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2024年7月23日火曜日

Neo Text特集

今回は以前より度々名前を出してた注目のパブリッシャーNeo Text特集です。

以前から色々言ってて何とか読まなければと、最近やっと『Hole』(Gerry Brown)と『Bloody Mayhem』(Jack Quaid)の中編作品2作を読み、ここからちょっと書いてみようかと少し調べたところ、やっとこの若干正体不明だった パブリッシャーの正体を掴み、これは頑張って推して行かねばと再認識してのこの特集なのですが、まずは私とNeo Textの出会いみたいなとこから始めた方がいいか。
発足が2020年ということなので、そこからまだ間もない頃だったのだと思うが、最初はそこであのRay Banksが映画の記事かなんか書いてるという情報を得て、見に行った。何しろ新作も出ないし、個人的に情報を発信してるとこもないし、 ぐらいのBanksなのですぐ飛びつくぐらいの感じで。そこでそのNeo Textがカルチャー関連の情報サイト的なものだけではなく、出版も目指しているところだと知る。まあその時は、最初にかのアンドリュー・バクスが発足祝いかなんかで 書いてくれた感じの短編と、他に数作ぐらいしかなかったんで、これからちゃんとやってけんのかなあ、みたいな感じだったんだけど。その時はRay Banksとの関係もわからず、ただイギリスの方で立ち上げられたもんでBanksの友達いるのかなあ、 ぐらいに思ってた。
あ、ちなみに現在はカルチャー関連の記事はなくなって、出版のみに絞られています。ちょっといつからだったか不明なんだけど、ちゃんとそこらの説明してなくてごめん。
そこから時々見に行ったりしばらくご無沙汰になってたりしたと思うのだけど、そのあたりのどこかの時点で結構増えて来た作品の中にあのEduardo Rissoがカバーを書いてる作品を発見!いやー、海外のコミックとかに疎い人とかだとわかんないのかもしれんけど、 あのEduardo Rissoだよ。なんか真似して描いてる人じゃないかぐらいに初見まず思ったし。更にHoward Chaykinやら、Benjamin Marraやら。なんかそういうところと関係持ってカバー依頼できるだけでもすごいぞ、ただもんじゃないぞ、ぐらいに思って、 読まなきゃ読まなきゃと思い続け、やっと今回に至るわけです。 先に書いたそちらの2作品については後程あらすじ紹介などやって行くが、まずはやっとわかったこのNeo Textについての説明から始めて行きます。


Neo Textとは何者なのか?


なーんかたまたま偶然ぐらいに見つけ、サイトの「About」って辺りにも詳しいことが書いてなかったりで、何か面白そうだがぐらいのところをうろうろしていたのだけど、ここでちゃんと調べなくてはで、もう一度「About」のところをちゃんと 見ているうちに、初期のプレス・リリース的なリンクが見つかり、やっと正体が判明した。いや、そっちまでちゃんと見てなかったのはワシの不手際でホントごめん。
とりあえず、The Hollywood Reporterというサイトに掲載された Publisher NeoText Launches With Ambitious Digital Slateという記事から、その重要部分を抜粋しよう。

犯罪小説の出版で注目されるLittle, BrownのインプリントMulholland Booksは、電子書籍出版への新たな注力として、ジャンル・ノヴェラ、ナレーティヴ・ノンフィクションを中心にデジタル出版を行う新たなパブリッシャーNeo Textを設立した。
パブリッシャーはAddictive PictureのRussell AckermanとJohn Schoenfelder、加えてプロデューサーJay Schuminskyによって立ち上げられる。チーフ・クリエイティヴ・オフィサーとして、元Tor Booksのシニア・エディター、 Eric Raab、エディトリアル・ディレクターとして、エドガーノミネート作家であり編集者でもある、Allan Guthrie、そしてディレクター・オブ・ナレーティブとして、元NATOのナレーティブ・コンサルタントであるNicholas Mennutiによる エグゼクティブ・チームによりNeo Textは出版を行っていく。

こーゆー記事ってそもそもが書き方自体が日本語に直しにくくて、わかりにくかったらごめん。もっと言葉足して意訳してくべきなんかな?まあいいか。
順に説明してけば、まずこれはあのMulholland Booksにより立ち上げられたものということ。Mulholland Booksわからんかな?近年のアメリカの中堅クラスぐらいのパブリッシャーでは、クライム・ノベルに特化して言えば最有力ぐらいのところ。 Little, Brownのインプリントで、更にその上がNYのビッグ5の一つHachetteというようなポジション。出版されたもので有名どころでは、ランズデール、ハプレナシリーズの復活。グレッグ・ルッカ、Jad Bellシリーズ(絶賛中断中…)、スウィアジンスキー作品などなど。 日本に翻訳されたもので言えば、クリス・ホルム、『IQ』のジョー・イデ、あーあとマッキンティの『ザ・チェーン』も最初Mulhollandだったか。最近ではウォルター・モズリイのイージー・ローリンズ復活させたり、新シリーズ出したり。あとハリウッド方面に 行ってもう帰ってこないんじゃないかと思ってたペレケーノスの新作短篇集か中編集かを出したり。あとジョーダン・ハーパーもこっちか。まあもうしばらく前だけどヴィンテージクライム/ブラックリザードが駄目になってから今はこっちか、というところが Mulholland Books。
ただまあサイトからはMulholland Booksにリンクなど張ってないし、さらに言えば「About」のところにもスタッフ紹介も何も載ってないのがNeo Texのわかりにくさなのだよね。

その次ぐらいになると、もうめんどくさいんで日本語に直すのを放棄。まあ新しい概念とかの役職を単純に日本語に直すのは無理あるか。エンタメをアポしてプレゼンな国には難しいかもしれんけど、何とかわかるっしょ。
まずノヴェラというのは中編小説のこと。語源厨で元々のイタリア語では短編!と怒ってる人いるかもしれんけど、とりあえず英語圏の出版業界の習慣的なものでは、語数幾つ以下がノヴェラって区分けで、大体長くて200ページ前後以下という感じ。 日本の文庫とかだと、今の大きい字では300ページ未満ぐらいなのかな。あ、ちなみに短編については、Short Storyかもっと単純にStoryぐらいに言う場合もあるようです。
ナレーティヴ・ノンフィクションについてはCreative nonfictionとかliterary nonfictionとも言い、日本的にはあまり広まってない概念か。客観的な報道と対照的に、もっと文学的っつーのかそーゆー方向で書かれたノンフィクション。 概念的には無くてももう事実上は存在するか。その辺の区別付いてないような「報道」もあるし。あと調べてたらナラティブ・ノンフィクションとかっこいい発音で打ち出してるところもあるようですが、定着しなさそうな気もする…。

スタッフについては、まずRussell AckermanとJohn SchoenfelderのAddictive Pictureというのは、映画やテレビシリーズなんかをプロデュースする会社らしい。検索すると会社のホームページとか出て来なくて、やな感じの画像や映像ばかり並ぶので 諦めた…。人名で検索するとそっちの方でのプロデュース作品が出てくる。プロデューサーJay Schuminskyというのも映像方面の人。
このうちJohn Schoenfelderという人が、Addictive Picture以前に、2010年Mulholland Booksの立ち上げにも関わったということで、再び出版業界に復帰し、自分の理想とする出版を行いたいというのがNeo Textということでもあるらしい。
チーフ・クリエイティヴ・オフィサーのEric Raabについては、元のTor BooksはSF、ファンタジー関連の出版で相当有名なところらしく、日本語のWikiもある。そっちの方暗くてごめん。
そして、ああこれMulholland関連だったんかと同等ぐらいに驚いたのが、次のAllan Guthrie。作家としても名高いが、こういうところに出てくればかの伝説級のBlasted Hearthのオーナーって方が頭に浮かぶ。
Blasted Hearthと言えば、電子書籍黎明期に電子書籍専門クライム・ノベル出版社として、Anthony Neil SmithやRay Banks、Douglas Lindsayらの作品を世に出し、2016年に消えた伝説のパブリッシャーである。クライム小説のコアなファンなら 当然知ってる、と言いたいとこだけど、日本的には自分しか言ってなかったのでほとんど知られてないだろうが。Ray Banksの謎の参加もこのコネクションだったんだね。
そうなるとその辺の作家の登場も期待したいところというのが人情だが、まあそりゃ高望みだろな。少なくともGuthrie参戦してりゃ、クライム物のクオリティも保証できるだろうぐらいのところで。
ちょっと途中で騒ぎすぎてしまったが残る一人、Nicholas Mennuti。ディレクター・オブ・ナレーティブっていうのは要するにノンフィクション部門の編集主幹というところなんだろう。元NATOのナレーティブ・コンサルタントとか、いかにも胡散臭そうだが、 この人自身によるノンフィクション作品ここからいくつか出てるので、その辺を読めばどのくらい胡散臭いかもわかるだろう。

2020年の時点での記事で、現在はカルチャー方面の記事などもなくなってたりで、中にもいくらかの変化はあったのかもしれないが、出版の方に関しては当初の意図のまま続けられている。
まあまずはこれくらいのバックボーンのある、注目すべきパブリッシャーだということ。
その他に、Schoenfelderがビジュアル部分の重視についても語っており、まあこの布陣ならEduardo RissoやHoward Chaykinも呼んでこられるわな、と納得。
で、作品の方に移る前にそっちのビジュアルの方について説明しておこう。

とりあえず読んだ2作品について言えば、まずカバーが描かれた後、同アーティストによる1ページ大のイラストが、作中ところどころに挟まれる。『Hole』では全155ページ中合計14枚、『Bloody Mayhem』では全96ページ中合計10枚という感じ。
既にお気づきの人もいるかもしれんが、まるで日本のラノベって感じ。もしかしてラノベから思いついたのでは、と思ったが考えてみるとやっぱ違うだろうな。あっちだとあの辺はヤングアダルトって辺りに分類されるので、イラストの使い方 なんかも児童書の延長ぐらいに考えられているだろうしっていう理由で。
ストーリーにビジュアルイメージを付加することによる効果という考え方では同じものなのだが。

それではここからは具体的な作品紹介に移ります。

Hole : Gerry Brown/Eduardo Risso


刑務所の図書館で読書にふける服役囚Emile Holeの前に、この刑務所内を仕切る囚人グループ、Davie Ingramとその配下が現れる。
俺たちの一員になるか、それとも痛い目に遭うか選べ。
そしてその場でDavieに殴り倒されるEmile。その様子を密かに持ち込んだスマホで録画する配下。
お前が俺たちの一員になるのを拒むなら、この動画をお前の身内に送る。そしてそいつが1万ドル払わなければ、また同じことをやる。わかるな?
Emileは笑い出す。俺の弟は携帯を持ってねえよ。
そしてDavieは、Emileの頭を踏みつける。

人里離れた山中に一人で暮らすVint Holeの家の前に、SUVに乗った二人の男が現れる。
男たちはVintに持ってきたスマホを渡し、彼の兄Emileが刑務所内で痛めつけられている動画を見せる。
1万ドル持って来い、払わなければまたやる。
そして男たちは帰って行く。

この町に近年現れ、直ちに地盤を固めたDonnieとDavieのIngram兄弟を頭とするギャング組織。
刑務所の中を仕切るDavieと外のDonnieの連携により、この商売はこれまでうまく動いて来た。
彼らの誤算は、この町にやって来たのが比較的最近であったため、Vint Holeが何者なのか知らなかったことだ。
少年時代、数々の過剰とも言える暴力事件を引き起こし、その後軍隊に入り姿を消したVint。
特殊部隊にいたなどの噂はあるが詳細は分からないまま、退役したVintは軍隊時代に貯めた金で近くの山を買い、そこで一人で静かに暮らしていた。
数少ない肉親である兄の危機に、野獣は目覚め、町の闇の中にもぐり込んで行く…。


基本的なストーリーラインは、80年代ぐらいのB級筋肉ムービー的なやつ。町を襲うギャングに一人立ち向かうマッチョとか、町を襲う宇宙人に一人立ち向かうマッチョとか。
だがそこに、その後のタランティーノを通過したという感じの味付けが加わり、現代クライムアクションのスタイルで書かれたという感じの作品。
ここに更にHole兄弟のヤバいおっ母さんや、Vintの昔の彼女の保安官補などクセのあるキャラクターが続々登場して来る。

作者Gerry Brownについてはほぼ情報なし。仕方ないんで巻末のAbout The Authorってところをそのまま書いとく。
Gerry Brownは、あんたが聞いたこともない工場が逃げ出した都市の急な丘の上に建つ腐りかけた家で暮らしている。これは彼の最初の著作ではないが、あんたが読んだ最初のやつだろう。
ストーリー、文章などについては充分に実力のある作家だと思うが、察するところ運がなくて小さい出版社から別名で出た本が既に絶版になってたり、有名作家の考えた話を代筆するWith的な仕事しかなかったり、下手をするとゴーストライター みたいなところを転々としてきた人なのだろう。新しいGerry Brown名でここから上って行ければ、と思うが、今のところは他にはNeo Textの『Walking The Edge』だけ。Gerry Brownでアマゾン検索すると、関係ない本が山ほど出てくるんだが…。

Eduardo Rissoについては説明の必要もないぐらいであるべきなんだが、日本的には知らん人も多いんだろうから一応説明。アルゼンチン出身のアーティストで、世界のコミック史に残る名作クライム・コミック『100 Bullets』をBrian Azzarelloと共に 創り上げた偉人。この作品についてちょっとしたコメントぐらいのところは見つかったのだが、通常カバーだけのような仕事は断っているが、これについては自由度も高く引き受けた、ということ。そういやRissoについてはコミックではお馴染みの 別カバーすらあんまり見た覚えがないな。


Bloody Mayhem : Jack Quaid/Butcher Billy


俺は人でなしじゃない。だが俺のやることは恐ろしいほどにその類いのことだ。
俺の面の傷がそいつを物語っているだろう。あるものは悪い判断から、あるものは悪運から、あるものは両者の組み合わせから。
俺はムショに入ってたこともある。結婚していたこともある。だがほとんどのときはクソに浸かってたって過ごしてたってところだ。
俺は名刺は持っていない。事務所もない。だが俺はある仕事に就いている。誰かが助けが必要で、法が何もしてくれないとき、俺に電話する。
俺の名前はMayhem。そして、いい奴に悪いことが起こったとき、俺はあんたが言うところの人でなしになる。

一仕事終えて自宅のアパートに帰って来たMayhem。留守番電話にはもう次の依頼が入っていた。すぐに電話を返し、会う段取りをつける。
一時間後、オーシャンドライヴの路上で、Mayhemは依頼人の女性Faithと会う。
彼女からの依頼は、自分をフロリダキーズの父の家まで送って欲しいというもの。ならバスに乗れよ。
自分はある悪い奴の秘密を知ってしまい追われている。彼女はそう答える。
彼女の様子は嘘を言っているようには思えない。MayhemはFaithの依頼を受ける。

ポンコツのシボレーに載せて、Faithを彼女の父の家まで送る。背後は常に気にしてきたが、尾行されている様子はない。
さびれた彼女の父の家まで無事辿り着き、いささかの依頼料を受け取り、仕事は終わる。
家に向かって歩いて行くFaithの後ろ姿が気がかりだが、依頼はここまでだ。
Mayhemはマイアミの自宅へと午前3時に帰り着き、直ちに眠りにつく。

翌朝目覚め、着衣のまま眠ってしまったことにがっかりしながらバスルームへ向かう。
そしてMayhemは自宅のバスタブの中に、血まみれのFaithの死体が放り込まれているのを発見する。
事態について考える間もなく、彼の家はドアを蹴り破って入って来たSWATチームでいっぱいになる…。


こちらは95ページとシンプルでスピーディーな感じの、心優しきマッチョタフガイストーリーという感じなのだが、かなりバイオレンスで、最終的にはスプラッタホラーかというぐらいまで突き抜けて行く快作。
主人公MayhemとFaithなど女性陣はイラストで見ると黒人なのだが、文中ではそういった描写はない。作者Jack Quaidは本人のホームページの写真を見ると少なくともアフリカ系ではない様子でもあり、 そういうところは考えないで書いたうえで、イラストButcher Billyからそっちの方が面白いんじゃないかという提案があり、この形になったんじゃないかと思われる。読んだ感じはこの形がよりマッチョ感の増した正解だとしか思えんが。

作者Jack Quaidは1953年生まれで、80~90年代を通じてペンネームなども使いかなり多くの作品を書いたパルプ作家ということらしい。1980年には『The City on the Edge of Tomorrow』という作品が映画化もされているそう。現在ハードボイルド、 ホラー、SFの3種類のシリーズが販売されているが、近作なのか旧作なのかは不明。Neo Textからは、他にスパイものらしい『Anonymous Jane』とSF作品『Star Blaster』が出版されている。

イラストButcher Billyについては、巻末の紹介を見ても俺のアートはこういうやつだ!ということぐらいで詳しい経歴などは不明。黒人を描いてるから黒人という断定もこの場合できない気もするが、とにかく暑苦しくてバイオレンスで、 大変素晴らしい作画。この名前からして明らかにガース・エニス『The Boys』のファンだと思われる。


以上2作品、価格も約1ドルとお手軽で、100~150ページ前後とさらっと読める、このジャンルのファンには確信を持ってお薦めできる良作である。
こちらに紹介した2作品、作者の経歴は曖昧であったりもするが、共通しているのは「売れない」もしくは「売れなかった」作家だ。
だが、だからどうした?
例えば先に名前を出したAnthony Neil SmithやRay Banksという作家は、Allan Guthrieも作品を出していたある意欲的な出版社(名前を忘れたが…)から初期の作品を出版したものの、そこが無くなり行き場がなくなっていたところで GuthrieがBlasted heathを立ち上げ、それによってカルト的という形でも世に広く知られるようになった作家だ。出版運に恵まれないということが実力がないということは意味しないし、読む価値がないなどということは当然あり得ない。 まーそんなにみんなが褒める本読みたかったら本屋大賞とやらの「ベストセラー」でも読んでろよ。あー、ちょっと口悪くなってごめんよ。ちょっとここんとこ機嫌悪いんだわ。あ、冷蔵庫壊れたのは関係ないよ。いや、壊れて大変だったんだけど。 まあボクご機嫌斜めプンスカの理由は最後まで読めばわかります。
そういった世に埋もれている作家を起用し、日本的に言えばラノベスタイルのような方法でヴィジュアルと組み合わせ、新たなパルプと言うようなものを創り出して行こうというのが、このNeo Textの趣旨である。素晴らしい!私はこの趣旨に 100%賛同する。賛同しない奴は本屋大賞でも…、いや、ちゃんと進めるよ…。

単純に文字通りの「新人」以前に、新しい作家を世に出すのは難しく、その傾向はさらに強くなっている。というのはこのNeo Textの母体であるMulholland Booksなども常に感じていることだろう。だがこのNeo Textは、単純に新人発掘が目的のために 立ち上げられたMulhollandのサブレーベルと言ったものではない。ここでMulholland/Neo Textが目指しているのは、新たなスタイルの読書経験によるジャンル読者の拡大・底上げなのだろう。それにより、新たな作家、実力はあるのに 出版運に恵まれない作家が世に出やすくなる素地を作るというのが、Mulhollandの最終目的なのだろう。
しかしながら、いかに中編作品サイズとはいえ、このくらいのビジュアルも加えたうえで1ドルほどの低価格で出版するとなれば、当然作家にそれほどの収益が入ってくることにはならないだろう。作家にとっては継続して出版するホームというよりは、 まずいくらか目立つ形で自身の作品を発表する場という形でしかないのかもしれない。
だが一方で、現在の電子書籍により手軽になった時代では、自費出版という形で作品を発表している作家も大変多い。例えば出版社が無くなり絶版となってしまった旧作を自費出版する作家から、日本のなろう系ぐらいのものまで。
そういった場から「新しい」作家を見つけ出し、新しいパルプを創り上げようというのがNeo Textなのだろう。

まあ自分の好みからまずクライム系の作品を選んだが、先に書いたようにこのNeo Textではパルプに属する多くのジャンルの作品が出版されている。ホラー、SF、定番のメンズアクションアドベンチャーなども。どれも読んでみたいところだが、 今回まとめているうちにかなり気になって来たのが、一つのジャンルとして重視し専属のセクション担当者も設けているノンフィクション作品。なーんかいかにも社会に立派なことを訴えるとは逆方向にさえ見える、その辺のやつも是非読んでみなければ と思っている。
先に名前を出したBlasted Heath。そしてSnubnose PressやアンソロジーThuglitなど。10年前これを始めた時期、それらの活躍には本当にハードボイルドファン魂を揺さぶられたものだが、日本でそれらを知っている人すらほとんどいないだろう。 運よくそれらを知ることができた自分がもっと頑張って伝えれれば、と常に思う。今はなくなってしまったそれらだが、そういったものを引き継ぎ新たに作ろうとする動きも絶えず、そこから登場し現在活躍している作家も多い。例えばS・A・コスビーだって その中の一人だ。
そして今Neo Text。今回紹介した作家を二度と見ることもないかもしれないし、ここ自体が一年もしないうちになくなってことだってある。だが常にそこから生まれたものが大きく育って行く可能性を秘めている。Blasted Heathをきちんと伝えられなかった 私は今度こそこから出てくるものを一つでも多く紹介してやる!と思うのさ。


予告:Rough Edges Press特集!

Neo Textとはまた違い、少し伝統的、というようなパルプ作家を集合させ、サスペンス、アクションを中心に大量のジャンル作品を世に出しているRough Edges Press!ウェスタン作品を中心に現代のパルプを送り出し続けるWolfpack Publishingの インプリントである。えーと、全部かは確認していないのだけど、かなりの作品がKindle Unlimitedで手軽に読むことができる現代のパルプの一つのスタイルを打ち出しているとという側面もある。このRough Edges Pressについても、特集という形で 近日中にその実態に迫って行く予定である。


予告:Shotgun Honey特集!

こちらはこの手のインディペンデント系ではそこそこ老舗で2010年代初期ぐらいから頑張ってるShotgun Honey!一時期クライム・フィクション専門出版のDown&Out傘下に入っていたが、最近再び 独立運営に戻っている。こちらについては上記の二つとは毛色が異なっており、投稿されたフラッシュ・フィクションを掲載するコーナーもある、2010年代から多く見られるウェブジンから出版へと拡大していった形態を続けている。 だが一方で初期からAngel Luis ColónのThe Blacky Jaguarシリーズのようなパルプ傾向の作品も出版していたところでもある。新規再出発後、かなり多くの本も精力的に出版されており、ここは一度ちゃんと見とかなきゃなあということで この並びに入れた。ずっと読まなきゃと思ってるNick Kolakowskiあたりからこちらも近日中に深く探って行く予定である。


なんかまとめようとか思ったけど、大体言いたいことはもう言ったのかな?例えば、デカい出版社から出るベストセラーをハリウッドのメジャーみたいに考えると、まあそれで満足ぐらいの人も大多数なわけだし、そういう人には用ないでしょ。 で、こういうところで書いてる作家がそのハリウッド・メジャーに行く可能性なんてほぼないわけだし。そういうところに行く作家の無名時代の作品みたいなものを読んでおいて、いつか威張りたいみたいな人にも全く無用ですな。 あー、日本に翻訳されるなんて確率もまあゼロパーセントだよ。ただ自分みたいな人間にとってはそういうところに行くよりも遥かに高い確率で楽しめる本に出会える場所で、こういうのを書くことでこういった場で頑張っていてくれる人を 少しでも応援できれば、ぐらいのもんですね。まあ興味ない人は本屋大賞とやらの「ベストセラー」でも読んでれば?。



いともたやすく行われるえげつない行為


まあまずはひどい目に遭ったという話。
なんかね、こいつお国のミステリ事情で今までこういうのやれなかったけど本当はこういうの書きたかったのかも。まあ悪くてもあんまりできの良くない北欧ミステリ程度には読めるだろう、ぐらいの甘い考えでやたら手を出すもんじゃないな、ってとこなんだがね。
自分は本の批判とかするのは好きじゃないんで、タイトルは出さん。そもそもあんま良くない本なんて読んじまうのは100%自分の失敗、自己責任だと思ってるしね。
この雑学王のうんちく無双アクション☆描写の7割が手順説明と訓練自慢となんかのうんちくニャ!!、みたいなもんがなんでそこまで手放しで絶賛されてんのか理解できんが、まあ自分には梱包材山盛りで本体がしょぼい上げ底ぐらいにしか見えんけど、 なんか説明大好き!ミステリとして評価できる!みたいな人が多いのかねえ。でもまあこの御大層に言ってる「陰謀」って、上に書いて来たパルプジャンルみたいなとこで、ツッコミどころ満載だけどドッカンバッカン痛快で笑えたからアリ!で許される 程度のものとしか思えんけどねえ。
まあこんなものうっかり読んじまったのは、上に書いたような自分の甘い見積もりによる自己責任なんで、そんなことで普通なら騒がん。問題はこれがなんともお気軽に「ハードボイルドアクション」とか呼ばれているところだ。
だってこれハードボイルドじゃないじゃん。いやなんか「ハードボイルドとは言えないな(キリッ!)」みたいなアホ丸出しモードで言ってんじゃなくてさ、これ一般常識でしょ。
だからそもそも昔「冒険小説」なんてジャンルが一時的にせよなんでできたのかって話。それはハードボイルドには分類されないアリステア・マクリーンやら、ジャック・ヒギンズやら、ギャビン・ライアルみたいな作家がいて、それをちゃんとジャンルとして 分類して評価しようってことからでしょ。まあ今でも石投げれば当たるぐらいアメリカではその手のものが出ているジャンルが、なぜ日本では消滅してしまったかと言えば、本来エンターテインメントとかパルプとかいう方向で評価すべきものを、 マッチョ文学、あー日本国内限定の文学基準だから、マッチョ「純文学」か?みたいな基準で評価しようとしたってこと。どう見たって現在に至るその辺のジャンルでは柱ぐらいになるトム・クランシーを、「第一人者」が読む価値ないみたいに言ってちゃ 成り立たんでしょってことだろ。まあこの辺については長くなるし、二階級特進でUR書評家ぐらいになった故人の悪口が多く出てきちゃうんで、今はやらんけど。
で、ここで話している雑学王のうんちく無双アクション☆は、明らかにそっち。まあ一昔って程じゃない前でも、あいつこれハードボイルドとか言ってるよプークスクス、ぐらいだったもんだろ。
それが日本の翻訳本ではお馴染みの、巻末ミステリ評論家フリースペースで、なんかブラみたいに寄せて上げれば、ほらリー子やコナリーっぽく見えるっしょ、だからハードボイルド、ってなんともお気楽に言われてる。これを受けて野良レビューみたいな とこでもなんかこじつけてハードボイルドで絶賛。で、こんな出版社イチ押しの話題作、読書の空気読みどもにより当然のようにランキング上位に持ち上げられ、その辺じゃもう何の遠慮もなく「○○シリーズの○○によるハードボイルドアクション」ぐらいの クソコピーが平然と使われることになる。あー、なんかさあ、もう少なくとも来年の春ぐらいまでは翻訳ミステリみたいなとこに近寄りたくもないね…。

とか、そもそもはそんぐらいの愚痴で終わるところだったんだが、なーんかなんでこんな出鱈目通用するんか、と色々考えてみたら、うーん、まあこりゃ日本でのハードボイルドの危機的状況、というよりもう殺されたなって事態だな。
じゃあ「ハードボイルド殺ジャンル事件」の犯人当て解説やってみるかい。
話はしばらく前の、早川書房によるマッキンティ/ショーン・ダフィシリーズへのアレへと遡る。これはマッキンティの著作の中に法月綸太郎の見当違いで不快感を催す「評論」を印刷するという、著作の改変にも等しい近年のミステリ 出版の中でも最大級レベルの悪逆行為であることはこちらで何度も訴えておる。
ツッコミどころしかないレベルの全体の中でやや埋もれかけていたのだが、中に一匹狼ハードボイルド路線だったダフィが成熟安定により云々、みたいな戯言がある。
そしてここでの安直な「ハードボイルドアクション」。
要するにこいつらはハードボイルドを主人公のキャラ属性ぐらいにしか認識しておらんのだよ。
これはそもそもミステリ=犯人当てという形しか考えない連中による、ハードボイルド小説をハードボイルドなキャラクターが主人公のミステリとしか考えないところから由来している。日本のガラパゴス的謎解きをミステリの中心・頂点とする考え方 からのあまりに雑で傲慢な解釈。
ここでさ、ハードボイルドはこういう歴史を持っててとか説明しようと考えたが、なんかやる気でねえや。こんなバカバカしい話長々と書いてんのやだし、暑いしー。
要するに少し前にふざけて書いたやつだけど、結局あれに尽きるんじゃない?「これはただの謎解きミステリではない。人間ドラマだ!」
結論から言えば、そういった方向から、よりリアルな犯罪を描いた小説という方向に進化してきたハードボイルドの歴史では、もはや犯人を当てて事件を解決するという方向も捨てた「犯罪小説」という形のものも多く書かれ数々の名作を残してきた。
だが、こいつらはそれらを常にその他ぐらいに分類し、自分らの考える「ミステリ」の形をしたものだけを見て、自分たちが考える「ミステリ」の基準で判断して来たわけだ。
こうして奴らはハードボイルドを見失った。
もう奴らにはハードボイルドが現在どういう形をしているかもよくわかってない。ただ昔聞いたような漠然としたイメージで考えるだけ。
もうこいつらの言ってる「ハードボイルド」なんて、外国人が言うサムライ・ニンジャと変わんねーんだよ。

こうして件の雑学王のうんちく無双アクション☆が世間的にも出鱈目に「ハードボイルドアクション」認定された後は、もう止まらんって。来年ぐらいにゃ出るんだろう第2作には、もう帯にでかでかと「最もエキサイティングなハードボイルドアクション」 ぐらいのクソコピーが堂々と出される。
だがこいつらはもう現在の本当のハードボイルドがどんな形をしているのか全くわからない。
かくして巷には出鱈目なサムライ・ニンジャ感覚で「ハードボイルド」指定された見当違いの作品が並び、本物のハードボイルドは決して正しくそう呼ばれることはなくなる。
現在の本物のハードボイルドが何かって?そりゃショーン・ダフィだよ。
世紀の変わり目、ハードボイルドには衝撃的な作家が登場する。それがケン・ブルーウンだ。それまでクライムやらノワールやらって呼ばれていたハードボイルド・ジャンル作品を全て統合し、そこから出て来た誰も出せなかったようなひとつの あまりにも美しい正解に、このジャンルをきちんと正しく読んできたものなら衝撃を受けたはずだ。これが21世紀のハードボイルドか!
だがケン・ブルーウンはあまりに天才過ぎた。あまりに大きく踏み出された一歩から、その先のハードボイルドがいかなる形になるのか想像できないほど。
そこに同じくアイルランドから現れ、一つのその形を見せたのがエイドリアン・マッキンティ/ショーン・ダフィだ。どんなエクスキューズも注釈文もいらない、正統・正系のハードボイルド。
だが奴らにはこれがハードボイルドであることすら見えず、そう呼ぶことすらできない。それ以前のケン・ブルーウンの時点で理解できなくなってたからな。もっと前か?考えるのも馬鹿々々しいわ。
「警察ハードボイルド」→もううんざりするわ、お巡りさんが主人公なら誰も文句言わない正答として繰り返される「警察小説」。文句言われないだけで何も言ってないも同然。なんか控えめにくっついてる「ハードボイルド」がキャラクター属性 での使用であることは言うまでもない。精々あんたの知ってるハメット、チャンドラーに適当にこじつけてろや。
「警察小説+ノワール」→最近よく見かけるクソ。ノワールなんて全く理解する気もなくただ雰囲気ぐらいの解釈で使ってるだけ。味付け・トッピングの類い。「警察焼きそばピリ辛ノワールマヨネーズ付き」ぐらいの意味しかない。最近トッピングと クラシックとなんか「純文学」方向解釈のアジア作品以外に、ノワールなんて出したことあんのかよ。

戦後すぐぐらいの頃は、翻訳ミステリ業界も新しいところで、様々な人材がいて様々な考え方で多くの種類のミステリが紹介されたんだろう。だが時代が過ぎるにつれ、そういった業界はミステリをお勉強してきたミス研出身者みたいなもんに 占められることになって来たんだろう。編集者にしても、評論家にしても。
全てのミステリは、そういう連中の「お勉強」してきた型枠にはめられ、そこに合った都合のいい解釈をされる。で、警官主人公なら一括警察小説ね。それ絶対間違いって言われないからね。
例えば、日本で食べてるカレーライスが、本場インド・東南アジア諸国のものと違うぐらいのことは子供でも知ってる。あー、あんまり小さい子は知らんか?
結局日本のそういう連中のミステリの見方って、どんなカレーでもご飯と一緒によそって福神漬け添えれば「カレーライス」になる、ってぐらいのもんなんじゃないの?

いともたやすく行われるえげつない行為。
こうして日本ではハードボイルドが殺された。
巷には、サムライ・ニンジャ気分で安直に使われた「ハードボイルド」や、「警察焼きそばピリ辛ノワールマヨネーズ付き」ばかりが並ぶ一方、本物のハードボイルドやノワールが運よく翻訳されることがあったとしても、決して正しくそう呼ばれることはない。
もはや連中の認識・知識ではそれはそう見ることが不可能だから。それらの言葉は本質的なところを深く考えられることもなく、作品を格好よく見せるためだけのちょっとした味付け感覚で適当に使われるだけ。
テレビやマンガぐらいのところじゃ、その程度の認識にとっくになっていて、もうとうの昔に諦め無視してたけど、翻訳ミステリってところだけはハードボイルドでもないものをハードボイルドと呼んだりしないと信じてたのにね。
そこがもうわかんないんで出鱈目始めます、って言うなら日本のハードボイルドなんてもう終わりだろ。もうサムライ・ニンジャ・ハードボイルドしかねえや。あほらし。
なんか少しそういうところも目を向けて行くことにも意味がある、って思ってたけどもう終わりだな。インチキ「ハードボイルド」に、これはハードボイルドじゃないというためにやな思いしたり、無駄な時間体力気力使いたくないもの。もはや読むべき作品が なんかのすごい偶然ぐらいで出ても、とにかくクソコピー確実の帯や、巻末ミステリ評論家向けクソフリースペースなんかからは一切目を背け、中身だけを個人的に読んでお終い。もうどんなクソが出てくるかわかんねえから売り場も あんまり行かないかもね。

結局、この国にハードボイルドなんてものを正しい形で読ませるなんてことは不可能なのかもしれない。
ハードボイルドは男の生き様・マッチョ説教なんかじゃない。本格通俗みたいな概念がハードボイルドを捻じ曲げて来た。と訴え続けて、より多くの優れた作品、未来に向かって作られ続けている作品を紹介していこうと頑張っていればこの有様だ。
お勉強したところによると、ハードボイルドの語源はこうで、起源はこういうものらしいですから、コンセプトとしてもっと多くの最近の日本で売れそうな作品に使って行くことができるはずです。どうせハードボイルドなんてネオハードボイルド以後は PI小説に変わるという形で終わっていて、その後に出ためぼしい作品なんてパロディとしてもなんかなぐらいの恐竜ハードボイルドぐらいですからね。これからは日本で確実に売れる謎解き+ハードボイルドと表現できるような作品を 捜して行きましょう。
もうこんな国でこんなことやってても意味ないんじゃないかぐらいに思えてくるよ。でもなあ、外の世界じゃ読むべき優れた「本物の」ハードボイルドが山のようにあり、そいうものについて語らずにはいられんからな。いずれは日本人が思う ハードボイルドとかけ離れ過ぎてこいつ何言ってんだ?ぐらいになるんじゃねーかな。
もう日本のミステリ状況に文句を言う気も失せたし、翻訳ミステリなんてものにも極力近付きたくないぐらいの気持ちしかない。でもなんかまたどうにも許せない新たな「いともたやすく行われるえげつない行為」が起きて罵倒を始める事態に 必ずなるんだろうな。あー嫌だ嫌だ。これだって書いててクソ時間の無駄で、嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌でしょうがなくて、とにかく早く書いて終わりにしようばっかりだったよ。
そもそもあんな本読まなきゃよかったんだと思うけど、こういうやつは生きてるだけでどっかの時点でそういうのを見つけてしまうことになってたんだろうな。
せめてもうこれからは日本に翻訳ミステリなんてないぐらいの強い気持ちで生きて行くしかないんだろうね。さいなら。

あまりにも素晴らしい本を読んでいるときに、ホントクソゲロレベルの事態が進行中であることを発見してしまったため、やや過剰になってしまったかもしれんけど、まあどうでもいいや。終わり。
ハイ、次回は予告通りマッキンティの『The Detective Up Late』です。あ、スプラッタパンクアワードあるので次々回になるかも。なんか勢いで次に書こうと思ってたことも一部書いてしまいました。内容に関することではないが。 なんかさ、「このシリーズには興味はないが、売れている作品らしいのでミステリ教養として続きを知っておきたい」みたいな勘違い屑野郎が来てもしょうがないな、と思ってたけど、なんかそんなもんに近寄られるのも嫌な気分なんで、 なるべく検索されにくい逆SEO対策として、作者、登場人物など全て英語表記のままやる予定です。
本当に素晴らしい作品で、できれば楽しいことだけ書いていきたいんだけど、そうならないだろうな…。

「君の言ってる「ハードボイルド」は赤ちゃんの格好をしたちょいわる親爺のことだね」
「いや、セニョール・ピンクさ」



■Neo Text
●Gerry Brown

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