2017年3月11日土曜日

Tillie Walden / A City Inside -1996年生まれの恐るべき才能!-

これは凄い!これについてはなんとしても早く書かなければ、と思い急いでやりました。1996年生まれ、テキサス州オースティン在住の女性コミック作家Tillie Walden(ティリー・ウェルデン)による、近年注目度も上昇中のイギリスのパブリッシャーAvery Hillから昨年発行された現在最新作である『A City Inside』です。

物語はある女性の内面世界を彼女自身の語りで綴ったもので、50ページほどの作品の内容をあまり詳しく書いても興を削ぐだけだと思います。テキサスの田舎の大きな古い家で生まれ育ち、15歳でその家を出た彼女の、過去、現在、未来が幻想的ともいえる美しい風景の中で語られて行きます。コマも割と大きかったり、語りもそれほど多くなかったりで、お休みの朝起きて、メシは昼過ぎでいいや~などと思いながらゴロゴロしてて、そうだこれをちょっと読んでみようと思いついて30分かそこらで読み終われました。しかし読んでいるうちにその一つ一つのあまりにも美しく情感あふれる画と語りに引き込まれ、そのあまりの美しさに涙まで出てきました。悲しい話とかじゃないのですが。この優れたイメージと、それをひとつひとつ画として実体化する能力。一つ一つのコマにいつまででも見ていられるような引き込まれる魅力がある。本当に素晴らしい、凄い才能。絶対に読む価値のある作品です。つーか、私はこういうことあまり言わない性格なのはご存じでしょうが、敢えて言うがこれは絶対に翻訳出版すべき作家・作品であり、もうそれも進んでいるのかもしれない。そう思って調べてみたのだけど、ざっと検索してみたところまだ日本語で書かれた記事はすぐには見つからず、それならば、と急いで書いた次第ですが、よく考えるとこんな素晴らしいものを早めに書いたのがオレで良かったんだろうか?まあ殺伐としたノワールや、コミックでもバイオレンスやホラー方向によりがちな私の傾向からもお分かりの通り、どちらかというと内省的というのも大雑把な分け方かもしれないけどそういう傾向の作品はあんまり得意じゃなく、近年海外での評価も高くなっている浅野いにお氏なんかも割と初期のころ読んで優れた作家ではあるけど、若手の純文学や映画監督なんかと共通のある種の甘さについていけなくて以来敬遠していたのだけど、そういうのや手を付けていなかった女性作家の作品などもまた読んでみようかと思わせるほどの力のある作品でした。

あとちょっと急いだのにはもう一つ理由があって、現在iPadのみのリリースなのですが、イギリスのコミックのアプリ・ショップSEQUENTIALがセール中で、こちらの『A City Inside』もセールに入っており、なんと240円で購入できます!明日(2017年3月12日)まで…。先週からやってたんだからもっと早く言えよ!とりあえずこの機会に一人でも多くWaldenさんの作品に触れられればと…。Waldenさんの現在までの他2作(『The End of Summer』、『I Love This Part』)もセール中です。

作者Tillie Waldenについては、ちょっと急いだのであまりわかっていないのだが、昨年Ignatz Awardを『The End of Summer』で受賞。かなり気になっているAvery Hillの中でも現在イチオシの感じで注目してはおりました。1996年生まれで、まだ20歳か21とずいぶん若い才能。なんでもCenter for Cartoon Studiesというコミックの学校を最近卒業したばかりらしい。日本のMangaも好きで、最近日本に来たようなことをツイッターで言ってたりもしたようなので、結構日本には近い人なのかも。さっき初めて行ったばかりのWaldenさんのホームページではいくつか小さい作品も読めるようです。まだ若き恐るべき才能のTillie Waldenさんについては、いずれ日本でもやたらと人を罵倒して回ったりスキあらばギャグを挟もうと図ったりしないインテリジェンスと正気度の高い人たちによって絶賛され始めることでしょうが、現在のところはしばしこのボンクラの情報でなんか面白そうだな、と思って必ず読むべし!

3周年記念からまたしばらく遅れててすみません。まさかの『The Boys』日本版発売もあってか見に来てくれる人も増えているようで頑張らねばと思っているのですが…。一応遅れながらやってるいつものアレもあるので、もうすぐ何とかなると思いますので、遅れてる個人的事情についてはその時言い訳しますです。ということで今回はこれで。

Tillie Waldenホームページ

Avery Hill Publishing


●Tillie Walden



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