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2016年3月8日火曜日

マンガ翻訳者の告白 -The Comics Journalの記事より-

ちょっと面白い記事を見つけたので紹介します。The Comics Journalというサイトの"Confessions of a Manga Translator"というもの。水木しげるや松本零士、今敏などの作品を翻訳したZack Davissionが書いています。

Confessions of a Manga Translator

日本語を英語に翻訳する中でも、特にマンガのセリフについての難しさを色々な例も挙げて説明してくれています。結局、意味をちゃんと伝えようとすると、かなりの部分を新たに作り直さなければならないということ。
画像はZackさんが比較のためにあげていたのをそのまま使わせてもらいましたが、大変わかりやすい例ですね。日本人から見ればセリフの裏の意味はすぐ分かりますが、英語ではこういう形にしないときちんと伝わらないのでしょうね。
ただ縦のものを横にするだけではなく、言葉の性質や伝える側のメンタリティも考え、意味が正確に伝わるようにするという作業は本当に大変なものだろうと思います。
Zackさんによれば、一旦読んだものを更に頭の中でそれぞれのキャラクター達が話した声として聞き直すということ。松本零士の『クィーン・エメラルダス』をワグナーを聴きながら翻訳したというのもなかなかのもの。擬音の性質やフキダシのスペースの違いによる苦労なども書かれていました。
そして、文中に現れている彼の日本のマンガへの愛情と、それを紹介したいという熱意には感動させられます。Zackさんの望むさがみゆきや諸星大二郎の翻訳も実現するといいですね。…しかし、さがみゆきってあのホラー漫画の人でいいのかな?日本の漫画ファンでも知らない人多いのでは…。

なかなか読めない貴重な記事だと思い、少し急いで紹介させてもらいました。ぜひ実物の方をお読みください。The Comics Journalはちょっと他とは違ったコミックの情報やレビューが読めるサイトで、日本のマンガについても一味違ったものが紹介されていたりもするので(Zackさんによるものかな?)知らなかった人はチェックしてみてはいかがでしょうか。

Confessions of a Manga Translator

The Comics Journal

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