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2024年8月15日木曜日

2024 スプラッタパンク・アワード 受賞作品発表!

2024年第7回となるスプラッタパンクアワードの発表です。今年もテキサス州オースチンにて8月9日-11日に開催されたキラーコンにて発表されました。
8月9日-11日といえばオリンピックも終盤。なんかそういうのに背を向けたアメリカの駄目な人たちが全員集合した感じのコンベンションだったのでしょうね。いや、俺たち毎年これやってんだかんね!というとこだろうけど。
オリンピックといえば、今回そんなに盛り上がってなかったんかな?よく知らんけど。なんか私みたいなルールもよくわからん競技をよくわからない国の人たちが頑張ってやってるのをボーっと見てるのが楽しいという人にも 割と楽しく見れる感じの放送が多く、夕飯の時とかにボーっと見てたりすることも多かったです。あと、男子の見てても特に思わないのだけど、女子のハンマー投げを見てるとこの凶器で粉みじんにされて殺される!という危機感を 感じるのは、何か自分の性癖に関わるものでしょうか?

さて本年のスプラッタパンクアワード。しばらく続いた新型コロナ状況からの底という感じだった昨年に比べ、復帰のみならず、何か商業的な方向で一段階だか0.5段階ぐらいだかグレードアップした感じというような曖昧な印象を ノミネート時にお伝えしたと思うけど、うまく伝わらなかったかな?というところですが、いかなる結果となりましたでしょうか。

2024 Splatterpunk Award


【長編部門】

  • Maeve Fly by C. J. Leede (Tor Nightfire)
  • The Night Mother by John Everson (Dark Arts Books)
  • Pedo Island Bloodbath by Duncan Ralston (Shadow Work Publishing)
  • Dead End House by Bryan Smith (Grindhouse Press)
  • Along the River of Flesh by Kristopher Triana (Bad Dream Books)

【中編部門】

  • Snow Angels by Lucas Mangum (D&T Publishing)
  • The Bighead’s Junk by Edward Lee (Evil Cookie Publishing)
  • Smokey Elvis and Danzick Battle Swamp Ass by Lance Loot (Independently Published)
  • Sirens and Seaweed by Candace Nola (Uncomfortably Dark Horror)
  • Bowery by Matthew Vaughn (Independently Published)

【短編部門】

  • “My Octopus Master” by Stephen Kozeniewski (from Dead and Bloated, Evil Cookie Publishing)
  • “Blood Harmony” by Chet Williamson (from The Drive-In: Multiplex, Pandi Press)
  • “Unfound Footage” by Patrick Lacey (from Splatterpunk’s Basement of Horror, Splatterpunk Zine)
  • “Hide/Invert: A Saga In Ten Reels” by David J. Schow (from The Drive-In: Multiplex, Pandi Press)
  • “The Night People” by Bryan Smith (from The Gauntlet, Grindhouse Press)

【短編集部門】

  • Transcendental Mutilation by Ryan Harding (Death’s Head Press)
  • Something Very Wrong, Jonathan Butcher (Independently Published)
  • Woe To Those Who Dwell On Earth John Lynch (High Explosive Horror)
  • Gush: Tales of Vaginal Horror by Gina Ranalli (Madness Heart Press)
  • Beautiful Darkness by Jay Wilburn (Madness Heart Press)

【アンソロジー部門】

  • We're Here: An Anthology of LGBTQ+ Horror edited by Angelique Jordonna and James G. Carlson (Gloom House Publishing)
  • Splatterpunk’s Basement of Horror edited by Jack Bantry (Splatterpunk Zine)
  • Blood and Blasphemy edited by Gerri R. Gray (Hellbound Books)
  • Dark Disasters edited by Candace Nola (Uncomfortably Dark)
  • Dead and Bloated edited by K Trap Jones (Evil Cookie Publishing)

【J.F. GONZALEZ LIFETIME ACHIEVEMENT AWARD】

  • Wrath James White
  • Ray Garton
  • Craig Spector


まず長編部門から見て行くと、ノミネート時にほぼ表紙買いスタンスで注目していたC. J. Leedeの『Maeve Fly』が受賞。これがデビュー作だが、結構他のホラー関連賞でも受賞やノミネートがあるようで、業界的には新たなスターの誕生ぐらいの注目があるのかも。
版元Tor Nightfireだが、米SF系大手出版社であるTor Booksが2021年に設立したインプリントで、そっちのほう疎くて Tor Booksについても前回Neo Text関連で知ったぐらいなんだが、まあ日本語のWikiがあるくらいのところ。
そのくらいのところがこっちジャンルに力を入れてきたというのもスプラッタパンク/エクストリームホラー業界では、かなり多きな動きなのだろうね。イマイチ把握できてなくて申し訳ないんだが…。
で、そこからの大型新人が長編賞を受賞というのが現在の状況なのだろう。早々と英国Titan Books版が出てるあたりも、最初から注目度が高かったと窺える。今回はトップの画像にTor Nightfire版、部門の画像にTitan Books版を使いました。

中編部門はLucas Mangumの『Snow Angels』。Lucas Mangumは、2020年長編、2021年中編にノミネートあり。少し久しぶりなので初登場かと思ってしまった。
版元D&T Publishingは、ちょっと調べてみたところ、インディペンデントの小さなところだが、昨年中編賞受賞のDaniel J. Volpe作品なども多く出しているところで、今後このシーンで重要性を増して行きそうな要注目パブリッシャーかも。

短編部門はタイで2作品が受賞。両方出すレイアウトがちょっと面倒なので、『The Drive-In: Multiplex』の方だけ使わせてもらいました。
Chet Williamsonの「Blood Harmony」の方が収録されているアンソロジー『The Drive-In: Multiplex』だが、ノミネートの時にも触れたが、かのランズデールのファミリー出版社であるPandi Pressからの、大御所の代表作の一つである『The Drive-In』三部作 からのインスパイアのアンソロジー。ノミネート時にはまだ出てなかったKindle版も発売され手に入りやすくなりました。
ランズデール本人や、息子キースの他、少し前Jon Bassoff『Corrosion』の時にいくつか名前を出したホラー-クライム系の作家の名前なども並び、S・A・コスビーも参加。コスビーという人は、そこそこ下積みもあるんだけど、かなり一気にビッグネーム ぐらいになったという自覚も強いようで、色々なところに積極的に参加してる感じある。
なんとか早く読んでみたいアンソロジーなのだけど、それなら『The Drive-In』三部作の方先に読まなくちゃ、というところもあったり。今三部作の合本版も出てるしね。

なんかタイ同時受賞のStephen Kozeniewski「My Octopus Master」の方をないがしろにしてる感じで申し訳ないのだが、こちらはノミネート時にも触れたアンソロジー部門にもノミネートされている『Dead and Bloated』という水難テーマのアンソロジーから。
Stephen Kozeniewskiという人も短編方面では結構名前をよく見てる人だと思うんで、ここからワンステップ上がって行けるといいっすね。
スプラッタパンクアワード常連ぐらいのEvil Cookie Publishingからのアンソロジーで、割と偏った限定テーマアンソロジーにもかかわらず結構豪華にお馴染みの名前も多数登場しています。

短篇集部門はRyan Harding『Transcendental Mutilation』。Ryan Hardingという人、名前はよく見る気はするが今一つ作品自体の印象が薄かった気がして、調べてみたら共作というのが多い。エドワード・リーの『Header3』とか。2020年には中編部門の Lucas Mangumとの共作で長編部門にノミネート。
アンソロジーも多く、短篇集といえど激戦区であろうこのジャンルで、遂にソロ作品で受賞を勝ち取った成果は大きいだろう。ここからさらに大きなタマでの活躍が期待される感じ。

そしてアンソロジー部門では、LGBTQテーマの『We're Here: An Anthology of LGBTQ+ Horro』。
先にも書いたように、もしかすると最大の激戦区かもしれないアンソロジー部門で受賞を勝ち取るには、一般常識社会で考えられるような「社会的意義」みたいなもんでは到底届かないはずだ。何でもありぐらいのこのジャンルで、敢えてLGBTQを打ち出している このアンソロジー、できれば何とか読んでみたいぐらいのものだが、LGBTQ真面目に取り組んでる人から見ると、かなりひどい「悪書」の可能性はあり。

その他、ジャンルの功績者を称えるJ.F. GONZALEZ LIFETIME ACHIEVEMENT AWARDですが、ノミネート時文章の中でよくわからなかったのだけど、Brian Keeneと共にこのアワードを立ち上げたWrath James Whiteも選ばれていた様子です。今回からキラーコンの ホームページが公式発表になったみたいだけど、分かりにくい!受賞発表まだだし。今回の発表については、 作家Lionel Ray Green氏のホームページの記事を参照させてもらいました。


ということで、何とか自分にわかる範囲ぐらいの感じですが、2024年第7回となるスプラッタパンクアワードの受賞作発表についてお伝えしました。
相変わらず作品の方はなかなか読めずという半端な状態ではありますが、まあ始めたもんなので今後も責任を持って続けて行く所存です。んー何とか読まないとね。


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