■ジョニー・ショー/負け犬たち

そしてもう一つ、絶対の確信をもって言おう!これはかの内藤陳大師匠がご存命ならば、必ずや絶賛し年間ベストナインの一角を任せた「冒険小説」の傑作である!こんなもんも見つけられないくらいなら、もう「冒険小説」なんて言うのやめちまえよ。結局もう上から下まで全部「マーク・グリーニーに比べれば」とかスケール小さいクレイマーレベルなんだろうね。かの先生お得意の説で言うならば、「冒険小説宣言」とやらをしたところがピークで、そこから延々と劣化が進み、もうとっくに終わってるべきってところなんだろう。あー、やめちまえやめちまえ!
まあ、救いようのない連中は放っといて、なかなか日本には伝わらなそうなジョニー・ショー先生の輝かしい活躍の一つについてちょっと紹介しておこう。2012年から2013年にかけ、ショーが作家活動を休業し、編集に取り組んだ伝説の(また出たぞ、伝説!)アンソロジー『Blood & Tacos』全4集である。アンソロジー第1集の冒頭で、ショーはこう宣言する。マック・ボラン、デストロイヤーなどの70年代メンズアクション・ノベルのペーパーバックこそがパルプの伝承者だ。我々はガレージや物置の隅で眠っていたそれらを見つけ出し、叫ぶのだ。「やった!見つけたぞ!」時に埋もれたそれらの宝石を発掘し、皆で叫ぼうではないか!「見つけたぞ!」この声に応えたパルプ・フィクションを愛するつわものどもが自らが「発見した」忘れ去られた(もしくは誰も見たことがない)名作を手に参集する。その面々は現代ノワール/クライムフィクション作家版『大脱走』ともいうべき豪華な顔ぶれ。あー、念のため言っとくけど「発見した」の意味みんなわかるよね?この伝説の傑作アンソロジーは現在のところまだ一冊99~100円にて入手可能。あんまり英語に自信がなくてもとりあえず買っとけ!
あと、Jimmy Veeder Fiascoシリーズ第1作『Dove Season』がいかに素晴らしい作品であるかなどについては、下のリンクから見て下さい。この『負け犬たち』はもっと読まれるべき作品であるし、ジョニー・ショーももっとたくさんの作品が翻訳されるべき作家である!
- Dove Season -Johnny Shaw作 Jimmy Veeder Fiascoシリーズ第1作!-
- Blood & Tacos -70年代Men's Adventureリスペクトアンソロジー-
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