■ジョニー・ショー/負け犬たち
遂にこれが登場であります!私が読んでなくても絶対傑作なのでおススメ!と言い続けてきたジョニー・ショー『負け犬たち』!いやー、この本との出会いは結構衝撃的だったのだけどさ。2014年かこのブログを始めた頃からジョニー・ショーについては短編などを目にして注目しており、2016年春、満を持して読んだJimmy Veeder Fiascoシリーズ第1作『Dove Season』を大絶賛した回を週末にアップロードし、月曜日に本屋に寄ったらこの本が出てるのを発見したという次第なのである。おーい!ジョニー・ショー出てるぞ!と大騒ぎしたが、私ジョニー・ショーについては文章も大変好きなので、原書から読みたいんでしばらく先になるんですが、絶対面白いから絶対に読め!という前代未聞、読んでもない本を絶賛しておススメ状態となっていたのでした。だが遂に読んだよ!えーと、引っ越す前だから一昨年の秋ぐらいだったか?一昨年?ま、いいか…。いや、なんだよこれ?スゴイじゃないか!万全の期待と傑作との絶対の確信ぐらい持って読んだが、それをさらに200%上回る大傑作!打ちのめされ傷つき失うものは命しかない3匹の負け犬が、禁断の地に眠る伝説の黄金を目指す!ムチャクチャ笑って泣く世紀の大傑作!これを読まずして何を読むというんだい?実はさあ、やっと原書の方読んだけど、翻訳版まではまだ手が回らず未読なのだが、これはたとえ少し翻訳が上手く行ってないなどということがあったとしても、そんなことで失われる恐れもない大傑作である!ワシがこれまで書いてきたのも、この後のも、まあ読者を選ぶかもしんないな、というところはあるかもしれん。だが、これは誰が読んでも感動する万人におススメの大傑作である。迷ってんならまずこれ読め!絶対読め!そしてもう一つ、絶対の確信をもって言おう!これはかの内藤陳大師匠がご存命ならば、必ずや絶賛し年間ベストナインの一角を任せた「冒険小説」の傑作である!こんなもんも見つけられないくらいなら、もう「冒険小説」なんて言うのやめちまえよ。結局もう上から下まで全部「マーク・グリーニーに比べれば」とかスケール小さいクレイマーレベルなんだろうね。かの先生お得意の説で言うならば、「冒険小説宣言」とやらをしたところがピークで、そこから延々と劣化が進み、もうとっくに終わってるべきってところなんだろう。あー、やめちまえやめちまえ!
まあ、救いようのない連中は放っといて、なかなか日本には伝わらなそうなジョニー・ショー先生の輝かしい活躍の一つについてちょっと紹介しておこう。2012年から2013年にかけ、ショーが作家活動を休業し、編集に取り組んだ伝説の(また出たぞ、伝説!)アンソロジー『Blood & Tacos』全4集である。アンソロジー第1集の冒頭で、ショーはこう宣言する。マック・ボラン、デストロイヤーなどの70年代メンズアクション・ノベルのペーパーバックこそがパルプの伝承者だ。我々はガレージや物置の隅で眠っていたそれらを見つけ出し、叫ぶのだ。「やった!見つけたぞ!」時に埋もれたそれらの宝石を発掘し、皆で叫ぼうではないか!「見つけたぞ!」この声に応えたパルプ・フィクションを愛するつわものどもが自らが「発見した」忘れ去られた(もしくは誰も見たことがない)名作を手に参集する。その面々は現代ノワール/クライムフィクション作家版『大脱走』ともいうべき豪華な顔ぶれ。あー、念のため言っとくけど「発見した」の意味みんなわかるよね?この伝説の傑作アンソロジーは現在のところまだ一冊99~100円にて入手可能。あんまり英語に自信がなくてもとりあえず買っとけ!
あと、Jimmy Veeder Fiascoシリーズ第1作『Dove Season』がいかに素晴らしい作品であるかなどについては、下のリンクから見て下さい。この『負け犬たち』はもっと読まれるべき作品であるし、ジョニー・ショーももっとたくさんの作品が翻訳されるべき作家である!
- Dove Season -Johnny Shaw作 Jimmy Veeder Fiascoシリーズ第1作!-
- Blood & Tacos -70年代Men's Adventureリスペクトアンソロジー-
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