今年2026年、第9回となるスプラッタパンクアワード、ノミネート作品が発表されました。いや、発表されてた…。例年、前年大晦日に自薦、他薦による応募が締め切られ、2月初旬ごろに発表されるというペースだったのだけど、今年はなんと1月15日とずいぶん早いところで、本選発表となるキラーコンのサイトにて (2026 Splatterpunk Awards - KillerCon)。
昨年、毎年ノミネート作品発表は2月初旬ということで、いつものようにこっちの周年が終わったところからチェックし始めたんだが、いつまで経ってもどこからも発表がなく、結局4月末になってやっとBrian Keeneのホームページで発表された。 まあその間こちらは虫垂炎で入院と輪をかけるようにバタバタしてしまったのだが…。前年の本選発表などの様子から、本来そっちでやるはずだったキラーコンのサイトの方の事情ではないかと察せられ、今年はどうなるんだろうかと思っていたのだけど、 なんかいつもより早く1月半ばにそちらのサイトで発表。サイトのデザインも一新され、昨年ごろのバタバタを踏まえ、スタッフを強化しきちんとやって行こうという意図が感じられる。いや、良かったっすね。
当方、なーんかあれこれ拗らせた感じで12周年かなり手間暇かかることをやってしまい、更に1月寒冷期のお約束のような体調不良、まあ去年のようなことにならんようにという予防的なところもありでペースダウンし、そこに加えて個人的な事情などもあり全然そっちに気が回る余裕がなかったのだが、その辺の遅れはまあ例年通りぐらいのというところで勘弁してください。
というところで、昨年のゴタゴタを乗り越え、ここからまた頑張るぞと気合を入れて、いち早く発表された感じの今年2026年第9回のスプラッタパンクアワード、ノミネート作品です。
2026 Splatterpunk Award ノミネート作品
【長編部門】
- At Dark, I Become Loathsome by Eric LaRocca (Blackstone Publishing/Titan Books)
- Janitors vs. The Living Dead by Sisters of Slaughter – Melissa Lason and Michelle Garza (Death’s Head Press)
- Music To Sacrifice Virgins To by Kristopher Triana (Bad Dream Books)
- The Buffalo Hunter Hunter by Stephen Graham Jones (Saga Press/Titan Books)
- The Home by Judith Sonnet (Madness Heart Press)
【中編部門】
- Disco Rice by Robert Essig (Infected Voices Publishing)
- Playground 2: Child of Divorce by Aron Beauregard (Bad Dream Books)
- Runts by Daniel J. Volpe (Bad Dream Books)
- Strange Stones by Edward Lee and Mary SanGiovanni (Clash Books)
- The Freakshow: Rebirth In Drayton Falls by Bryan Smith (Grindhouse Press)
【短編部門】
- “And She Was Made of Glass” by Lucas Milliron (from Full Throttle) (Uncomfortably Dark)
- “Executive Decision” by Christine Morgan (from Full Throttle) (Uncomfortably Dark)
- “Red Womb” by C.M. Guidroz (Independently Published)
- “The Tripps” by Wrath James White (from The End of the World As We Know It: New Tales of Stephen King’s The Stand) (Gallery Books)
- “Wrong Fucking Place, Wrong Fucking Time” by C. Robert Cargill (from The End of the World As We Know It: New Tales of Stephen King’s The Stand) (Gallery Books)
【短編集部門】
- Let Not Your Sorrow Die by Bracken Macleod (Bad Hand Books)
- Teenage Girls Can Be Demons by Hailey Piper (Titan Books)
- The Essential Horror of Joe R. Lansdale by Joe R. Lansdale (Tachyon Publications)
- This Is Splatterpunk: The John Skipp Primer by John Skipp (Fungasm Press)
- Violent Nights by Candace Nola (Uncomfortably Dark)
【アンソロジー部門】
- Choices: An Anthology of Reproductive Horror edited by Dianna Gunn (Renaissance Press)
- Full Throttle edited by Candace Nola (Uncomfortably Dark)
- Splatterpunk’s She Dotted Her Eyes edited by Jack Bantry (Independently Published)
- Stories From the Motel Sick edited by Michael Allen Rose (Roshambo Publishing)
- The Rack II: More Stories Inspired by Vintage Horror Paperbacks edited by Tom Deady (Greymore Publishing)
【J.F. GONZALEZ LIFETIME ACHIEVEMENT AWARD】
- Christine Morgan
- Ryan Harding
まず長編部門から。
Eric LaRoccaはデビューは2020年代でまだ新鋭というところだが、結構お馴染みで常連になり始めてきてる。ブラムストーカー賞などでもノミネート歴は多く、スプラッタパンク枠を超えたホラージャンルで大物になりつつある作家なのか。 早めに要チェックだろうな。
Sisters of Slaughterは、二人の女性作家Melissa LasonとMichelle Garzaの共同ペンネームということなんだと思われるが、実はこの二人2017年頃よりより連名のコンビ作家として活動しているが、このペンネームはまだあまり使われていないよう。 今後この名義でやって行くつもりなのかは不明。Sisters of Slaughterについて検索すると、有名なゲームウォーハンマーに登場するユニットとして出てくるが、このくらい有名なもんになるとそこから使ったぐらいのことはあるのかもしれん。
そしてこのアワード常連のKristopher Triana。昨年、ここでちょっとした旋風を巻き起こしたBad Dream Booksは健在で、三人衆の残り二人も中編部門でノミネートされている。
そして、Stephen Graham Jonesがスプラッタパンクアワードにも登場。なんか名前が引っ掛かって来る度に日本で出てないか調べるのだけど、現在までのところその様子はない。去年やっと一作読んだぐらいの自分が言うのもなんだが、Stephen Graham Jonesも 出ないようじゃ、日本の翻訳出版業界もう終わりじゃない?
Judith Sonnetの『The Home』は昨年ミスによりフライングでノミネートされてしまい、本選考から外れることが告げられたが、今年は正式にノミネート。
続いて中編部門。
前述の通り、Bad Dream Books三人衆のAron BeauregardとDaniel J. Volpeが、こちらの中編部門でノミネート。Beauregardの『Playground 2: Child of Divorce』は、2023年の長編部門を受賞した『Playground』の続編。
Robert Essigは昨年に引き続きの、中編部門でのノミネート。
まだまだ頑張るEdward Leeと『Strange Stones』を共作したMary SanGiovanniは、こちらでは初登場だと思うが2000年代初頭からブラムストーカー賞ノミネートを含む多くの著作があるホラー作家。
そして常連Bryan Smithは、こちらもまだ健在のGrindhouse Pressから。
短編部門では、アンソロジー『Full Throttle』と『The End of the World As We Know It: New Tales of Stephen King’s The Stand』から2作ずつがノミネート。
ニューヨークタイムズベストセラーの『The End of the World As We Know It: New Tales of Stephen King’s The Stand』とかは翻訳される可能性もあるのかもね。
短篇集部門。
『Let Not Your Sorrow Die』のBracken Macleodはなんか見覚えのある名前だな、と思っていたら、クライム方面で『ThugLit』や『Shotgun Honey』といったところにも作品を出してる人だった。
『Teenage Girls Can Be Demons』のHailey Piperは、2020年代からのまだ新鋭というところだが、作品数もそこそこあり英大手Titan Booksから出てるところを見るとEric LaRocca同様にもう少しメジャーなとこでも人気の作家なのかも。なんだか そっちの方の情報が全くない奴なんで申し訳ない。
『The Essential Horror of Joe R. Lansdale』はリストの中で唯一ペーパーバックのみなんだが、ランズデール作品ハップ&レナードの短篇集などを出してるお馴染みのTachyon Publicationsからで、まああんまり大きくないとこなんで電子書籍版は 出ないと思う。
そして2021年のJ.F. GONZALEZ LIFETIME ACHIEVEMENT AWARDにも選ばれたスプラッタパンクの重鎮ジョン・スキップの短篇集『This Is Splatterpunk: The John Skipp Primer』。このカッケーカバーを今回のトップ画像に。
短篇集『Violent Nights』と編集したアンソロジー『Full Throttle』がノミネートされているCandace Nolaも、2020年代登場の新鋭作家。この辺ちゃんとチェックしていかんとね。
アンソロジー部門。
『Choices』は作家・編集者であるDianna Gunnのセレクトによるアンソロジー。あまり知った名前はないんだが、彼女が注目する新しい作家というところが多いのだろうと思う。
『Splatterpunk’s She Dotted Her Eyes』はSplatterpunk Zine編集者であるJack Bantryセレクトによる過去作品のベスト的なものらしい。このジャンルのビッグネームも多く、入門用にもいいのかも。
『Stories From the Motel Sick』は、ワンダーランド・ブック・アワードの方でも結構常連のビザールフィクション作家Michael Allen Rose編集による、架空のモーテルMotel Sickで起こった出来事というくくりで様々なジャンルにわたる 作家の作品を集めたアンソロジーということ。なんか個人的には一番気になるかも。
『The Rack II: More Stories Inspired by Vintage Horror Paperbacks』はタイトル通りヴィンテージホラーペーパーバックからインスパイアされた作品によるアンソロジーの第2集。第1集『The Rack: Stories Inspired By Vintage Horror Paperbacks』は 前年2024年に出版。どちらも結構ビッグネームもあり、楽し気なアンソロジー。
最後にJ.F. GONZALEZ LIFETIME ACHIEVEMENT AWARD。
もはやこのアワードでも常連お馴染みの、スプラッタパンク/エクストリームホラーの重鎮Christine Morgan。本業は精神科医の女性作家であることを昨年のワンダーランド・ブック・アワードまで知らず、根拠もなしにむさくるしい髭のおっさんだと 思い込んでいた…。
Ryan Hardingもお馴染みの名前だが、実はEdward Lee、Jack Ketchum、Brian Keeneなどの大物作家との共作が多く、ジャンルを下支えしてきた重要な人という感じ。
ニューヨークタイムズベストセラーから俺たち出版社までが並ぶこれは、まあ色んな意味で健全なアワードと言えるのではないか。扱ってるものは世界有数の不健全だが。2020年代登場の新鋭作家達も足場を固めつつあることが見て取れる今年の スプラッタパンクアワード、いかなる作品がその頂点となるのかに注目せよ。
本選の発表は、今年は11月6-8日にテキサス州オースチンで開催されるキラーコンにて。例年8月開催だったのが今年は11月に変わり、その理由も今後は11月になるのかも現在のところは不明。結構運営の方がバタバタしていたような昨年の状況による 遅れとも考えられるが、猛暑の盛りにこんないかにもむさくるしい危険人物たちを一か所に集めるのが危険行為だと気付かれたのかもしれん。同時期のワンダーランド・ブック・アワードとも重なり、年の瀬辺りにバタバタしそうだが、発表の際には こちらでもなるべく早くお伝えします。
9年もやっててさすがに記憶も曖昧になって来て、いちいち探すのが面倒になりコピペで全部並べて一覧を作ったところ、読んでる人もこういうのがあった方が便利だろうと気付いて、そちらもとりあえず形にして、下にアップしました。 まあ、早く気づけよだろうけど…。
12周年の後、発表されているのを発見しすぐに取り掛かり、精々3日ぐらいでアップできるだろうと思ってたんだが結局一週間というような体調と諸般の事情というような状況だが、何とかやっとここで一区切り。ここからはこっちの本店も コミックの方も通常運転に戻して行ければというところ。まあまだ色々とモタモタしそうではあるが…。ホントDerek Raymondいつになったらできるんだろう…。できるだけ頑張るですよ。
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