前回すぐやると言った割には遅くなって申し訳ない。どうもワンダーランド・ブック・アワード関連の情報、去年までBizarro Centralの中に掲載されてたんだが、今年から BizarroConのホームページということになったようで、そちらを毎日チェックしてたんだが、いつまでたっても更新されず、11月の14日深夜ぐらいになって、File770の方に掲載されやっとわかったという次第。
File770というのは、もしかしたら自分より良く知ってる人も多いのかもしれないのだけど、結構歴史のあるらしいSF系のファンジンのサイトで、現在はMike Glyerという人がやっているらしい。なんかもう一方でやってる スプラッタパンク・アワードもなかなか発表されないうちにこちらで教えてもらうことも多いんだが、ちょっといい加減な説明になってしまっていたらごめんなさい。SFやホラー系のコンベンションや、賞の情報などかなり手広く教えてくれる 大変ありがたいところ。
というわけで、最近になってこれもちゃんとやらなくてはと思い立ち、調べたらもうすぐじゃんぐらいになって、やや大慌て、やっつけ感あるぐらいで申し訳ないんだが、ワンダーランド・ブック・アワード2024の各部門受賞作/作家のわかる限りの 概要と、ファイナリスト各部門5作品についてぐらいのところでやって行きます。
■Wonderland Book Awards 2024
短篇集部門
●All I Want is to Take Shrooms and Listen to the Color of Nazi Screams by John Baltisberger (Planet Bizarro)
「私は4歳のとき、最初のナチを殺した。それは芸術ではなかった。私が向精神性の殺人の喜びを知るのは、もっと先になってからだった」
こうして筆者の不気味で血まみれの回想録は始まって行く。
ある部分は回想録、そして小説、そして短篇集。『All I Want is to Take Shrooms and Listen to the Color of Nazi Screams』は単なる書籍以上のもの、それは一つの人生の在り方だ。
John Baltisbergerは、多くユダヤ的要素に焦点を当てた、スペキュレイティブとジャンル・フィクションの作家。彼の作品は、神秘主義、信頼、罪、そして自己責任といったテーマへの探求として執筆されている。
2018年より多くの作品を出版し、受賞歴も多い。2021年にはスプラッタパンク・アワードに短篇集『War of Dictates』がノミネート。ホラー系パブリッシャーMadness Heart Pressのエディターでもある。
とりあえずはこんなところか?作品解説について、わけがわからんという声も多そうだが、まあ読んでもいない作品でアマゾンの解説からではこんなものかと。そもそもそんなにわかりやすいものでもないだろうし。
以下はファイナリストに残ったほかの4作品。
- What Remains When the Stars Burn Out by P.L. McMillan (Salt Heart Press)
- Gush by Gina Ranalli (Madness Heart Press)
- An Altar of Stories to Liminal Saints by Rios de La Luz (Broken River Books)
- Bizarro Classicks by Emma Alice Johnson (Freak Tension Books)
長編/中編部門
●Edenville by Sam Rebelein (William Morrow)
グースバンプス meets スティーブン・キング at Edenville大学!そこにやって来た若き野心家のホラー小説家である新任講師が、血塗られた町の歴史を発見する。図書館の地下の秘密結社、異次元と正体が蜘蛛である人々…。
Sam RebeleinはGoddard Collegeでクリエイティブ・ライティングの芸術修士の学位を得て卒業。ゲーム『The Last of Us Part II』でなんか受賞(詳しく書いてない…)という経歴を持つ人らしい。これまでに多くの短編を書き、 短篇集も出版されているが、長編はこれがデビュー作となる。
短篇集部門の方より少し分かりやすいかと思ったので、作品解説短め。大体こんな感じならわかるよね。グースバンプスについては私同様知らない人もいるかと思うが、1992年から出版されているR・L・スタインによる大人気児童向けホラー小説シリーズ ということ。日本では10巻まで出たが、本国では62巻が出版され、スピンオフなんかも含めると240作とかになるらしい。
米メジャーであるWilliam Morrowから出版され、英国版もTitanから出版。スプラッタパンク・アワードでも同様のがあったけど、この辺ももはやマイナージャンルからもう少し広いところに浮上し始めてるのかも。ちなみにこっちに画像が出てるのが 米William Morrow版で、下のリストの方が、やや安い英Titan版。アメリカで出たものがイギリスで出ると少し安くなるのが通例だけど、逆のケースだとあんまり安くなんないよね。
以下はファイナリストに残ったほかの4作品。
- Glass Children by Carlton Mellick III (Eraserhead Press)
- Soft Targets by Carson Winter (Tenebrous Press)
- The Last Night to Kill Nazis by David Agranoff (CLASH Books)
- Elogona by Samantha Kolesnik (WeirdPunk Books)
というわけで、とりあえず何とか始めてみましたのワンダーランド・ブック・アワード2024でした。やっぱり少しでも掘り下げてみると、これ読んでみたいとなるものだね。
まだまだ全然わからんという感じだけど、何とか少しずつでも読んで深く探って行かねば。なんだか読まねばと思うものを山積みにしてると、読めないという思いばかりが前に出るんだけど、最近になって明らかに重要作なのに、 書けないから先送りになってたようなもんも多いと気付いたり。何とか頑張って読んで次々書いて行かねばと思うばかりです。
ワンダーランド・ブック・アワードについては、ちょっと調べてみたところ、なんか9月ぐらいにノミネート各部門20作ぐらいが出て、10月にファイナリストが決まり、11月に受賞作発表ぐらいのやや慌ただしいペースのようです。 とりあえずその最初からやれるかは不明だけど、また来年もきちんと追って行かねばと思っております。
過去(2008-2023)の受賞作一覧はこちら→