガール』を例にとってみよう。あ、若干ネタバレある、ごめん。ある殺人事件を捜査するうちに、ダフィらは壁に突き当たる。様々な社会情勢・権力・暴力に 阻まれまともな証言・証拠は一切手に入らない。怒りに燃え、ヤケクソでダフィは全く法に準拠しない脅迫・買収といった手段で端緒を掴み、事件の中心人物たちに落とし前をつける。これは警察も手を出せない、 犯罪組織とも同列の武装組織が大手を振って歩き、弱体化した警察力ではまともな手掛かりも集められないという異常な状況下で、奮闘する主人公を描いた傑作ハードボイルドだ。そのテーマ・方向性により当然 多くのミステリ小説のように物語の進行に合わせパズルの断片のように手掛かり・証拠は都合よく集まらない。そして最終的な結末でも、発端の殺人事件の明確な犯人も特定できず、「本格ミステリ」が重視する ような侵入方法や殺害手段なども一切明らかにはされない。こんな作品(名作!)が毎年ワンパターンでホロヴィッツしか選べない連中に評価できるわけねーだろ。
ハードボイルドはそういった広義のミステリの中で、作家自身のテーマに合わせ、様々な方法を試行錯誤する。そもそも解決に至る基準などないそれらは、時に「本格ミステリ」に近づくこともあり、 時には全くかけ離れたものとなる。結果、日本の愚物共の本格ミステリ一次元スコープを通した目では、その狭量な基準にたまたま合った作品が見当違いな評価を受けることになる。そこへ来てこのクソコピーだ。
ハードボイルドの起源というか、その萌芽期とでもいうのは、アメリカで過去に出版されていた犯罪実話本というようなものらしい。ノワールと呼ばれるジャンルのもとである犯罪者を主人公とした犯罪小説も、 やはりそこから発生したものということだろう。同じ流れを汲み、同一ジャンルと見ても良いこれらはその初期からチャンドラーの提唱のように、謎解きミステリとは決別し、進化を遂げている。 つまり、ノワールが「本格ミステリの謎解き」なんてものを超えようとしたことなんてただの一度もねえんだよ!見ようによっちゃあそんなの退化じゃねえの?
このコピーがどこから出てきたのか、阿津川という作家の人の書いた解説からなのかも知らんが(繰り返すが好きな本は好きな時に読む。場合によってはネタバレもある解説なんてオマケを先に読む義理なんぞ一切ない)、 こんな目立つところにあたかも当たり前の正論のように書かれているという馬鹿げた事実。おめでとう、お前ら完全に翻訳ミステリ食いつぶしたわ。

この愚物共の最盛期、読書のプロ時代には多くの野良レビューが著しく劣化する。話にもならんよみにくい児童の大量発生、同じことをちょっとカッコつけて「無駄な記述が多い」とか言って見せる作文先生気取り、 果ては「ミステリと思って読んだらミステリではなくハードボイルドだった」などという小学生の感想文レベル。こんなんさあ、まだあーそれ見たことあるよ、って人が多い時期だから言えるけど、あと10年もしたら あまりのひどさにオレが捏造したとか思われかねないレベルじゃねえ?
さすがに最近は野良レビューもまともになってきてるように思われるが、まあ基本大してみないんだけど、なんか時々目に付くのがジェフリー・ディーヴァーの名前。結局ディーヴァーしか選べなかった読書のプロ時代の 犠牲者なんやろねえ。別にディーヴァー好きだっていいけどさあ、ディーヴァーと比べれば、みたいな考えに捕らわれてると、どっかの後期高齢者になってもジャック・ヒギンズやホークがスーさんがハマちゃんがしか 出てこないピークの過ぎたハリボテみたいになっちまうよ。
そして現在のホロヴィッツしか選べない読書のプロ末期症状時代が来てるわけだ。時間ないから読んだことないし、これからも読まんけど、まあホロヴィッツってそれなりにいい作家なんでしょ。まあわざわざくさすようなこと いうのもなんだけど、念のために言っとくとホロヴィッツこそ現代最高峰のミステリ、とか、ホロヴィッツ以外に評価できる作家が見当たらない、なんて言ってるの日本だけだからね。本国英国版だけで米版も出てないし、 どっちかと言えば世界的にはアレックス・ライダーの、っていう方が有名な人でしょ。どーでもいいけどあんなランキングしか見てないと世界のミステリ情勢全然わかんなくなっちゃうよ。今頃だと去年末ぐらいに 出てたあっちこっちの海外の読書サイトの今年のベストみたいなのがまだ新鮮だし、そーゆーのチェックしといたほうがいいよ。2021 mystery booksとかで検索すればいくらでも見つかるから。まあ、日本の何々が入ってた!って言って喜んで帰ってくるレベルじゃ意味ねーけどさ。
別にこっちだってベストセラーには程遠いインディーの本とか掘り出して読んだり勧めたりしてるんだから、ホロヴィッツが日本のみで突出して高評価だろうがどうでもいいんだが、このまんま読書のプロなんぞの ランキングあてにしてたら、確実に日本の翻訳ミステリ出版終わるよ。いずれ洋楽レベルに、つーかもうそのレベルまで落ちてるのかな。あちこちで本屋に行ってもコーナーは縮小され、お年寄り向けの復刻本ばかりが 目立つなんて時代もうすぐそこまで来てんじゃね。出版社なんて勝手につぶれたり配置転換しようが知ったこっちゃないが、楽しく読んでる人にはホント迷惑だよね。まあその迷惑続きでミステリの翻訳出版が 読書のプロ時代に果てしなく右下がって行ったわけだよね。
なんかさあ、もうあれだよね、配信終了間際のソシャゲとかそんな感じ。これまで楽しかったから配信終了までみんなで楽しみましょう。あと少しだけどいい本出たら買って読みましょう。まあクソランキングにも、 日本の出版社にももうなんも期待してないんでとっとと終わってくださいや。

最後にちょっと楽しい昔話でもして終わりましょうか。(『野獣死すべし』の松田優作風)

むかしむかしある国に大変聡明な王様がいました。ある時、お城に外国からの旅の仕立て屋が立ち寄り、王様に謁見を求めました。文化に関心が高く、外国のファッションにも興味があった王様は、早速その仕立て屋 の謁見を許可しました。仕立て屋は王様に言いました。
「私は王様がこれまで見たこともない素晴らしい洋服を仕立てられます。ただし、その服は馬鹿者には一切見ることができません。」
大変興味をそそられた王様は、早速その仕立て屋に洋服を仕立てるよう言いました。

数日後、仕立て屋は王様が見たこともない繊細でかつ豪奢な、世にも美しい洋服を持って現れました。
「これは素晴らしい!早速わが国民にもお披露目しようではないか。」

そしてその素晴らしい服を身に着け、王宮前広場で待つ国民の前に現れました。ところが…。
国民の多くは馬鹿すぎて王様の素晴らしい洋服を見ることができませんでした。そしてその中で、国中でも声のでかさだけが取り柄で知られる馬鹿者の少年が声を上げました。

「王様の服なんて見えないぞ!王様は裸じゃないか!裸だ!裸だー!よみにくい!よみにくいー!マーク・グリーニーにくらべれば!無駄な記述が多い!ウィリアム・ギブソンが読めないのは翻訳がわるい!警察呼べ! 解決が二つあるからミステリとしてダメー!純文学ノリだといちゃもんをつける!スティーブン・キングなんてホメホメおじさん!ついにノワールの謎解きが本格ミステリーを超えた!」

周りの空気読みどもも少年の言葉に安心し、賛同しました。

こうして多数決で王様は裸ということになってしまい、王様は残念ながらその素晴らしい服を二度と着ることはなく、クローゼットの奥にしまわれたとさ。

というところで終わりです。ではまた。

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